教員紹介

  • 神話・民話

人間研究学域

伝承児童文学におけるいのちとたましいの伝え方
キーワード :
あわい、アニマシオン、コスモロジー

鵜野 祐介教授

所属専攻:
教育人間学専攻
専門分野:
教育人類学、伝承文学
日本(アイヌを含む)、東アジア(韓国・中国)、英国スコットランドなどにおけるフィールドワークに基づいて、子守唄・わらべうた・民間説話などの伝承児童文学における「子どものコスモロジー」の問題、特にいのちやたましいがどのように表現され、子どもたちに伝えられてきたのかを追究しています。そしてまた、いのちやたましいを今日の子どもたちにどのように語り伝えていけばいいかについて、うたや語りや絵本よみきかせや紙芝居の実演を通して考究しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

教育人間学ってなんだろう?人間教育学とどうちがうの?教育サル学や教育バラ学もあるのかな?? 他の大学の教育学部や教育学科では学べない面白いことが待っています。 

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人間研究学域

精神分析から見える人間の不可解な心理
キーワード :
精神分析、心理臨床

山本 昌輝教授

所属専攻:
教育人間学専攻
専門分野:
心理療法、心理査定
私は精神分析学をバックボーンに、日常の行動の背後に隠されている心の動きを分析し解明することに従事しております。そのようにして得られた知見をまずは心理面接(心理的対人援助)に活かすのです。
そしてそれらの知見の集積は、人間の生き様の解明でもあります。人格がどのように形成されるのか、そしてその過程で私たちは多くのものをみて理解することができるようになる一方で、それと同じくらい、あるいはそれ以上に多くを見ないし理解しようとしなくなっていることに気づかされます。
私の研究は一見何の意味もないように見える個人の行動や生活の営みの背景に隠れている意味を明らかにすることで、ここが一番の面白いところです。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

当たり前と思えることに敢えて疑問を投げかけましょう。私たちは、知らぬ間に当たり前と思い込んでいることが多く、そのことが真実を見えなくしてしまっていることに気づきましょう。そうすることで新しい世界を発見することになります。好奇心と探究心が私たちを日常の世界に覆い隠された世界への扉を開くことになります。

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日本文学研究学域

『古事記』『続日本紀』『琴歌譜』歌謡と王権儀礼
キーワード :
神話、古代、歌謡

藤原 享和教授

所属専攻:
日本文学専攻
専門分野:
日本神話、上代歌謡
奈良時代の文学や王権儀礼を研究しています。『古事記』の文体は原則としてやまとことば(漢字以前の純粋な日本語)ですが、中国語の文字(漢字)で記されているため地の文の正確な読みは現在もなおわからないところが多くあります。しかし、『古事記』の中でもうた(歌謡)の部分は一字一音式のいわゆる万葉仮名表記が用いられており、ほぼ正確に1300年以上前のことばのまま味わうことができます。『続日本紀』や『琴歌譜』所載の歌謡は、歌われた儀式の場が明確で、宮廷儀礼の中で歌謡が担った機能(天皇統治の思想や宴に組み込まれた時の政治的演出効果等)を歴史的実体的に分析できます。これらが上代歌謡研究の大きな魅力です。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

昔高校で助動詞「り」はサ変の未然形か四段の已然形に接続するから「サ未四已(さみしい)」と覚えると学習しました。その後命令形接続説が優勢になったり已然形接続説が盛り返したりしています。教科書は長年の研究の成果の凝縮ですが教科書に書かれていることも最新の研究で覆ることがあります。大学は学生も教員もその研究を行う場なのです。

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日本史研究学域

日本古代の律令国家・王権と宗教
キーワード :
古代宗教、王権と宗教

本郷 真紹教授

所属専攻:
日本史学専攻
専門分野:
日本古代史、宗教史
伝統的な神祇信仰に依拠した権威を基盤とする日本の王権は、国家統治の手段として仏教の導入と興隆を図りました。一方で、政治的な目的とは別に、仏教のさまざまな効果に期待が寄せられました。病の治療や死者の追善、また仏教の付随した新たな知識や技術の導入などです。当然そこには、在来の信仰との調整が必要となり、特に王権を構成する人々が積極的にその効果を求める場合には、そのための新たな論理の構築が求められることになりました。このような経緯で奈良時代以後見られるようになったのが、神仏の混淆、さらには習合という現象です。私の研究は、その過程とそれぞれの段階での意義を究明することを目的としています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

大学での学びに必要なのは、「常識」や「通説」に疑問を抱くことです。これまで得た知識が果たして正しいものか、自分の問題関心に基づき、さまざまな分析視角・方法で、納得のいくまでその検証を試みて下さい。意外と真実は異なったものであるかも知れません。

