教員紹介

  • 地理・地図

地域研究学域

近代の植民地朝鮮・台湾とカナダをめぐる移住漁民
キーワード :
漁業、カナダ、移民

河原 典史教授

所属専攻:
地域観光学専攻
専門分野:
歴史地理学、近代日本人移民史研究
近代における漁村の変貌、漁民の移動や転業に関する歴史地理学的研究に取り組んでいます。西南日本から朝鮮半島や台湾に渡り、魚類缶詰やカツオ節などの製造業の展開を研究しています。カナダで活躍した日本人漁民の研究も行なっています。19世紀末に渡加した彼らは、当初はサケ漁に携わっていましたが、やがて捕鯨業、塩ニシン製造業や造船業にも携わりました。映画『バンクーバーの朝日』では、資料提供や監修のお手伝いをしました。また、近代における海水浴場の成立、魚食文化と地域振興など、海をめぐるツーリズムにも興味関心があります。

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受験生へのメッセージ

ゼミでは「水木しげるロード」「天空の城ラピュタ」の聖地巡礼、イチゴ・ナシ狩りなどの観光農園の成立、もみじ饅頭や梅ヶ枝餅などのお土産がテーマに選ばれています。みなさんも、先輩に負けないようフィールドワークに取り組んでください。

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地域研究学域

観光資源化のプロセスの研究
キーワード :
近代化遺産、産業観光

山本 理佳教授

所属専攻:
地域観光学専攻
専門分野:
文化地理学、景観論
産業施設、戦艦、廃墟、廃線跡、空き家…今やどんなものでも「観光資源」となりえる時代です。私は、あるモノが観光対象となっていくプロセスを研究していますが、とくに上記であげたような、無用の長物や嫌われモノが、観光の有用な対象となっていく過程はとても興味深いものです。たとえば廃墟は、負のイメージのノスタルジックな価値への転換や莫大な費用をかけた保存整備など、様々な社会的状況や地域社会の動きが絡みつつ、ようやく観光資源となります。そうした背景や要因を一つ一つ丁寧に追っていくこと、あるいはひも解いていくことが、社会や地域を知ることにつながります。

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受験生へのメッセージ

大学は自分の世界を広げるチャンスがもらえるところです。ただチャンスは自分からつかんでいかなければ活かせません。色々な事に興味を持ち、是非積極的に動いてみて下さい。

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地域研究学域

人と資本を突き動かす空間変容の力学に迫る
キーワード :
都市論、都市開発、東京、ロンドン

松尾 卓磨特任助教

専門分野:
都市研究、都市社会地理学
都市には人や資本を誘う空間があれば、他方で人や資本を跳ね除けようとする空間もあります。私はそうした独特な価値をまとった空間に足を運び、五感をフル活用しながら「都市を感じる」ことを心がけています。これまでは英国の首都ロンドンをフィールドとして、地域の高級化を意味する「ジェントリフィケーション」と呼ばれる現象について研究を進めてきました。中でも移民集住地域で進行しているジェントリフィケーションに注目し、地域社会や景観がダイナミックに変化していく過程を捉えてきました。また近年では、京都や東京における都市開発の動向、再開発予定地で暮らす地域住民の居住地移動の研究にも取り組んでいます。

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受験生へのメッセージ

自分は何がしたいのか、もしくは何をすべきなのか。答えはひとつではありません。見知らぬ土地を訪れ、人と出会い、様々な文化や価値観に触れてみて下さい。それまでの自分の思考・判断・経験が特定の条件に縛られていたという事実を自覚し、その事実を冷静に見つめ直すことで、きっと新たな一歩を踏み出せるはずです。

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地域研究学域

地図を通して貨物輸送の歴史を考える
キーワード :
貨物輸送、鉄道、トラック

森田 耕平特任助教

専門分野:
交通地理学、歴史地理学
国内の貨物輸送手段として、鉄道は約150年、トラックは約120年の歴史を有しています。かつては全国のほとんどの駅で貨物の取扱いが行われ、隣の町や村へ物を送る際にも鉄道が利用されました。近代以降の経済発展に重要な役割を果たした鉄道ですが、トラックの進出や産業構造の変化などによって、輸送量は大きく減少しました。私は貨物輸送の空間的な側面に関心があり、鉄道やトラックによる輸送が時代とともにどのように変化してきたのか、地図を活用した研究を進めています。

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受験生へのメッセージ

地理学の研究では、必要に応じて主題図を作成します。何を伝えたいのかを念頭に置きつつ、適切な縮尺や表現技法を検討し、わかりやすい図を描くことが大切です。地図を使って研究することの面白さをお伝えできればと思います。

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