在学生の声

4,000名超の文学部生、一人ひとりがオンリーワンの活動を行っています。その活動の一端を紹介します。

2020

地域研究学域

どうすれば地域に笑顔を届けられるのか—— 「地域研究」一色に染まった4年間。

井戸 隼太さん
地域観光学専攻 4回生

奈良県立西の京高等学校/奈良県

私が、「地域」に関心を持つようになったのは高校時代。母校(奈良県立西の京高校)の「地域創生コース」で課題研究(※1)に取り組むうち、人口減少や高齢化など、日本の多くの地域がたくさんの問題を抱えていることを知りました。
(※1)授業を通じて、主体的に考える力、情報を収集・整理する力、フィールドワークに積極的に取り組む行動力、課題解決の方策を提言する発想力や文章表現の能力などの育成を図る。

立命館大学文学部を志望したのは、そんな地域の課題とその解決方法をもっと深く研究したいと思ったから。研究環境がとても充実した学部であることは、特別講義の講師で母校に来られた立命館大学の先生を通じて知っていましたし、文学部の地域研究学域には「フィールドワーク方式(現マップ・リーディング方式)」(※2)というユニークな手法のAO入試があって、高校で勉強した知識を受験に生かせることも魅力でした。
(※2)地図をはじめとする地理的な資料を読解し、レポートを作成。資料で理解したことを記述・表現する力を評価 students/students34_sub01地域観光学応用研究の授業でのフィールドワーク(京都府宮津市)

1回生では、地域研究の基礎を身に付けるために、さまざまな授業を受講しました。私がいちばん興味を持ったのは、「地域観光学概論」などの概論系授業。計15回の授業を7〜8人の先生方が2回ずつバトンタッチしていくオムニバス形式のリレー講義です。農山村が専門の先生、社会学が専門の先生など、研究分野の異なる多くの先生のお話を聞き、地域研究にもさまざまな視点や手法があることを知りました。

その中で私は、「グリーンツーリズム(農業や漁業を実体験する旅)」や「コンテンツツーリズム(アニメや漫画の舞台を訪ねる旅)」を活用して、地域活性化をはかるアプローチに関心を持ちました。私の夢は、高齢化や過疎化が進む地域を元気にして、そこに住む人たちに笑顔を届けること。この2つのアプローチには、観光資源に乏しい山間部や農村地域を活性化するヒントがあると思い、さらに詳しく勉強するため、2回生では「地域観光学専攻」を選択しました。

いくらアプローチの方法や考え方を身に付けても、それを実行できないと、何の意味もありません。そこで実践力を磨こうと、勉強の合間をみてボランティアの課外活動に力を入れました。所属した学内団体・サークルは3つ。例えば大学が運営する「サービスラーニングセンター」では、ボランティアがしたい学生とボランティアを必要としている団体をつなぐ学生コーディネーターとして活動。また学生ボランティア団体「IVUSA京都」では、京都近郊を中心に琵琶湖の環境保護活動や三重県のまちおこし活動に参加しました。

さらに地方創生と国際交流の活動を展開する学生団体「オランアース」では、舟屋で有名な京都府伊根町を活性化するため、地域の人たちと力を合わせて地元の伝統行事を盛り上げたり、小学生との交流イベントを企画運営する活動にも携わりました。ボランティア活動を始めたのは中学時代。地域の人たちの笑顔は、いつ見ても疲れも忘れさせてくれます。students/students34_sub02「燈花会」でのボランティア活動の様子(平城京天平祭)

卒業後は、地元(奈良)を離れて就職します。その理由は、知らない土地で働きながら見聞を広め、様々な地域の取り組みを学び、改めて地域活性化について考える機会にしようと思ったからです。人生のキャリアを重ねていくなかで、様々な視点・立場から町おこしや地域活性化を実践していこうと考えています。

卒業論文では、近畿圏の自治体で最も人口が少ない奈良県南部の野迫川村を題材に、地域の人たちとよその地域からやって来た人たちが力を合わせてまちを盛り上げる地域活性化の方法論について研究しました。立命館大学文学部の4年間で得た知識と経験を土台に、「内」と「外」の力をつなぎながら、地域を笑顔にする活動にこれからもチャレンジし続けます。

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