立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 法律家としての文章の書き方を鍛え上げ
    苦手科目も直前に追い上げて
    上位での現役合格へ。

    比舎 昌志さん

    京都大学法学部出身
    既修者コース修了(2018年度)
    2019年司法試験合格

「ワシントンセミナー」「京都セミナー」で
国際的な人脈も広げることができた。

高校生の時、冤罪で苦しむ被告人を逆転無罪で救った弁護士の講演会を聴き「人の人生を直接救うことができる仕事」だと感じて法学部で学ぶようになった比舎さん。大学4年生で改めて法曹を目指す決意をするも、母校の法科大学院には進学がかなわず、立命館を選んだ。奨励奨学金で2年間の学費が免除されることに加え、国際交流プログラムに力を入れていることが魅力だったからだ。

1年目の夏季休暇中に「ワシントン・セミナー」へ参加。「アメリカン大学ロースクールの授業を受けたり、連邦最高裁判所を訪れたり。コーディネーターのラバーズ教授は民主党政権なら行政の中枢を担っていたであろう大変有名な方。おかげで色々なところに入らせていただけるなど、大変貴重な機会でした。ラバーズ教授が立命館で授業をされた時は食事をご一緒させていただき、今もメールで交流があります。学費を免除してもらっている分、このような経験のために費用をかけることができました」。世界から学生が集まる「京都セミナー」にも参加した。「親しくなったオーストラリアの友人のところへ合格の報告に行くと、とても喜んで祝賀会も開いてくれました。こうした交流ができたことが、立命館を選んで良かったと思える一番の理由です」。

ワシントン・セミナー

外国法や法律事情の修得のために外国法科目「英米法基礎」「英米私法」を設置。「英米法基礎」では、米国ワシントンD.C.にあるアメリカン大学ロースクールから派遣される教授が担当します。この講義はもちろん英語で行いますが、必要な準備と努力によって、米国のロースクール授業がどんなものかを肌で感じ、アメリカ法の仕組みと法曹のあり方をじかに学ぶことができます。

人の考え方、人の評価を知ることで
自分の強みを知ることができた。

そんな比舎さんだが、1年目は思うような成績がとれずかなり苦労したと話す。予習に力を入れていたおかげで、授業中の議論にもついていくことができたものの、答案の書き方が自分の中で確立していなかったからだ。しかし2年目に入った弁護士ゼミで書き方の基礎を鍛えられた。「リーガル・ライティング、法律家としての文章の書き方を徹底的に教えていただきました」。その指導は、一読しただけで論理的に理解できる接続詞の使い方など、細かい表現方法にまで及んだ。「司法試験で良い点数がとれたのは確実に弁護士ゼミのおかげだと思います」。

自主ゼミにもいくつか参加し、自分の答案を先生や仲間に数多く評価してもらうことを心がけた。「司法試験は人の評価で決まるもの。人に評価してもらい、人の考え方を知ることによって、自分の強みも知ることができました。私の場合、着眼点の良さが強みだと感じたので、本番でも、重要だと感じたポイントを勇気をもって深く掘り下げることができました。点数が良かったのはそれが正しかった証だと思います。あれもこれもと八方美人な答案では内容が薄くなってしまいますから」。

最後の2カ月は、手がつけられていなかった行政法の過去問に必死で取り組んだ。「科目が多いので、現役生は誰もが苦手を引きずっています。でも最後の2カ月に追い込めば、2年目以降の人に肉薄はできると思います。現役生は勢いで、2年目以降は確実性で勝負する。大学受験と同じではないでしょうか」。

社会的責任が大きい分、やりがいのある裁判官になりたいと考えている比舎さんは、今、立命館法曹会の幹事も務めている。他大学から立命館に来たことで、人間関係の幅が広がったことを財産だと感じているそうだ。「立命館は支援のシステムが日本一充実している法科大学院だと思います。法曹を目指すなら、ここで学ぶことをぜひ検討してほしいと願っています」