立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 飛び級制度で学部3年から入学。
    綿密な予習によって授業時間を活かし
    学部3年+院2年の最短コースで合格。

    森元 宙斗さん

    立命館大学法学部出身
    既修者コース修了(2016年度)
    2017年司法試験合格

授業は知識を入れる場ではなく
知識の応用方法を確認する場にしていた

 中学生の頃から法曹を目指していた森元宙斗さんは、学部3年から飛び級で法科大学院に進学し、計5年で司法試験に合格。予備試験以外では最短ルートでの合格だが、最初は飛び級入学に迷いもあったという。「大学院受験のリハーサルのつもりで飛び級の試験を受けたので、合格は想定外。学部でもう1年しっかり勉強する方が、結局は司法試験合格への近道なのではないだろうかとも考えました」。先生に相談すると「覚悟を持って頑張るならいいと思うよ」と背中を押され、進学を決意。奨励奨学金が全額2年間給付されることも決め手となった。大学院受験の勉強を始めようとしていた法学部生が、司法試験まであと2年しかない法科大学院生へ。「強制的に意識を変えざるを得なかったことが、今思えば良い流れにつながったと思います」

 学部とは比較にならないくらい内容の濃い大学院での学び。学部4年で学ぶはずだった知識が抜けている分、1年目で基礎を固めなければと、最初からペースを上げた。特に意識したのが、「授業の時間を大切にすること」。1科目につき3、4時間を予習にかけ、授業は、知識を入れる場ではなく、知識をどのように応用できるかを考えることで法的思考を身につける場としたのだ。「授業で学んだ知識がそのまま試験に出ることはありません。事例の一部が変わったらどう考えるべきか、この部分が変わったらこういう理解で正しいのか、授業中に頭をフル回転させて一つひとつ考え、疑問が生じたらすぐに質問して確認していました。先生方がそれに向き合っていただけたことが自分の成長につながりました」。もともとガリ勉タイプではないという森元さん。「後で時間をかけてじっくり考えるより、授業に集中する方が自分には合っていたと思います」

 最初はどう書いていいかもわからなかった答案の書き方は、「弁護士ゼミ」で鍛えた。「過去に多くの答案を見てきているOB弁護士の先生に何度も添削してもらうことで、自分なりの書き方の形ができるようになりました」

飛び級

学部3年間+法科大学院2年の最短5年で法曹を目指せます。大学の学部3回生在学中の方を対象とした入試方式で、早期卒業予定者や飛び級での入学予定者を対象にしています。この方式での合格者には奨学金が“確約”されます。

大きな武器を手にした今、
さまざまなことにチャレンジしたい

 立命館大学法科大学院の良さは、少人数の濃密な授業が展開されること。特に演習系の科目では、先生と一対一で議論しながら深く考えることができたと振り返る。勉強するのはもっぱら自習室。「荷物を置いて授業にも行けるし、疲れたらその場で休息もできる。図書館の資料にもすぐアクセスできて申し分のない環境でした。これが学費の心配なく得られるのはありがたかったですね。奨学金を給付されているのに不甲斐ない成績はとれないというモチベーションにもつなげていました」

 飛び級入学について「今では本当に良かったと思います。同期の人数が2倍になり交友関係が大きく広がること、余裕を持って将来について考えられることは、司法試験に限らず人生にとってプラスだと感じます」と語る。司法修習を終えた後は、大学院法学研究科に進学して研究の道に入ることも考えている。法曹としての実務とは別に、理論の面で何か残せないかという思いがあるそうだ。「司法試験合格という大きな武器を手に入れた今、飛び級による時間的な余裕があることで、さまざまな経験に思い切ってチャレンジできるのが一番のメリットではないでしょうか。まだ実力がないからと飛び級試験を回避すれば、可能性はゼロになります。私もまさか合格できるとは思っていませんでした。司法試験を目指している人ならぜひ挑戦してほしいと思います」

自習室

十分な予習・復習をできるよう、全員分の個人自習席を用意。その他、学生がグループ自習を行うためのスペースを用意しています。