卒業生からのメッセージ

文学部での学びが社会でどのように活かされているかを、卒業生からのメッセージを通じて紹介します。

2021

教員

多様な人との出会い。そして、挑戦できる環境。 未来を決めるキッカケを掴めた。

言語コミュニケーション専攻 2017年卒業

大阪府立港高等学校 国語科教諭

立命館大学で過ごした4年間で学びを得て、「本当になりたい職業」に就くことができました。小さい頃、絵本が好きで、そこから本、そして「日本語」に興味を持つように。ずっと日本語教師になることが夢でした。大学は夢をかなえるため、日本語教育の勉強ができる立命館大学文学部を選択。しかし今は高校で教員として働いており、天職だと思っています。立命館でのさまざまな経験、多様な人との出会いがキッカケとなり、この道を選びました。

1回生のときから教職課程を履修していたものの、「日本語教師になりたい」という気持ちは一貫していました。そんな中、日本語教師ではなく、学校の先生を目指すキッカケになった出来事がありました。

それは3~4回生の2年間、大阪の公立小学校で行った外国にルーツのある児童の学習支援のボランティアです。外国にルーツのある子どもたちは、「友だちや家族とのコミュニケーションがうまくできない」といった言葉の問題のほか、「家に帰っても家族は働きに出て家にいない」「いつまで日本にいるかもわからない」といった困難や不安を抱えています。そんな子どもたちのために居場所を作りたいと話す、小学校の校長先生の想いに触れ、「ぜひ、ここで子どもたち勉強をサポートしたい」と自ら願い出て、週1回子どもと一緒に勉強をすることになりました。外国にルーツのある児童の不安やストレスは大きく、「安心できる居場所」を作ってあげることがとても大切です。そのため、少しでもその勉強の時間が、その子の安心できる時間になるように、安心できる空間になるように、と心がけていました。また、その学校の校長先生と話す中で、学校現場が抱える課題や、それに向き合う先生の想いを教えていただきました。この経験から、「学校の先生という仕事は、ただ勉強を教えるだけではない」ということを実感。学校の先生への憧れが生まれました。学校には、外国にルーツがあることに限らず、生徒ひとりひとりに困難、不安があり、それを支えることが学校や先生の役割なのだと感じたのです。「ただ『言葉を教える』だけではない。」それが、日本語教師ではなく、学校の先生を目指すようになった一番の理由です。
graduate/graduate36_sub01 学習支援


現在は大阪の高校で1年生を担任し、現代文と古典を教える教師として働いています。進路選択に関わる進路学習行事の企画・運営に加え、テニス部顧問として部活動にも携わっています。

学級経営をする上で大切にしているのは、「学校は勉強するだけの場所ではない」という想い。クラスの皆でゼロから作り上げる文化祭や合唱コンクールなどの行事に特に力を入れ、困難を乗り越えた先にある達成感や喜びを感じてもらえるような機会づくりを大切にしています。

この道を選べたのは、立命館大学で、たくさんの挑戦をすることができたおかげだと感じています。教職ゼミ『オードリー』では、教育の問題について学びを深めることができ、同じ志を持つ大切な仲間ができました。韓国の大学で日本語の授業の教壇実習をさせていただいたことや、日中韓の3つの大学をまたがって行われた異文化交流の海外研修へ参加したこともあります。これらの海外研修は、教えることの楽しさ・難しさ、そして日本語や日本文化の魅力に改めて気が付いた貴重な経験でもあり、言葉や文化が違っても人間関係は築けるのだと、自分の世界が広がった経験でもありました。また、テニスサークルでは主要メンバーとして企画・運営に携わったことも。学校外で、日本語教師の研修ボランティアや適応指導教室のスタッフとして働いたこともあります。大学時代の経験は、わたしに「挑戦することの楽しさ」と「楽しむことの大切さ」を教えてくれました。こうしたすべての経験が今、教師をする上でとても生きていると感じています。
graduate/graduate36_sub02 海外研修の様子①
graduate/graduate36_sub04 海外研修の様子②

立命館大学は、挑戦ができる場所や素敵な人たちとの出会いの場所でもありました。まだまだ教師になりたてですが、今後も子どもたちの支えになっていきたいです。

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