教員紹介
第二言語語彙能力の鍵は語彙が定着するまで再出会いの数です。大学入学試験は、最低5千英単語が必要です。そして、単語だけでなく定型表現が欠かせません。意図的かつ偶発的な 学習両方が大事です。さらに、暗示的能力は(例:留学や英語媒体教育を通して)どのように発達するのか複雑な過程です。現在、留学生で見られる暗示的能力とそれにおける定型表の評価方法を開発しています。単語の数、短期記憶力の貢献、定型表現の偶発的な学習などの相互作用を調べています。研究で、英語圏で留学する英語非母語話者にて上記の能力を評価するテストを作りました。これから日本語非母語話者のテストも計画したいです。
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「第二言語」として日本語を学んでいる人たちを対象に、日本語学習に関わる心理的要因と効果的な日本語指導の方法について研究しています。みなさんのほとんどは英語を学んだことがあると思いますが、なかには英語に加えて中国語や韓国語などの第二外国語に関心を抱いている人もいるのではないでしょうか。日本語学習者の場合も多くは、日本語だけではなく英語を学んでいる人がほとんどです。しかし、国際的な言語である「英語」と「(日本語を含む)英語以外の言語」では、学習に対する動機づけや学習にかけられる時間などが異なる場合もあります。私は、このような複言語話者としての日本語学習者に着目し、動機づけの実態や動機づけを高めるための働きかけの方法を探っています。
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身近な言語の気になる側面を言語学的観点から考察する、これが僕の研究方法です。僕がこれまで分析してきた「身近な言語」は、出身大学の隣町で話されている茨城県旧水海道市(現常総市)の方言、前任校の所在地北海道の方言、妻の母語ルーマニア語、旅先で出会った千葉県南房総市の方言です。「気になる側面」は、格や態や活用といった文法に関するものと無声化や有声化といった音韻論に関するものです。
僕が分析対象としてきた言語・方言のいくつかは消滅の危機に瀕しています。消滅危機言語・方言の研究はそれ自体でも価値がありますが、日本語(標準語)や英語といったメジャーな言語を捉え直す上でも貢献が期待できると思います。
僕が分析対象としてきた言語・方言のいくつかは消滅の危機に瀕しています。消滅危機言語・方言の研究はそれ自体でも価値がありますが、日本語(標準語)や英語といったメジャーな言語を捉え直す上でも貢献が期待できると思います。
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私たちは、教わっていないことをたくさん知っています。「まさきは禿げた頭をしている」は自然な日本語でも、「まさきは禿頭(はげあたま)をしている」は変だと思いませんか。「まさきは禿頭(とくとう)をしている」は全然ダメな日本語ですよね。でも「まさきは禿頭(はげあたま)だ」と「まさきは禿頭(とくとう)だ」はどちらもOKですよね。たとえ「禿頭(とくとう)」という語を今初めて聞いたとしても、それがハゲアタマのことだと分かれば、私たちは初めて聞いた文の良し悪しの判断ができるのです。これが、私たちの頭の中にある、ことばの仕組みです。私は、このように教わったり覚えたはずのない、頭の中の「文法」を研究しています。
COLUMN
ルールはシンプルで、人類共通。
「生まれつきの文法」が言葉をつくる。
言語学・日本語教育専攻
佐野 まさき(真樹)
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言語は、意思伝達のための道具という側面をもつと同時に、人間と他の動物を区別する重要な特質でもあります。私の本来の専門は言語研究(特に(主として)英語の文法)ですが、その研究のために、母語話者が書いた・話した資料を大量に集め、コンピュータ上で処理可能にしているデータベース(「コーパス」と呼ばれます)を重要な研究資料の一つとして使っています。私は従来の方法に加え、コーパスを使うことで初めて暴くことのできる無意識の知識の一端の解明に興味をもっています。もとより言語研究は言語教育を行う際の基礎としても不可欠です。教育の現場で使われている文法に関する記述の改善にも関心をもっています。
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ことばの意味を探究しています。私たちは日々のコミュニケーションのなかで確かにことばの意味を理解し、伝えているのに、未だその形さえよくわかりません。そんなことばの意味を形式的に記述し、それを導き出すための枠組みに関する研究をしています。言語学のなかで意味論とよばれます。このような研究は大量の言語資源から有益な情報を見出す、最近ではデータサイエンスとよばれる応用にもつながります。そして、意味への近接には確率のようなものを使うものもあり(しかも、かなり有用です)、とても学際的です。実際、哲学・心理学・医学・情報学など多様な研究者が関わっており、そんな研究の場は学術分野のるつぼで刺激的です。
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効果的な日本語教育の方法と日本語の変化について研究しています。「変化する」というのは生きている言語全てに共通する特性だと言えますが、現在進行中の変化にはなかなか気づきにくいものです。例えば、「いや、それは全然違くて、…」では「違う」という動詞に形容詞活用を適用していて、日本語教育的には誤用になりますが、若い世代にはかなり広がっている用法です。過去に起こった変化や現在進行中の変化を分析することで、日本語、そして、言語全般についての理解も深まると考えています。
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社会問題