教員紹介

  • まちづくり

日本文学研究学域

デジタル情報社会におけるリアルな「場」としての図書館の社会的、教育的意義について考える

久野 和子教授

所属専攻:
日本語情報学専攻
専門分野:
図書館情報学
デジタル情報社会の中で、一時期は図書館不要論も唱えられましたが、今や公共図書館は地域活性化、まちづくりの中核として活況を呈しています。公共図書館は、静かな読書と勉強の場というイメージを脱却し、出会いと交流の場として、あらゆる人びとの生活と生涯学習を支えています。大学図書館でさえも会話や飲食のできるコモンズやカフェを擁し、学校図書館も生徒の心の居場所、交流の場ともなっています。「場としての図書館」研究は、複層的な機能と空間によって大きく変容する図書館の新たな意義と社会的、教育的価値を学術的に考察する図書館情報学の新しい分野です。なので、私は図書館の新たな可能性を開拓すべく、いつも研究に夢中になっています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

現代社会においては、人々の社会的格差や分断が拡大し、地域や家族のつながりが薄れ、環境破壊や自然災害、戦争などで多くの人々の生命と生活が脅かされています。実は、図書館はそうした課題解決にある程度寄与できる可能性と示唆を持っています。皆さんの身近にある図書館をぜひ広い視野をもって応援していただきたいです。

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地域研究学域

フィールドウォークからはじめよう!
キーワード :
都市論、沖縄研究

加藤 政洋教授

所属専攻:
地理学専攻
専門分野:
人文地理学
歩くこと、食べること、呑むことが大好きです。都市文化に関心を寄せる私にとって、これらのことはつねに研究の第一歩となってきました。学生たちと一緒に、ふだんは身近な京都や大阪を歩き、長期休暇中は沖縄へと出かけて街々を観察しています。もちろん、当地ならではの料理を食べることも忘れません。そこでのちょっとした戸惑いや気づき、そして人との出会いを通じて、研究の着想が萌芽するのです。「京都の食堂には、なぜ(長崎のそれとは似ても似つかない)『ちゃんぽん』があるの?」という疑問からも、研究は始まるのですよ。そう、とにかく歩けや歩け。まち歩き(フィールドウォーク)を通じて、都市空間の深奥に分け入ってみませんか。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

かつて民俗学者の柳田國男は「……学び知るためには、旅でも、散歩でも、とにかくもう少し『あるく』ことが必要」だと述べていました。インターネットや書物から得られた情報だけでは、複雑化する世界の「いま・ここ」を理解することさえかないません。さまざまな地域・場所の経験を重ねることは、必ずや人文学を学ぶ皆さんの糧となるはずです。

COLUMN

フィールドウォーク(街歩き)で情報収集。 都市空間にわけ入り、誕生の「物語」を探る。

地理学専攻

加藤 政洋

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地域研究学域

観光とポピュラーカルチャーに関する社会学的研究
キーワード :
ポピュラーカルチャー、メディア、モビリティ(移動)

遠藤 英樹教授

所属専攻:
地域観光学専攻
専門分野:
観光社会学、現代文化論
「観光は地域に何をもたらすのか」「観光はメディア文化やポピュラーカルチャーとどのように結びついているのか」「グローバルな現代社会の中で、観光はどのような役割を果たしているのか」「観光は文化をいかに変容させるのか」「観光地で私たちは一体、何を見て, どのような経験を手に入れるのか」「観光における『遊び』の要素は、現代社会に何をもたらすのか」――観光現象に関する様々な問いを、社会学的な視点から追求しています。このように理論やフィールドワークをふまえた人文・社会科学的な観光研究を展開していくことで、現代社会のあり方をラディカルに(根底から)問い直そうと思っています。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

この世界は不思議(wonder)に満ちていて、だからこそ素晴らしい(wonderful)のだと思います。たくさんの好奇心をもって、この世界に目をこらしてください。そうすれば見慣れた風景でさえ色鮮やかに輝きだすかもしれません。誰かが準備した問いでなく、皆さんの好奇心から溢れる問いを大切にしてください。

COLUMN

メディアで変わる「観光」の最前線を追う


地域観光学専攻

遠藤 英樹

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地域研究学域

観光資源化のプロセスの研究
キーワード :
近代化遺産、産業観光

山本 理佳教授

所属専攻:
地域観光学専攻
専門分野:
文化地理学、景観論
産業施設、戦艦、廃墟、廃線跡、空き家…今やどんなものでも「観光資源」となりえる時代です。私は、あるモノが観光対象となっていくプロセスを研究していますが、とくに上記であげたような、無用の長物や嫌われモノが、観光の有用な対象となっていく過程はとても興味深いものです。たとえば廃墟は、負のイメージのノスタルジックな価値への転換や莫大な費用をかけた保存整備など、様々な社会的状況や地域社会の動きが絡みつつ、ようやく観光資源となります。そうした背景や要因を一つ一つ丁寧に追っていくこと、あるいはひも解いていくことが、社会や地域を知ることにつながります。

MESSAGE

受験生へのメッセージ

大学は自分の世界を広げるチャンスがもらえるところです。ただチャンスは自分からつかんでいかなければ活かせません。色々な事に興味を持ち、是非積極的に動いてみて下さい。

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