立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 圧倒的な努力に法科大学院の
    サポートが加わった時、
    合格が見えてくる。

    菊澤 俊輔さん

    立命館大学法学部出身
    既修者コース修了(2012年)
    2013年度司法試験合格

現役の裁判官の指導を受け
実務的な視点を養った。

小学時代、菊澤 俊輔さんが好きだったのが、ディベートの授業だった。二手に分かれ、あるテーマについて是非を議論する。自説を立証するために証拠を集めて披露するなど、その力の入れようはクラスでも指折りだった。今思えば、裁判に近いディベートのおもしろさを知ったことが、後に法曹に関心を持つきっかけになったと述懐する。大学で法律を本格的に勉強して改めてその魅力を実感し、「法律のスペシャリストになりたい」という気持ちが膨らんだ。

法科大学院に進学後は、知識をインプットする学びから、それを運用する能力を鍛える学びが加わった。おもしろかった科目の一つが「要件事実と事実認定」だ。授業では、判例を題材に、事実の分析から立証までの道程を考えていく。「事実が同じでも、解釈や結論までの道筋は、無数にあります。数々の事実からどれを抽出してどう解釈し、どのような論理を組み立てるのか。事案を的確に分析し、説得力のある論理を構築する過程を学ぶ中で、『法』を単に紙上に書かれた言葉ではなく、社会で活用される道具としてとらえられるようになりました」

また現役の裁判官から指導を受けたことも刺激になった。立命館大学法科大学院の特長の一つに実務家教員の多さが挙げられる。「実際の訴訟ではどのような判断が下されるのかといった、司法の現場の視点から分析を学び、より現実的、実践的に解釈する力が養われました。何より実務の一端を聴くことで、長期にわたる試験勉強で見失いがちな目標を新たにし、法曹を目指すモチベーションが高めることができました」

教員紹介

高い業績評価を得た40~50歳代なかばの専任教員が中心となり、情熱をもって教育にあたります。実務家教員は、全員が高度な専門力量を持ち、豊かな経験をもとに、理論と実務を統合します。教員の熱心なサポートは、大きな特徴の一つです。

判例に加えて調査官解説を読み込み
深く掘り下げる力を養った。

授業を実のあるものにするには、予習・復習が欠かせない。事前に判例を読み込むことに加えて菊澤さんが力を注いだのは、図書館を活用し、裁判所調査官が判例をさらに詳細にひも解いた「調査官解説」を読むことだった。約2万5千冊もの蔵書を保有する朱雀リサーチライブラリーでは、法律の専門書はもちろん、『ジュリスト』『法曹時報』といった調査官解説の掲載された法律の専門雑誌も読むことができる。「判決が導かれるまでの判断過程を詳しく知ることで、自分が解釈する際にも、より深く掘り下げられるようになりました」

最初の司法試験挑戦は失敗に終わったが、菊澤さんは落ち込む間もなく合格発表の次の日には法科大学院を訪れ、勉強を再スタートさせた。翌年の合格を確かなものにするために菊澤さんが取り組んだのは、「まとめノート」を作ることだった。「それまでに授業や自習で得たことをすべて一冊のノートに一元化したのです。授業中にとったノートを再度まとめ直し、その上に自分で調べて得た知識を加えていきました。そうすると知識の不足しているところが一目でわかり、効率的に不足を補強することができました」。心がけたのは、試験直前の数日ですべてを見直せる量にまとめること。実際試験直前、ノートに目を通すことで、落ち着いて試験の臨むことができた。

3年間を振り返り、今菊澤さんは後輩たちにこうアドバイスする。「立命館大学法科大学院は、設備は充実しているし、教授陣も熱意を持って教えてくださいます。しかしそれに甘んじては決して成功しません。どれほどハード・ソフトが整っていたとしても、自分自身が努力しなければならないことの方が圧倒的に多いと自覚することが大切です。自分なりの勉強法を見つけ、それを最後までやり通すためのサポートとして法科大学院を最大限活用できた時、合格が見えてくるはずです」

朱雀リサーチライブラリー

法科大学院をはじめとするプロフェッショナルスクールでの学習、研究を支援するためにキャンパス独自のリサーチライブラリーを設置。約25,000冊の図書、雑誌を配架しています。