立命館大学図書館

   
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「第19回:図書館はビタミン剤!!」久保 壽彦 先生(経済学部)

インタビュー:学生ライブラリースタッフ 中野、増田

久保 壽彦 先生
久保 壽彦 先生の研究概要

―― 先生は学生時代、よく本を読んでいましたか。

本は結構読んでいました。年間100冊ぐらいは読んでいました。その中でも特に小説が多かったです。小説は新しい現代の物から夏目漱石まで新旧両方を読んでいました。

―― 年間100冊も本を読むのは素晴らしいことだと思うのですが、すごく大変ではなかったですか。

そんなことはなかったですよ。でも難しい本を読んでいると、行き詰ったり、本を読むことが嫌になるというスランプに陥ったりすることがありました。そんな時には自分が好きな本を読んで、乗り越えていました。

―― 先生がスランプを乗り越えるための本について、詳しく教えて下さい。

私のスランプを乗り越えるための本は、五木寛之さんの『青春の門』です。当時この本はすごいベストセラーだったんですよ。映画にもなりました。この本はすごく読みやすく、出版された年代が大学生時代だったのでよく読んでいました。

―― スランプを乗り越えるための本に出会うには、何か方法はあるのでしょうか。

とにかく本を読むことですね。私の場合はたまたま見つかった訳ではなく、ベストセラーの本を読んで出会ったんです。自分に合っている本を探すことがいいかもしれないですね。

―― 先生は学生時代、よく図書館を利用していましたか。

毎日行っていました。体育会のクラブに入っていたので、午前中や午後一番のあいている時間には、図書館にこもって本を読んでいました。英語の本を勉強のためではなく、読み物として読んだりもしていました。しかし当時は英語の本は高価であり、図書館から借り出すことができませんでした。そのような本を図書館で読んだりもいました。テスト前にはよく図書館を利用していました。普段はクラブのために学校に行って、そのついでに授業に行き、合間に本を読むというように図書館を利用するパターンは区々であっていいし、自分の利用パターンを見つけるのも面白いかもしれませんね。

―― 今も図書館を利用していますか。

はい。今も専門書の研究図書を借りたり、雑誌を読んだりするなどよく図書館を利用しています。

―― 先生のお薦めの本を教えて下さい。

サラリーマンになる前の学生に読んでもらいたい本は、司馬遼太郎の『坂の上の雲』ですね。リーダーシップのひとつの形態について大変参考になると思いますので、是非読まれることをお勧めします。

―― 今の大学の図書館に対して、何か意見、要望はありますか。

昔は本をパソコンで検索するということはできませんでした。しかし、今の学生は探したい本をすぐにパソコンで検索できるので、幸せなことだなぁと思っています。大学の図書館のような整った環境は、卒業したらほとんどないでしょう。だから学生諸君は、もっともっと図書館を利用し、今のうちに享受しておくべきだと思いますよ。

―― 今の学生に対して、他にも何かアドバイスはありませんか。

ある程度の数を読まないと、自分にフィットする本は見つけられないと思います。「あれ?何でだろう?」と、とりあえず本に興味を持ち、本を読む習慣をつけることが大事です。新聞を読むことも大事だと思います。でも今の学生は何かと忙しそうですね。昔は一つ一つのことに対して時間をかけて行っていたけど、今はiPhoneとかですぐに何でも解決できますよね。でもPCやiPhoneで調べた後には、きちんと本で確かめてほしいと思います。また学生に対して言いたいことは、せっかくの4年間ですから、しっかり勉強した方が良いということです。例えば、一週間授業で20時間勉強し、それを30週(前期・後期)行うと、20×30=600時間を一年間授業で勉強することになりますよね。これを四年間と考えると、君達は600×4=2400時間、大学で勉強することになります。司法試験に合格するのに必要な勉強時間が3000時間と言われていますから、あと600時間=一年間勉強すれば、司法試験に合格することもできるだけの勉強の機会がすべての学生に与えられているということになります。

―― なるほど、確かに四年間勉強すると得るものは大きそうですね。先生は今も勉強を続けているのですか。

経済情勢を知るために新聞は読んでいますよ。立命館に来てからはずっと、新聞の切り抜きも行っています。金融関係を中心に切り抜き、たまに見返したりしています。今は電子版もできて便利になりました。電子版は毎日利用しています。

―― 新聞を切り抜いたファイル、すごいですね。最後に、学生へのメッセージをお願いします。

とにかく図書館に行ってみてください。用事がなくても、ボーっと本を眺めているだけでいいんです。眺めていると、「こんな本もあったんだ」という新たな発見があるでしょう。私は大学に来る前は民間企業で勤めていましたが、東京にいた9年間は毎週末、広尾にある有栖川中央図書館に一日中行っていました。図書館はビタミン剤と言える場所です。図書館に行くと元気になれます。学生は是非図書館に行ってみてそして、多くの発見を実感してください。

―― 本日は貴重なお話をありがとうございました。

今回の対談で紹介した本

五木寛之作品集 ; 第10巻 / 五木寛之著 /文春/1973
坂の上の雲 / 司馬遼太郎著 /文藝春秋/1999