卒業生からのメッセージ

文学部での学びが社会でどのように活かされているかを、卒業生からのメッセージを通じて紹介します。

2019

教員

「自分が動けば世界は広がる」大学で身につけたチャレンジ精神

日本文学専攻 2015年卒業

枚方市立枚方中学校 教諭/立命館大学大学院文学研究科 在学

日本文学専攻を選んだ理由

子どもの頃から本が好きで、大学では宮澤賢治の研究がしたいと思っていました。それに加え、中学の時に出会った教育実習の国語の先生がとても素敵で「教育実習生になりたい」という憧れがあったんです。そこで宮澤賢治の研究ができて国語の先生にもなれるところを探し、すべてを叶えられる立命館大学文学部の日本文学専攻を選びました。

卒業論文は「注文の多い料理店」

卒業論文のテーマは宮澤賢治の「注文の多い料理店」です。彼が生前に出版した本は、実はこのお話が入った童話集と1冊の詩集だけ。他の作品は死後に評価されたものです。宮澤賢治の童話は子ども向けに思えますが、その裏には色々な意味が隠されています。彼が生前、思いを込めて形にした作品を私なりに研究したいと思いました。

ゼミでは、瀧本和成先生にすごくお世話になりました。とても知識がある方なのに、難しいことを分かりやすく教えてくださり、いつも的確なアドバイスを頂きました。人生経験豊富で授業の余談も面白く、先生と出会って自分の世界が広がったと感じています。また他のゼミ仲間も、みんなやりたい研究テーマがはっきりしていて面白かったです。

教師への背中を押したインターンシップ

教職課程は1回生から履修しました。教職の単位は通常のものとは別なので、人より多く単位を取る必要があります。また4回生で教育実習に行くには、前年までに必ず履修しなければならない科目もあります。もし履修するか迷っているなら、早めに始めておいた方がいいと思います。

1回生から塾講師のアルバイトもしていました。教員は生徒の人生を預かる仕事だと思っているので、いきなり教育実習に行くより、少しでも教える力をつけてから生徒と関わりたかったんです。

3回生ではインターンシップとして、中学校で数週間、教育サポートをしました。当時は「教員という仕事が本当に自分に務まるだろうか」と悩んでいた時期でした。「うまくいかなかったら教師になるのはやめよう」と思って参加しました。でも、そこで生徒といい関係を築くことができ、「私が教師になってもいいんだ」と思えるようになりました。

大学で学んだことを授業の余談に

卒業後、中学校の国語教師になりました。授業では、大学のゼミや講義で学んだことを余談として話しています。例えば、「走れメロス」を読む前に作者の太宰治のエピソードを紹介するなど、教科書に書いてない話をして作品に興味を持ってもらえるよう工夫しています。

教師になる前は「自分にできるだろうか」と迷ったこともありましたが、いざ教壇に立つととにかく生徒がかわいくて。彼らのために、私にできる限りのことをやりたいと思っています。

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動けば動くほど世界が広がる大学

実は今、公立校の教員が利用できる「大学院修学休業制度」を使って、立命館大学大学院文学研究科博士課程前期課程に在籍しています。卒業論文で取り組んだ宮澤賢治の研究を大学院で再び瀧本先生の元でさらに深め、納得のいくまでやり切りたいと思いました。また、教員を行う中で、教材研究に対する課題を感じており、大学院で文学を深く学ぶことが、将来的により良い授業づくりに生かせると考え、決断したという理由もあります。

大学院は大学より授業数が少ないため、多くの時間を好きな研究に費やすことができます。ただ、やりたいことが決まっていなければ、大学院での2年はあっという間に過ぎてしまう。本当に必要か考えて、目的を持ってから来る場所だと私は思います。

また、教員時代に生徒たちに向けて作っていた絵本を元に作った『世界中のあなたへ』という自己啓発絵本を2020年1月末に出版しました。絵本出版は15歳の頃からの長年の夢であり、大学時代も絵本サークルに所属していました。大学在学中に「+R 個人奨励奨学金」(2017年度より+R Challenge奨学金に名称変更)も頂き、立命館も私の絵本出版の後押しをして下さっていることに感謝しています。

様々なことに対するチャレンジ精神は、学生生活で身につきました。大学では興味があることに直感でぶつかっていったんですが、動けば動くほど新しい出会いがあり、世界が広がっていきました。

もし立命館に入って「やりたいけどどうしよう」と悩むことがあったら、ぜひやってみることをお勧めします。ポジティブに戸を叩けば迎え入れてもらえますよ。立命館は、挑戦することを受け入れる大学です。やらないで後悔するより、勇気を出してチャレンジしてみてください。

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