法科大学院

FD活動

2019年度 第1回

  • 日時 2019年7月9日(火)
    15:40-16:45
  • 場所 205教室
  • 出席者 17名
テーマ クラス規模と授業運営
報告者 ①趣旨説明  島田志帆教授・FD委員長
②島田志帆教授 (商法演習Ⅰ)
③北村和生教授 (行政法A)
④松岡久和教授 (民法演習Ⅰ)

本年度の第1回FDフォーラムでは、「クラス規模と授業運営」をテーマとして取り上げている。

 ここ数年、やや縮小傾向にあったクラス規模は、今年度は拡大した。そこで、本フォーラムにおいては、クラス規模の拡大したS1・L2の授業を中心に、その担当者からクラスの状況を報告してもらうこととした。

 島田教授からは、商法演習Ⅰのクラス状況について報告された。「Quiz」という知識確認の問題については、学生はアットランダムに指名されるため、今年度のクラスでは程よく緊張感が保たれている。また、記述式問題となる「Writing」については、2~3人を1組としてレジュメを用意させて輪番で報告させているが、各班で議論して授業に臨んでいる様子が窺える。中間到達度試験や授業評価アンケートの結果からは、学生の基本的能力は認められるとのことであった。

 北村教授からは、行政法Aについて、近年のクラス人数に関する推移グラフが示されたうえ、今年度は2015年度並みのクラス人数になっており、演習用教室から講義用教室に復活した旨が報告された。授業においては、1回あたり、1/3~1/2程度の学生を指名して回答させており、講義型の授業としては、現在の人数規模がやりやすい。指名については、学生に「油断」が目立ち、マイクの順送りの方向を途中で変更したりすると、答えられないことがある。小テストや中間テストの結果からは、成績は全体としては緩やかに低下傾向にあるといえるが、極端には悪化しておらず、学力が低下しているとは感じられない。ただ、受講生からは予習課題が多いとの意見が出されるなど、授業にはついてきているものの、苦労している様子がある、とのことであった。

 松岡教授からは、民法演習Ⅰのクラス状況について報告がされた。昨年度は、長期欠席者もいたため、5名程度のクラス規模であったが、今年度は10~12名のクラス規模になっている。授業では、学生の理解度確認のために質問を行い、各学生の学力に合わせて質問を行っているが、大講義よりコントロールがしやすい。授業には、TKCの基礎力確認テスト(10問以上、7~8割できるまで)を出席要件として課し、提出学生には、コメントをつけて受領確認返信をしている。提出への動機付けを強化するため、TKCの基礎力確認テストに代えて授業まとめを提出することも認めており、添削したうえ返信している。学生から出た質問は適宜、まとめて学生に配布している、とのことである。

 各報告に際しては、学生への指名方法(マイクの巡回方法)や指名回数、小テストの方法などについて活発に質疑応答がなされた。報告者以外のL2・S1配当科目の担当者からも発言があり、渕野貴生教授(刑事訴訟法)からは、北村教授の報告と同様、学生の学力は極端に低下してはいないとのことであった。ただ、2回目に当たる学生数が少なく、1度当たるとその後、気の緩みがみられる学生がいるとのことであった。また、和田吉弘教授(民事訴訟法)からは、クラス人数は40名弱であるところ、指名はランダムに行い、クラスの半分程度は当たるが、緊張感については、学生によっては感度が異なる、との意見も出された。  以上のように、本フォーラムにおける各報告と質疑応答・意見交換を通じて、規模が拡大したクラスの現状や授業運営のノウハウが共有されたといえる。今後は、各教員において、そのノウハウを自身の教育・指導において活用していく旨が確認された。 

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