立命館大学図書館

   
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「第42回:図書館で、ゆっくりと人生に向き合う時間を」今田 治 先生(経営学部)

インタビュー:学生ライブラリースタッフ 稲川、小川

今田 治 先生

今田 治 先生の研究概要

―― 先生の研究分野について教えて下さい。

生産システム論です。ゼミではモノづくり、人づくりをテーマとしています。今度学会でも検討されるのですが、モノづくりとは企業の生産過程の研究が中心だと思っています。企業の開発、生産準備、製造、それぞれがどう関連しながら環境に適応し動いているかということを研究しています。研究を始めて30年ぐらいですが、対象はずっと自動車企業です。

―― 学生に読んでほしい本はありますか?

そうですね。いっぱい読んでほしいですね。特にこれ、という本は無いですが、ぜひ色んな本を読んで欲しいと思っています。それは自分の好きな分野だとか、講義ですすめられる本とか、何でもいいのですよ。たくさん本を読んでいると、社会に出たとき役立ちますよ。様々な知識がついて、話題が豊富になりますから。

図書館でここから、ここまでを何日までに、と決めて読むのもいいですし、新聞の書評など活用するのも良いと思います。あと、調べ物をするときは、すぐインターネットを使うのではなく、やはり本を活用してほしいですね。インターネットで出した情報を活用するならば、必ず一度その出典元を本で見て、確認してほしいです。

―― 先生が最近読んでらっしゃる本はありますか?

J・アーチャーの一連の作品です。前に読んだ「ケインとアベル」は特におすすめです。すごく壮大なお話の小説で、面白いですよ。あとは、ベストセラーとしてあがった本はすぐに読んでいます。

―― 学生時代はどのような学生だったのですか。

すごく変わり者だったと思います。どれだけ孤独に耐えられるのかを試すために、山にこもったこともあります。大学では、図書館の本を全て読んでやろうと思い、図書館にこもっていました。孤独な学生でしたね。それと、体力づくりのトレーニングも欠かさずしていました。それが今になってすごく役に立っていると感じています。ただ、学生の間にやっておけば良かったなと思うことは、サークルに入って、人と関わりながら音楽などもしておけばよかったと思います。外国に行ったときなども、音楽ってすごく交流が深まるのですよ。時間は限られているので全部が全部っていうのも難しいのですがね。

―― 図書館のお勧めの活用方法を教えてください。

ぴあらのようなディスカッションの場を学生にもっと活用してほしいです。あとは,教員のお勧め本コーナーなどが活用され,本を読む学生が増えればいいなと思っています。僕が学生のころは,図書館の席は取り合いになっていました。その中でも,僕はお気に入りの場所を見つけ,いつもそこで勉強をしていました。図書館独特の,あの雰囲気がすごく好きでした。ところが今では図書館を利用する学生は少ないですよね。情報の収集手段ももっぱらインターネットになってしまいました。しかし,インターネットには間違った情報もたくさん書かれています。インターンネットで情報を得たら,本で確認する作業をしてほしいです。本は思考を深めるものです。思考を深めることで会話に深みが出ます。また心に余裕を持つことも出来ます。そういった意味で,図書館はゆっくりと人生に向き合える場所であると思います。

―― 最後に、学生へのメッセージを聞かせてください。

とにかく多くの人と接してください。自分がしたことに対して,アドバイスをもらったり,がんばりを認めてもらうには,人と関わらなければなりません。また,親に感謝の気持ちを忘れないでください。あなたは周りの人に生かされているのです。そのことに常に感謝して「ありがとう」の気持ちを忘れないでください。あとは,相手の立場になって物事を考えてほしいです。人間は自分だけが幸せになることができないのです。周りが幸せになると自然と自分も幸せになれるのです。そのためには,日ごろから人のしたことに対し,ほめてください。人の長所を見る訓練をして学生生活を送ってほしいです。

―― 本日は貴重なお話をありがとうございました。

今回の対談で紹介した本

『ケインとアベル』ジェフリー・アーチャー著 ; 永井淳訳 新潮社 1981