法科大学院

FD活動

2020年度 第1回

  • 日時 2020年5月26日(火)
    15:40-17:00
  • 場所 Zoom
  • 出席者 24名
テーマ Zoomを用いた法科大学院の授業
報告者 ①趣旨説明  島田志帆教授・FD委員長
②松本克実教授 (民法演習Ⅰ)
③島田教授 (商法Ⅰ)

本年度の第1FDフォーラムでは、「Zoomを用いた法科大学院の授業」をテーマとして取り上げた。



 立命館大学では春学期はWEB授業を行うことが決定されているが、当法科大学院においては、可能な限り対面式授業に近い授業形態をとるため、57日から、全授業についてZoomを用いたライブ授業が実施されている。そこで今回は、法律基本科目のうち演習科目と講義科目の担当者から、具体的な授業実施方法について報告をしてもらい、Zoomによる授業の運営方法について教員間で意見交換を図ることとした。



 まず、松本教授から、民法演習Ⅰの運営方法について報告がされた。報告によると、授業はiPadを用いて教員研究室から行っており、パワーポイントのPDFを画面共有する形で進行している。授業中は、授業参加の確認と対話のためビデオオンにするが、マイクはミュートとし、発言の時だけマイクオンさせている。設問に対する回答には、Zoomの「手を挙げる」機能を利用している。また、manabaRの出席カードには、アンケート機能も付いているため、その回の授業についての成果・課題・質問を記載させて提出させている。

 また、Zoomによる授業の最大のメリットは「画面共有」機能といえ、パワーポイントを各自のデバイスで見ながら授業に参加できるため、教室内でプロジェクターにより提示するより見やすいほか、学生の顔が間近に見えるため、質問しやすい。デメリットとしては、録画管理が面倒である点や、ビデオオフにすると授業参加の有無を確認できない点などが挙げられた。


 松本教授の報告に対しては、画面共有しているときに学生の顔を見えなくならないかとの質問が出されたが、パソコンでZoomを使用している場合には、画面共有中も参加者を表示でき、タイル表示など表示方法の設定もできるとの情報が提供された。また、デュアルモニターにより、片方に共有画面として資料を提示し、他方に学生の画像を表示するといった実践例についても紹介された。



 次に、島田教授からは、講義科目である商法Ⅰについて報告がされた。商法Ⅰでは、常時学生にビデオオンさせ、マイクはミュートにさせているが、出席確認や発言させるときは、ミュートオフにさせて返答させている。授業時間のうち最初の20分程度は、前回の復習課題をランダムに指名する形で回答させており、残りの時間は講義に充てている。授業レジュメはPDFファイルにして画面共有しながら、適宜Zoomの「ホワイトボード」機能を利用して、関係図を図示するなどしている。

Zoomによる授業のメリットとしては、通勤・通学の手間がないということも確かにあるが、デメリットとしては、マイクでの対話にタイムラグや断線があり、お互いにストレスを感じる点、また、授業の非対面化により、対面では容易に回答できる質問もメールでやり取りすることが増えた点などが挙げられた。

 学生との質疑応答については、ある程度受講生に共通する質問はmanabaRのコースニュースを用いて回答し、個別の内容のものはメールで対応するというように分類することや、授業直後に質問タイムを設けて対応することなどの対応策が紹介された。



 また、ビデオオンの画像が途切れたり、ビデオオフする必要のある学生について、あるいは学生のデジタルデバイドについて配慮することの必要性などについて意見交換がされた。


 以上のように、本フォーラムにおける各報告と質疑応答・意見交換を通じて、Zoomを用いた授業運営のノウハウや課題が共有されたといえる。今後は、各教員において自身の教育・指導において活用していく旨が確認された。

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