在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2019

地域研究学域

全国屈指の研究環境で地域研究を学びたい

横田 さくら さん
地域研究学域 1回生

岡山県立岡山操山高校/岡山県

立命館大学文学部入学の決め手

私は中学生の頃から、将来やりたいことや進路がよく変わっていました。美大を目指していた時もありますし、大好きな恐竜を研究してみたいと思った時もあります。1回生は広く浅く勉強し、やりたいことの軌道修正ができる立命館大学文学部は私にぴったりだと思いました。1回生では学域という大まかな枠組みだけがあり、文学部の他の学域の授業も履修することができます。他学部や他大学文学部では入試の時点で、専攻まで決めなくてはいけない大学が多い中、立命館大学の文学部ではいろいろな学びに触れ、考える期間を設けられているのが私にとって、とてもいい環境でした。

地域研究学域を選んだ理由

高校3年生の夏休み、親を説得し、中国に1週間短期留学するプログラムに参加しました。もともと、中国大陸を舞台にした漫画「キングダム」が大好きで、中国に憧れを抱いていました。この先の進路のヒントになるかもしれないと期待を抱きながら、世界遺産である故宮や頤和園を訪れました。その時、びっくりする光景を目にしたのです。修復の針金を木の柱に直接打ち込んだり、木の手すりにずらりと観光客が腰掛けていたりしていました。世界遺産はその地域の重要な観光資源である以前に、人類が後世に残していくべき文化財です。取り扱いに不安を抱き、人的災害、自然災害の両面から文化財を守るための研究がしたいと考え、帰国後すぐに立命館大学文学部へのAO入試の志望理由書を書きました。

世界遺産や重要文化財がたくさんある京都という立地も、私のやりたいことにぴったりだと思いました。そしてたまたま、高校に立命館大学の地域研究学域にゆかりのある先生がいらっしゃって、その先生にも、立命館大学文学部の地域研究(特に地理学)は全国でも屈指の研究環境だからぜひ、と勧めていただき、ますますこの学域で学びたいと思うようになりました。

いま興味をもっているテーマは災害と防災

春セメスターには地域研究入門講義という授業があります。学域の先生方が、それぞれの専門分野についての講義をリレー形式で行う授業を受けました。いわば、2年生からの専攻を決めるための「ダイジェスト版授業」です。その中で「災害・防災」という分野に興味を持ちました。そして現在、研究入門という小集団の授業の課題で、「洪水被害に関する石碑の特徴と防災上の意義〜岡山県倉敷市真備町を事例に〜」というテーマで、4000字ほどのレポートを作成しています。平成30年の豪風の被害を受け、国土地理院では新たに自然災害伝承碑の地図記号を作り、地図上に表すことを発表しました。

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地元岡山で災害の石碑を調査する様子

いま、石碑の重要性が再認識されようとしています。自分の足で見にいくことが大切だよ、とフィールドワークの大切さを日頃から先生に教えていただいているので、今回のテーマでも、地元である岡山県に夏休みに帰省した際に、災害の石碑を一つ一つ見て回ることにしました。現在発表されているハザードマップ、そして水害史に載っている被害図、そして今回の被害図、この3つが一致していたのも驚きでした。石碑が有効と頭でわかっていても、実際に地元住民がどう活用していくのかが大切で、そこに課題があると感じました。石碑はわかりにくい文で書いてあることもあります。その隣に解説するパネルを置くのも一つだと考えます。「晴れの国おかやま」と言われているにも関わらず、甚大な被害を出してしまった倉敷市真備町を対象とし、洪水に関する石碑の立地や特徴を整理し、その歴史的変換、および地域住民の碑の活用の実態について明らかにし、碑が有する防災上の意義を検討していきたいと思います。

今までやったことのない京都らしいものに挑戦しよう

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課外活動では能楽部での活動に力を入れています。京都で学生生活を送ることが夢だったので、今までしたことのないものに挑戦しようと決めていました。高校時代に打ち込んだ演劇部での経験を活かしたかったのも動機の一つです。年に2回、自演会を開催しています。入部前は「歌ったり踊ったりする楽しい部活だよ」と言われていましたが、実際はとにかく大変でした。古文のような謡や舞の型を覚える。こみ(次の動作にうつるときに、気を込めてとる一呼吸)をとって、腹に、胸に、鼻に響かせる。90分ほどある長い演目では、一切動かず正座し続ける。など、毎日必死にお稽古をしています。11月の本番前、自分には向いていないのではないかと不安になり、退部も考えました。しかし、本番をやりきり、自分の精一杯を出せた時、今日まで諦めないでほんとによかったと思えたのです。次はもっと大きな役で舞台に立ちたいと強く思うようになりました。次の舞台に向けて、更なるレベルアップをはかれるよう、精進していきます。

能楽部での活動の様子

能楽部での活動の様子

文化財に込められた人々の想いを継承させていくのが私の夢

卒業後は、文化財の保全・修復に関わる仕事をしたいと思っています。今年、ノートルダム大聖堂や、首里城が火災に見舞われる悲しいニュースがありました。どれだけ立派な建物でも、どんなに歴史的価値があっても、ひとたび火災が起きればたちまち見るも無残な姿となってしまいます。今回の建築物には建設者、そこに訪れた人々の喜怒哀楽の感情、そこで起こった無数のできごとが宿っていて、その国や地域の象徴のような存在で、彼らの誇りそのものだったことでしょう。私は火災をはじめとした起こりうる様々な災害から文化財を守り、後世に引き継いでいきたいと思います。その地域に生きる人々の想いを継承するために。

それぞれが持つ「好き」の多様さこそ、文学部のおもしろさ

先生方の専門は多種多様で、自分では今まで触れてこなかった角度、気づかなかった視点からたくさんのアドバイスをしてくださいます。授業時間外もアポを取れば親身に相談に乗ってくださいます。

文学部だから文学や歴史が好きな学生ばっかりだろうなと思うでしょ?そうではありません。たった25人程度の少人数クラスでも北海道から沖縄まで、いろいろなバックグラウンドをもつ人が自分のやりたいことを求めてこの大学へ来ています。日常会話の中でも、自分の今までの視野の狭さや世間の広さにいつも驚かされています。文学部は1学年1000人もいるので、きっと自分の人生にとってかけがえのない出会いが待っているはずです。「あなたはどこの学域?」「どんなことに興味があるの?」とぜひ聞いてみてください。学域はきっかけ。ひとつのきっかけが自分を無限に成長させてくれる。立命館大学文学部はそんなところです。

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