教員紹介

言語コミュニケーション学域

言語コミュニケーション学域

漫才対話から学ぶ、コミュニケーションの新たな視点
キーワード :
漫才対話、オープンコミュニケーション、言語・非言語コミュニケーション

岡本 雅史教授

所属専攻:
コミュニケーション表現専攻
専門分野:
コミュニケーション研究、認知言語学
皆さんはテレビで「漫才」を観たことがあるでしょう。舞台で2人がただ話しているだけなのに、それを観て観客は楽しそうに笑っています。こうした漫才の面白さについては様々な研究がなされていますが、私は漫才が「コミュニケーションを見せるコミュニケーション」であるという点に着目し、これを《オープンコミュニケーション》と名付けました。すると、日常でさり気なく他者を意識しながら会話する人たちのコミュニケーションスキルや、逆に「空気が読めない」と言われる人たちの生きている現実(リアリティ)などが高い解像度で浮かび上がってきました。皆さんにも是非そうした新しいコミュニケーションの見方を体得して頂きたいと思います。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

皆さんの中には大学での学びが社会に出たときに本当に役立つのか不安に思う人もいるかも知れません。言語コミュニケーション学域では、プレゼン・面接・接客・演劇・スポーツなど、実社会の多様な《やりとり》の研究を通じて、自己と他者との《かかわり》を再発見し、深めることができます。是非この学域の学びを実社会で大いに活用して下さい。

COLUMN

漫才は、どうしてあんなに面白いのか。 秘密を探る中で見つけた情報伝達の新概念。

コミュニケーション表現専攻

岡本 雅史

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言語コミュニケーション学域

会話分析が浮き彫りにする相互行為能力の豊かさ
キーワード :
身体性、認識可能性、同期現象、専門性

城 綾実准教授

所属専攻:
コミュニケーション表現専攻
専門分野:
会話分析、社会的相互行為論
私たちは、さまざまな環境や状況下でやりとりやふるまいを通じて何かを達成したり、喜怒哀楽を感じたりしています。私の研究は、日常で営まれる多様な相互行為を録音・録画してデータとし、社会学由来の会話分析という質的研究方法を用いてそれらの成り立ちや構造を明らかにして、私たちに備わる社会成員としての能力の豊かさを示すことです。データを微細に観察すると、刻々と展開していく出来事に対する人間の反応や対処が、いかに秩序立っているのかがよくわかります。また、フィールドワークも取り入れながら、社会的・制度的に十分な評価がされていない対人援助職の専門性を、職員らの諸実践の分析を通して明らかにしようとしています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

勉強も仕事も、自分を追い込んでばかりでは長く続けることは困難です。ぜひ、自分が楽しく取り組める方法を編み出してください。そのために、さまざまな立場の人との語らいや書物、複数の視点から日常生活の観察や分析が必要になります。本学での学びは、研究のための知識や技能だけでなく、生きるための知恵も育む機会になるはずです。

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言語コミュニケーション学域

心を動かす「ことば」と物語について考える
キーワード :
詩、小説、表現教育

西岡 亜紀教授

所属専攻:
コミュニケーション表現専攻
専門分野:
日仏比較文学、文芸メディア
一つの物語やモチーフが、表現のメディア=媒体とともにどのように語り直されるのか。うた・詩・小説・絵解き・漫画・アニメーションなど、多様な表現を研究しています。新しい表現方法を探して、人に会い、本を読み、旅に出ます。
この研究の醍醐味は、心を動かす「ことば」や物語、それを語る人の人生に触れること。「ひとは大人になって、高さを忘れる。 平行になじんで、垂直を忘れる」(長田弘)「人生は一つの病院のようなもの。どの患者も自分のベッドの位置を変えたがっている」(ボードレール)。ゼミで文芸創作を行う学生からプロの詩人、小説家、記者、アナウンサー、アニメーターまで、表現の現場にいる人に出会えるのも魅力です。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

コミュニケーション活動を取り入れながら、音声を発する(朗読、紙芝居など)、文章を書く(小説、戯曲など)といった表現実践を学びます。また、その実践を支える「ことば」の仕組みについて研究します。読む、聞く、つくる、笑う。声を出したい人、物語が好きな人、自分のなかの「表現の種」と出会いたい人、一緒に学んでみませんか。

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言語コミュニケーション学域

翻訳アプリでは代用できないコミュニケーション能力
キーワード :
日本語教育、異文化間コミュニケーション、言語文化教育

北出 慶子教授

所属専攻:
言語学・日本語教育専攻
専門分野:
日本語教育、異文化間コミュニケーション
最近の漫才で、「ボケを否定しないつっこみ」という形が出てきました。従来型の「なんでやねん!」とボケを否定するパターンを逸らして、「それもありだね」と受け止める変化球型です。一例ですが、典型例に当てはまらない多様性を認めていこうという社会的動きがみえます。同じような変化が、言語教育でも起きています。従来の言語教育では、「日本人は謙遜する」のような典型的な言動の研究や教育が当然とされていました。しかし、多言語・多文化が入り混じる現代社会では、○○人や○○語を越えた柔軟なコミュニケーション能力が鍵となります。このような、翻訳アプリでは代用できない能力や育成方法とは何かについて研究しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

大学に入ったら小中高では学べなかったことを学びませんか。国語や英語のように個々の言語を学ぶだけではなく、言語学では複数の言語や文化を比較することで見えてくる面白さがあります。例えば、日本語の「すみません」は英語の“I’m sorry” とは少し意味が違います。では、どう違うのか?続きは入学してからのお楽しみです!

