立命館大学 法科大学院 司法試験合格者インタビュー

Ritsumeikan University School of Law: Special Interview Series

  • 情報の詰め込み期を経て
    論理的思考による答案力を身につけ
    完全未修の状態から3年で合格。

    西谷 春平さん

    龍谷大学政策学部出身
    未修者コース修了(2018年度)
    2019年司法試験合格

最初は教科書に書かれていることが
まったくわからなかった。

他大学の政策学部で学んでいた西谷さん。やりたい仕事が見つからず、部活動の上下関係で苦労した経験から組織に入りたくないという思いもあって就職活動をしていなかったが、ゼミで法律を扱うようになり、弁護士という仕事に興味を持った。「法律の専門家として自分の好きな分野で自由に働けるのではないか、そんな軽い気持ちからでした」。通いやすい立命館大学法科大学院を受験、そのまま入学を決めた。奨励奨学金で学費が半額免除になったことも後押しとなった。

未修コースでも法律を学んだ経験のある人がほとんど。「誰よりも勉強しなければ」との覚悟で臨んだが、教科書を見ると「何が書いてあるかがまったくわからなくて、外国語を読んでいるみたいでした」。それからはひたすら予習に力を入れた。教科書を読んで理解しようと努力し、授業で確認。それでもわからなければ質問に行った。追われるように情報をつめ込んでいく日々。定期試験の1週間前からはまとめて総復習、そして暗記に必死で取り組んだ。そのかいあって、1年目の終わりには成績も上がり、勉強のモチベーションにもなっていた全額免除の奨励奨学金の受給も決まった。

しかし2年目になるとこの方法は通用しなくなった。科目が増え、試験前の1週間では到底暗記できない。それでも前半はなんとかくらいついたが、後半は成績が下がり、モチベーションも下がって予習も手を抜くようになり、授業にも集中できなくなっていた。

奨励奨学金

入学試験成績優秀者を対象とした「立命館大学法科大学院奨励奨学金制度」など多様な奨学金制度を設け、数多くの支給実績があります。

入国管理法を専門とする
弁護士になりたい。

転機になったのは、3年目のはじめに入った弁護士ゼミで、答案を書く時の「考え方」を身につけられたことだ。書いた答案を前に「どのような順序で論理的に思考するか」を毎回毎回教えられるうち、「こう考えればいいのか」「法律学ってこういうことか」が初めてわかったという。すると色々なことがきれいに理解できるようになり「暗記じゃなかったんだ、すべては『理解』できるんだということがわかりました」。それ以来暗記することは一切やめ、「いかに理解できるか」を重視して勉強するようになったという。こうして論理的思考で書くことを続けていくと、ただただ詰め込んできた知識もようやくつながり始め、成績も再び上がっていった。

3月からはエンジンをかけ直し、ほぼすべての時間を試験勉強に使う毎日。大変ではあったが「勉強から逃げていた時期よりも充実していて、伸びているという感覚もあって、ちょっと楽しかったです」。4月の模試で初めて合格基準点をわずかに上回ると、そのままの勢いで現役での合格にたどりつくことができた。

勉強がつらい時は「合格できるのか?こんな思いまでしてなりたい職業だったのか?」と、眠れない夜を過ごすこともあったという西谷さん。そんな時は「大平光代先生や竹下芳樹先生など弁護士の先生が書かれた本を読んでいました。本当にすごい方々なので、こんな人がいる世界なら挑戦する価値があると思えたんです」。立命館を選んだことについては「設備がいいのはもちろんですが、先生方やエクステンションセンターの方の『合格させたい』という熱意がすごく伝わってきました」と振り返る。

司法修習後は弁護士を目指す。「国際関係に関心があるので、難民訴訟や滞在許可など、入国管理法専門の弁護士になりたいと考えています」。

エクステンションセンター

立命館大学には正課外で様々な資格取得をサポートするエクステンションセンターがあり、10名〜20名の弁護士が担当する弁護士ゼミや、模試の学内実施、大手事務所訪問会など多様なサポートを行っています。