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日本史研究学域

日本古代から東アジアを考える
キーワード :
往来する人びと、漢籍受容、術数文化、感性

水口 幹記教授

所属専攻:
日本史学専攻
専門分野:
日本古代史、東アジア文化史
私の研究の要点は、日本古代における文化の受容と選択にあります。たとえば、ある書物が中国から伝来したとします。それは史実ですし、歴史の一側面です。しかし、それが日本社会にとってどのような意味を持ったか、というのは別の問題です。その書物が果たして読まれたのか、読まれたとしたらなぜ読まれたのか、どのように読まれたのか、読まれなかったとしたらなぜ読まれなかったのか、そういった問題を問うことが重要なのです。文化が伝来し、受容し、取捨選択する際の軋轢・ズレこそが、双方の社会の様相をあぶり出し、東アジア文化の共通性と日本古代社会の独自性を明らかにするきっかけになると考えています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

「常識」は流行に過ぎず、「世間」は社会の一部に過ぎません。大学は、そういったものから離れ、自分の「好き」をとことん追究できる場所です。もし、あなたの「好き」に日本古代史・東アジア文化が含まれているならば、是非研究室を訪ねてください。一緒に楽しみながら考えていきましょう。

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国際文化学域

船も人も漂流して:人類学というビーチコーミング術
キーワード :
大衆的図像、複製技術

中村 忠男教授

所属専攻:
文化芸術専攻
専門分野:
文化人類学、説話学
もともとは南インドやパキスタン西部でヒンドゥー教の巡礼を研究していました。ところが、辺境の聖地にもかかわらず、国外から来た巡礼者に遭遇することが多く、そこからインド洋全域におけるインド系移民の移動=ディアスポラを研究することになりました。おかげで、パキスタン沖合にある孤島の聖地の調査中に、古代からあるダウ船の漁船をチャーターしたところ、エンジン不調で半日ほど漂流し、漁師から「心配するな、たぶんオマーン(アラビア半島)には着くから」と慰められ、インド洋交易の現実を痛感する羽目に。こうして、現在ではインド洋東部域にあるアンダマン諸島の植民地化とその表象をめぐる人類学的研究をおこなっています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

共に、頭と体を使って考えましょう。「問い」を産出すように日常をサヴァイヴしていきましょう。

COLUMN

文化人類学は、“石蹴り遊び”。 思いがけない発見が待っている。

文化芸術専攻

中村 忠男

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国際コミュニケーション学域

人はなぜ歌い、物語るのだろう? 
キーワード :
歌詞、物語、アメリカ文化

ウエルズ 恵子教授

所属専攻:
英語圏文化専攻
専門分野:
アメリカ文学・文化、比較文学・文化
詩や歌詞、おとぎ話などを中心に読んで、ことば、人間社会について考えています。例えば、かつてのアメリカの黒人奴隷の歌はどうゴスペルソングやブルーズになり、あるいはラップになって現代に届いているのでしょう? 赤ずきんの話の中に性や暴力についてどんな真実が隠されているのでしょう? 世界中どこでも、歴史上のどの時代でも、人はいつも歌い、物語りをしてきました。私の研究は、人の心と日々の営みを【歌】や【物語】と関連させて考えます。聴いて、読んで、感じて、考え、広く調べ、自分の言葉で語り直して、私が発見した意味や感動をみなさんに伝えたいと思っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

わたしは、小さい時から詩が好きでした。大人になって、歌詞や物語の研究をしたら世界各地に友達ができました。コミュニケーションは、スキルばかりではありません。伝えたい話があること、話を聞きたい人がいること、一緒に歌える歌があることが大事。【歌】と【語り】を研究して、自分を見つめ、外の世界に楽しく自分を開いてみませんか。

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国際コミュニケーション学域

英語のルーツを探究し、中世英語英文学の魅力に迫る
キーワード :
英語のルーツ、中世英語ロマンス、アーサー王物語

岡本 広毅准教授

所属専攻:
英語圏文化専攻
専門分野:
中世英語英文学、英語文化史
中世イングランドの言語と文学を研究しています。特に、中世アーサー王物語(『ガウェイン卿と緑の騎士』)を中心とする文学作品とその歴史的意義に関心をもっています。一方、中世の物語や神話伝承は、現代ファンタジー文学(『ホビット』や『指輪物語』など)の発展と密接に関係し、現代の大衆文化の一端を形成しています。イギリス文学・文化のルーツを学び通時的な知見を得ることによって、今日の英語文化をより深く理解することができるでしょう。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

高校時代に体験したオーストラリアでのホームステイをきっかけに英語に興味をもち、その後大学で言葉のルーツや英語圏文化の奥深さや多様性を学びました。大学は自分の興味関心のある事柄を深く追究できる場です。熱量十分に、そして最後まで自分の感性を信じて学び続けることが大切です。

COLUMN

世界中のファンタジー文化に影響を与えた英語と英語圏文化のルーツを探る

英語圏文化専攻

岡本 広毅

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