COLUMN

世界各国の留学生と一緒に学び、
課題解決に取り組む 

言語学・日本語教育専攻

北出 慶子

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第二言語使用者の発達、動機づけや経験が興味深い!
キーワード :
第二言語学習、指導、処理

COULSON DAVID教授

所属専攻:
言語学・日本語教育専攻
専門分野:
応用言語学、心理言語学
第二言語語彙能力の鍵は語彙が定着するまで再出会いの数です。大学入学試験は、最低5千英単語が必要です。そして、単語だけでなく定型表現が欠かせません。意図的かつ偶発的な 学習両方が大事です。さらに、暗示的能力は(例:留学や英語媒体教育を通して)どのように発達するのか複雑な過程です。現在、留学生で見られる暗示的能力とそれにおける定型表の評価方法を開発しています。単語の数、短期記憶力の貢献、定型表現の偶発的な学習などの相互作用を調べています。研究で、英語圏で留学する英語非母語話者にて上記の能力を評価するテストを作りました。これから日本語非母語話者のテストも計画したいです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

第二言語使用者は、学習言語の母語話者にはなりません。英語話者の数は非母語話者の方が多いとよく耳にします。第二言語を通して、新しい交流方法に遭遇し、新しい自分を発見できると言っても良いです。言語間の影響を体験しながら、人間として自分の脳の働きも観察できます。大学でバイリンガルの自分を探りましょう!

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第二言語としての日本語の習得と心理

キーワード :
日本語教師、日本語、教育

小林 明子准教授

所属専攻:
言語学・日本語教育専攻
専門分野:
日本語教育、第二言語習得、外国語教授法

「第二言語」として日本語を学んでいる人たちを対象に、日本語学習に関わる心理的要因と効果的な日本語指導の方法について研究しています。みなさんのほとんどは英語を学んだことがあると思いますが、なかには英語に加えて中国語や韓国語などの第二外国語に関心を抱いている人もいるのではないでしょうか。日本語学習者の場合も多くは、日本語だけではなく英語を学んでいる人がほとんどです。しかし、国際的な言語である「英語」と「(日本語を含む)英語以外の言語」では、学習に対する動機づけや学習にかけられる時間などが異なる場合もあります。私は、このような複言語話者としての日本語学習者に着目し、動機づけの実態や動機づけを高めるための働きかけの方法を探っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

この学域専攻では、普段、何気なく使っている日本語を「外国語」として捉え直したり、効果的な日本語学習・教育の方法について考えたりします。現代の日本は様々な言語、文化をもつ人々が共に生きる社会です。ことばの問題を通して社会の多文化共生について考えることは、将来、多様な背景を持つ人々と共に働く皆さんにとって意義のある学びとなることと思います。

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言語コミュニケーション学域

身近な言葉を手がかりに人間言語の深宇宙を探索する
キーワード :
方言、文法、音韻論

佐々木 冠教授

所属専攻:
言語学・日本語教育専攻
専門分野:
言語学、方言学
身近な言語の気になる側面を言語学的観点から考察する、これが僕の研究方法です。僕がこれまで分析してきた「身近な言語」は、出身大学の隣町で話されている茨城県旧水海道市(現常総市)の方言、前任校の所在地北海道の方言、妻の母語ルーマニア語、旅先で出会った千葉県南房総市の方言です。「気になる側面」は、格や態や活用といった文法に関するものと無声化や有声化といった音韻論に関するものです。
僕が分析対象としてきた言語・方言のいくつかは消滅の危機に瀕しています。消滅危機言語・方言の研究はそれ自体でも価値がありますが、日本語(標準語)や英語といったメジャーな言語を捉え直す上でも貢献が期待できると思います。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

受験生の皆さん、大学に入ったら高校までに英語や国語に接したのとは違う角度から言語について考えてみましょう。文法を覚える立場から文法を「書く」立場になってみませんか。立命館大学文学部の先輩には人工言語を書いた人もいますが、身近な言語・方言の文法記述も「書く」ことです。「書く」立場から言葉について考えてみませんか。

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教わるものでも覚えるものでもない「言葉の仕組み」
キーワード :
普遍文法、統語論、日本語学

佐野 まさき教授

所属専攻:
言語学・日本語教育専攻
専門分野:
生成文法、日英語対照研究
私たちは、教わっていないことをたくさん知っています。「まさきは禿げた頭をしている」は自然な日本語でも、「まさきは禿頭(はげあたま)をしている」は変だと思いませんか。「まさきは禿頭(とくとう)をしている」は全然ダメな日本語ですよね。でも「まさきは禿頭(はげあたま)だ」と「まさきは禿頭(とくとう)だ」はどちらもOKですよね。たとえ「禿頭(とくとう)」という語を今初めて聞いたとしても、それがハゲアタマのことだと分かれば、私たちは初めて聞いた文の良し悪しの判断ができるのです。これが、私たちの頭の中にある、ことばの仕組みです。私は、このように教わったり覚えたはずのない、頭の中の「文法」を研究しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

「神は細部に宿る」という言葉があります。サッカーの有名な監督も「勝負の神は細部に宿る」と言っています。真剣な人はみな細部にこだわり、勝負をしています。英語ではGod is in the detailsとも、The devil is in the detailとも言います。detailsとdetailの違いは何でしょう。

COLUMN

ルールはシンプルで、人類共通。
「生まれつきの文法」が言葉をつくる。

言語学・日本語教育専攻

佐野 まさき(真樹)

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