教員紹介

言語コミュニケーション学域

第二言語使用者の発達、動機づけや経験が興味深い!
キーワード :
第二言語学習、指導、処理

COULSON DAVID教授

所属専攻:
言語学・日本語教育専攻
専門分野:
応用言語学、心理言語学
第二言語語彙能力の鍵は語彙が定着するまで再出会いの数です。大学入学試験は、最低5千英単語が必要です。そして、単語だけでなく定型表現が欠かせません。意図的かつ偶発的な 学習両方が大事です。さらに、暗示的能力は(例:留学や英語媒体教育を通して)どのように発達するのか複雑な過程です。現在、留学生で見られる暗示的能力とそれにおける定型表の評価方法を開発しています。単語の数、短期記憶力の貢献、定型表現の偶発的な学習などの相互作用を調べています。研究で、英語圏で留学する英語非母語話者にて上記の能力を評価するテストを作りました。これから日本語非母語話者のテストも計画したいです。

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受験生へのメッセージ

第二言語使用者は、学習言語の母語話者にはなりません。英語話者の数は非母語話者の方が多いとよく耳にします。第二言語を通して、新しい交流方法に遭遇し、新しい自分を発見できると言っても良いです。言語間の影響を体験しながら、人間として自分の脳の働きも観察できます。大学でバイリンガルの自分を探りましょう!

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言語コミュニケーション学域

第二言語としての日本語の習得と心理

キーワード :
日本語教師、日本語、教育

小林 明子准教授

所属専攻:
言語学・日本語教育専攻
専門分野:
日本語教育、第二言語習得、外国語教授法

「第二言語」として日本語を学んでいる人たちを対象に、日本語学習に関わる心理的要因と効果的な日本語指導の方法について研究しています。みなさんのほとんどは英語を学んだことがあると思いますが、なかには英語に加えて中国語や韓国語などの第二外国語に関心を抱いている人もいるのではないでしょうか。日本語学習者の場合も多くは、日本語だけではなく英語を学んでいる人がほとんどです。しかし、国際的な言語である「英語」と「(日本語を含む)英語以外の言語」では、学習に対する動機づけや学習にかけられる時間などが異なる場合もあります。私は、このような複言語話者としての日本語学習者に着目し、動機づけの実態や動機づけを高めるための働きかけの方法を探っています。

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受験生へのメッセージ

この学域専攻では、普段、何気なく使っている日本語を「外国語」として捉え直したり、効果的な日本語学習・教育の方法について考えたりします。現代の日本は様々な言語、文化をもつ人々が共に生きる社会です。ことばの問題を通して社会の多文化共生について考えることは、将来、多様な背景を持つ人々と共に働く皆さんにとって意義のある学びとなることと思います。

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言語コミュニケーション学域

身近な言葉を手がかりに人間言語の深宇宙を探索する
キーワード :
方言、文法、音韻論

佐々木 冠教授

所属専攻:
言語学・日本語教育専攻
専門分野:
言語学、方言学
身近な言語の気になる側面を言語学的観点から考察する、これが僕の研究方法です。僕がこれまで分析してきた「身近な言語」は、出身大学の隣町で話されている茨城県旧水海道市(現常総市)の方言、前任校の所在地北海道の方言、妻の母語ルーマニア語、旅先で出会った千葉県南房総市の方言です。「気になる側面」は、格や態や活用といった文法に関するものと無声化や有声化といった音韻論に関するものです。
僕が分析対象としてきた言語・方言のいくつかは消滅の危機に瀕しています。消滅危機言語・方言の研究はそれ自体でも価値がありますが、日本語(標準語)や英語といったメジャーな言語を捉え直す上でも貢献が期待できると思います。

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受験生へのメッセージ

受験生の皆さん、大学に入ったら高校までに英語や国語に接したのとは違う角度から言語について考えてみましょう。文法を覚える立場から文法を「書く」立場になってみませんか。立命館大学文学部の先輩には人工言語を書いた人もいますが、身近な言語・方言の文法記述も「書く」ことです。「書く」立場から言葉について考えてみませんか。

