教員紹介

  • 表現

人間研究学域

「生きていることの不思議」を深める人間学研究
キーワード :
人生、物語、ユーモア、かなしみ

鳶野 克己教授

所属専攻:
教育人間学専攻
専門分野:
教育人間学、笑い学
生まれ、育ち、老い、死にゆく人間の生涯の歩みを、総合的に捉え直す「教育人間学」を研究しています。
「自分はどんな人間か」を説明する際、人は自分の人生の物語を語ります。「物語」は、納得できる筋立てで人生を意味づける力を持ちますが、特定の筋立てに私たちの生き方を縛りつけもします。人間は「物語る」生き物ですが、生きることは決して物語り尽くせません。「物語」が人生を硬直させるとき、それを緩めるのが「笑い」です。また「かなしみ」は、生きることのままならなさと物語りきれなさを感じ続ける力の源泉となる感情です。「物語」を軸に、人間として生きることの不思議さについて考えを深めていく。それが私の研究です。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

「生きることの意味」への問いは、客観的で正確な知識や情報、最終的な確答を求める問いではありません。私たちは、「生きることの意味」への問いを抱え込むことで、そうした答えのない問いを問わずにいられない人間という生き物の不思議さへと改めて目覚めるのです。さあ、この目覚めを分かち深め合う研究の旅に一緒に出かけましょう。

COLUMN

慣れ親しんだ「人生の物語」を再考し、人はなぜ生きるのかに丁寧に向きあう

教育人間学専攻

鳶野 克己

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人間研究学域

文章や物語の理解と熱中
キーワード :
文章理解、物語理解、熱中、解釈の不定性

布山 美慕准教授

所属専攻:
教育人間学専攻
専門分野:
認知科学
私の専門は認知科学で、心理学と情報科学を中心とした学際的な研究領域です。特に文章理解や物語理解、多義文の理解、比喩理解、小説や物語への熱中状態を中心に研究を進めています。私たちは日々文章を読みますが、どうやって解釈が多様な小説を理解するのか、どのようにして白黒のシミのような文字を読むだけで多様なイメージを構築するのか、文章への熱中状態はどのような認知状態なのかなど、様々な認知が未解明です。私は行動実験、読解時間や生理指標の測定、統計的な分析や数理モデリングを用いてこれらの認知の解明を目指しています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

人工知能技術が自然な文を書けるようになる一方で、人間がなぜ文を理解できるかはわかっていません。認知科学は人工知能技術にも使われる情報処理の観点から人間のこころの働きをわかろうとする分野で、「面白い」研究に価値を置くことも特色とされています。一緒に人のこころの面白い研究をすすめませんか。

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言語コミュニケーション学域

文章表現に埋め込まれた「仕掛け」の発見と創作
キーワード :
日本語を母語としない子どもの教育、文章表現研究、日本語ライティング教育

清田 淳子教授

所属専攻:
コミュニケーション表現専攻
専門分野:
年少者日本語教育、文章表現研究
文章表現研究の面白さは、書き手が実に巧みに、時にこっそりと作品に盛り込んだ表現上の「仕掛け」を発見することにあります。たとえばお気に入りの作家や小説があるとします。なぜあなたはその作家が好きなのでしょう。なぜその作品を面白いと感じ、先を読みたくなるのでしょう。主人公が魅力的だからとか予想外の事件が次々と起こるからなど、人物や出来事に惹きつけられるという理由もあるでしょう。しかし文章表現研究では、そのような作品の内容ではなく、内容を盛る<器>に注目します。すなわち、物語の構造やレトリック、語彙や文字の選び方など、文章表現の仕方にも読み手を魅了する秘密があるに違いないと考え、その正体に迫ります。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

お気に入りの小説や物語などのフィクションはもちろん、街角で見かける広告、雑誌の表紙、商品ラベル、ツイッター、新聞記事や役所から届く通知文に至るまで、日頃の生活の中で目にするさまざまな文字表現/文章表現に隠された「仕掛け」を解き明かすとともに、そのような「仕掛け」をほどこした作品をあなたも創り出してみませんか? 

COLUMN

仲間とともに「書くこと」に真剣に向き合う

コミュニケーション表現専攻

清田 淳子

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言語コミュニケーション学域

会話分析が浮き彫りにする相互行為能力の豊かさ
キーワード :
身体性、認識可能性、同期現象、専門性

城 綾実准教授

所属専攻:
コミュニケーション表現専攻
専門分野:
会話分析、社会的相互行為論
私たちは、さまざまな環境や状況下でやりとりやふるまいを通じて何かを達成したり、喜怒哀楽を感じたりしています。私の研究は、日常で営まれる多様な相互行為を録音・録画してデータとし、社会学由来の会話分析という質的研究方法を用いてそれらの成り立ちや構造を明らかにして、私たちに備わる社会成員としての能力の豊かさを示すことです。データを微細に観察すると、刻々と展開していく出来事に対する人間の反応や対処が、いかに秩序立っているのかがよくわかります。また、フィールドワークも取り入れながら、社会的・制度的に十分な評価がされていない対人援助職の専門性を、職員らの諸実践の分析を通して明らかにしようとしています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

勉強も仕事も、自分を追い込んでばかりでは長く続けることは困難です。ぜひ、自分が楽しく取り組める方法を編み出してください。そのために、さまざまな立場の人との語らいや書物、複数の視点から日常生活の観察や分析が必要になります。本学での学びは、研究のための知識や技能だけでなく、生きるための知恵も育む機会になるはずです。

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言語コミュニケーション学域

心を動かす「ことば」と物語について考える
キーワード :
詩、小説、表現教育

西岡 亜紀教授

所属専攻:
コミュニケーション表現専攻
専門分野:
日仏比較文学、文芸メディア
一つの物語やモチーフが、表現のメディア=媒体とともにどのように語り直されるのか。うた・詩・小説・絵解き・漫画・アニメーションなど、多様な表現を研究しています。新しい表現方法を探して、人に会い、本を読み、旅に出ます。
この研究の醍醐味は、心を動かす「ことば」や物語、それを語る人の人生に触れること。「ひとは大人になって、高さを忘れる。 平行になじんで、垂直を忘れる」(長田弘)「人生は一つの病院のようなもの。どの患者も自分のベッドの位置を変えたがっている」(ボードレール)。ゼミで文芸創作を行う学生からプロの詩人、小説家、記者、アナウンサー、アニメーターまで、表現の現場にいる人に出会えるのも魅力です。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

コミュニケーション活動を取り入れながら、音声を発する(朗読、紙芝居など)、文章を書く(小説、戯曲など)といった表現実践を学びます。また、その実践を支える「ことば」の仕組みについて研究します。読む、聞く、つくる、笑う。声を出したい人、物語が好きな人、自分のなかの「表現の種」と出会いたい人、一緒に学んでみませんか。

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