立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 合格に安易な近道はない。
    焦らず基礎を徹底的に
    鍛えることが重要。

    松浦 光介さん

    同志社大学政策学部出身
    既修者コース修了(2015年)
    2016年度司法試験合格

弱点や不足点を発見することで、
強化するべきポイントも見えてきました

 法曹を将来の進路に定めた大学3回生の時、松浦 光介さんが母校ではなく立命館大学法科大学院への進学を目指したのは、長期にわたる司法試験合格までの道のりを力強くサポートする制度が整っているからだった。成績優秀者を対象に授業料が免除される「奨励奨学金」制度によって授業料全額免除を獲得。親元を離れ、一人暮らしをしながら勉強を続ける支えになったという。

 それでも法科大学院での勉強は容易いものではなかった。特に「法的思考力」を鍛えられたのが、「国際関係私法」の授業だ。「双方向の授業では、先生から次々に質問が飛んできます。判例を読んで予習していっても、通説通りの答えでは太刀打ちできない。『それはどういうこと?』『そう考える理由は?』と切り込まれ、批判的な視点で深く考えさせられました」。納得できるまで理解を深めるために、判例を読むだけでなく、「調査官解説」や「判例100選」の解説などさまざまな文献をあたったという松浦さん。具体的な事案を題材に考えることで、法的な論理の組み立て方を理解できるようになっていった。

 また司法試験合格に直結する実力をつけるのに役立ったのが、「弁護士ゼミ」だ。司法試験に出題された問題を解き、答案を立命館法科大学院のOBOGである現役弁護士が添削・指導する。「実際の試験では2時間という限られた時間で書く論文問題に対し、無制限に時間をかけて答案を作成してゼミに臨みます。わからないところを文献で調べつくして解答を書いたつもりでも、先生から『ここは違う』と指摘される。その箇所こそ自分の理解が及んでいないところ。弱点や不足点を発見することで、強化するべきポイントも見えてきました」

奨学金制度

入学試験成績優秀者を対象とした「立命館大学法科大学院奨励奨学金制度」など多様な奨学金制度を設け、数多くの支給実績があります。

弁護士ゼミ

立命館大学には正課外で様々な資格取得をサポートするエクステンションセンターがあり、10名〜20名の弁護士が担当する弁護士ゼミや、模試の学内実施、大手事務所訪問会など多様なサポートを行っています。

基礎知識を徹底的に叩き込んでこそ、
実力がついてくる

 法科大学院を修了後、最初の受験では不合格に。敗因を「勉強時間が圧倒的に足りなかった。1回生修了時の試験で2年目も授業料全額免除の奨学金を得られるとわかって気が緩んでしまった」と分析する。長丁場の受験勉強では、いかに集中力を切らさず勉強を継続できるかが合否を分ける。とりわけ2回生は授業数が減り、演習や自習時間が増えるため、自己管理がより重要になる。

 修了後、法務専修生として過ごした1年間は、危機感を持って勉強に集中。早朝6時過ぎから夜12時過ぎまで勉強に集中する生活を続けた。
徹底したのは、基礎知識の習得。「生半可な知識がついてくると、応用にばかり目を向けがちですが、試験で問われるのはベースとなる基礎知識です。そのため焦らずに基本書をもう一度読み直し、基盤を盤石にすることに努めました」と語った。

 試験突破に安易な近道はない。十分な勉強時間を確保し、基礎知識を徹底的に叩き込んでこそ、実力がついてくる。こうして基本に立ち返った松浦さん。2度目の挑戦で合格をつかみ取った。

 「将来は依頼者の方にとって誰よりも心強い味方になれる。そんな依頼者の利益を最善に考えられる弁護士になりたい」と理想を描いている。