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言語コミュニケーション学域

教わるものでも覚えるものでもない「言葉の仕組み」
キーワード :
普遍文法、統語論、日本語学

佐野 まさき教授

所属専攻:
言語学・日本語教育専攻
専門分野:
生成文法、日英語対照研究
私たちは、教わっていないことをたくさん知っています。「まさきは禿げた頭をしている」は自然な日本語でも、「まさきは禿頭(はげあたま)をしている」は変だと思いませんか。「まさきは禿頭(とくとう)をしている」は全然ダメな日本語ですよね。でも「まさきは禿頭(はげあたま)だ」と「まさきは禿頭(とくとう)だ」はどちらもOKですよね。たとえ「禿頭(とくとう)」という語を今初めて聞いたとしても、それがハゲアタマのことだと分かれば、私たちは初めて聞いた文の良し悪しの判断ができるのです。これが、私たちの頭の中にある、ことばの仕組みです。私は、このように教わったり覚えたはずのない、頭の中の「文法」を研究しています。

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受験生へのメッセージ

「神は細部に宿る」という言葉があります。サッカーの有名な監督も「勝負の神は細部に宿る」と言っています。真剣な人はみな細部にこだわり、勝負をしています。英語ではGod is in the detailsとも、The devil is in the detailとも言います。detailsとdetailの違いは何でしょう。

COLUMN

ルールはシンプルで、人類共通。
「生まれつきの文法」が言葉をつくる。

言語学・日本語教育専攻

佐野 まさき(真樹)

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言語コミュニケーション学域

母語話者の無意識の言語知識を暴き出す
キーワード :
文法、語法、コーパス

滝沢 直宏教授

所属専攻:
言語学・日本語教育専攻
専門分野:
英語学、言語学
言語は、意思伝達のための道具という側面をもつと同時に、人間と他の動物を区別する重要な特質でもあります。私の本来の専門は言語研究(特に(主として)英語の文法)ですが、その研究のために、母語話者が書いた・話した資料を大量に集め、コンピュータ上で処理可能にしているデータベース(「コーパス」と呼ばれます)を重要な研究資料の一つとして使っています。私は従来の方法に加え、コーパスを使うことで初めて暴くことのできる無意識の知識の一端の解明に興味をもっています。もとより言語研究は言語教育を行う際の基礎としても不可欠です。教育の現場で使われている文法に関する記述の改善にも関心をもっています。

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受験生へのメッセージ

視野・見聞を広め、様々な経験をすることも大切ですが、その後の人生のことも考えて、何を今すべきかをよく考えて有意義な4年間を送ってください。遠慮せずに教員の研究室を訪ね、学問的雑談をすることもおすすめします。

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言語コミュニケーション学域

学際的言語研究

田中 省作教授

所属専攻:
言語学・日本語教育専攻
専門分野:
計算言語学
ことばの意味を探究しています。私たちは日々のコミュニケーションのなかで確かにことばの意味を理解し、伝えているのに、未だその形さえよくわかりません。そんなことばの意味を形式的に記述し、それを導き出すための枠組みに関する研究をしています。言語学のなかで意味論とよばれます。このような研究は大量の言語資源から有益な情報を見出す、最近ではデータサイエンスとよばれる応用にもつながります。そして、意味への近接には確率のようなものを使うものもあり(しかも、かなり有用です)、とても学際的です。実際、哲学・心理学・医学・情報学など多様な研究者が関わっており、そんな研究の場は学術分野のるつぼで刺激的です。

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受験生へのメッセージ

この学域専攻は本学文学部で最も新しい、「ことば」を通して行われる広義の「コミュニケーション」を正当的な手続きで、真っ向から学問的に取り組む場です。

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言語コミュニケーション学域

日本人からしても外国人からしても日本語は面白い
キーワード :
日本語教育、日本語学、言語変化

平田 裕教授

所属専攻:
言語学・日本語教育専攻
専門分野:
日本語教育、日本語学
効果的な日本語教育の方法と日本語の変化について研究しています。「変化する」というのは生きている言語全てに共通する特性だと言えますが、現在進行中の変化にはなかなか気づきにくいものです。例えば、「いや、それは全然違くて、…」では「違う」という動詞に形容詞活用を適用していて、日本語教育的には誤用になりますが、若い世代にはかなり広がっている用法です。過去に起こった変化や現在進行中の変化を分析することで、日本語、そして、言語全般についての理解も深まると考えています。

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受験生へのメッセージ

学問として言語学・日本語学を学ぶ、また、日本語の教え方を学ぶことは、スキルとしてコミュニケーション力を磨くのとは違う次元で、自分を見つめ直すことにつながります。言語についての専門知識、感覚、姿勢、日本語教育に関する専門知識、そしてスキルは、大学卒業後の自分にとってとても意味のあるものになるでしょう。

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