加藤周一文庫

特別コレクション

加藤 周一

加藤周一(1919-2008)は、戦後日本を代表する国際的知識人。少年時代から文学に親しむ。

第一高等学校を経て東京帝国大学医学部を卒業。
1951年から55年までフランス留学。
1960年以降カナダのブリティッシュ・コロンビア大学、ベルリン自由大学、アメリカのイェール大学などで教鞭をとる。晩年には「九条の会」の呼びかけ人となり憲法第九条の擁護を訴える。

主著『日本文学史序説』『日本 その心とかたち』『羊の歌』『夕陽妄語』。

図書館長挨拶

本学図書館は、2011年2月、加藤周一氏の御遺族より、御自宅に所蔵されていた厖大な蔵書と遺稿・ノート類の寄贈を受けました。これは同氏が、本学国際関係学部の客員教授や国際平和ミュージアム初代館長を務められるなど、本学とゆかりが深かったことから、御遺族の御意向により実現したものです。

本学では、これを2016年4月に開館する「平井嘉一郎記念図書館」に収め、「加藤周一文庫」として広く公開することにしました。本文庫が、本学関係者のみならず市民の方々、研究者の方等にも御活用いただけることを願っています。

2016年4月 立命館大学図書館長
法学部教授・法学博士 二宮周平

“蔵書”について

本文庫が収めるものには、書籍・雑誌類と手稿ノート・資料類とがある。書籍・雑誌類は約20,000点を数えるが、そのうち約12,000点は開架式閲覧室に配架され、自由に閲覧し、貸出を受けることができる。約8,000点は閉架式書庫に収蔵され、請求によって閲覧はできるが、貸出は受けられない。開架式に配架される蔵書は三つに分けられる。第一群は、加藤周一が所蔵し利用した参考書籍・雑誌類である。 これは十進分類法に従って配架される。第二群は、加藤の著書と加藤の著作が載る雑誌である。加藤が推薦文を寄せた「内容見本」も、そのほとんどを揃える。これらは刊行年代順に配架される。第三群は、加藤について書かれた書籍・雑誌であり、これも刊行年代順に配架される。なお、第二群、第三群については、あらたに補充されたものもあるが、それは加藤の蔵書と区別される。また寄贈を受けた書籍・雑誌類は、書誌データにその旨を記載する。

“手稿ノート”などについて

本文庫には蔵書のほかに、「手稿ノート」、来信書簡、写真、手帳、新聞切り抜きや地図など資料類が収められる。「手稿ノート」は、少数の冊子型ノートと多数のルーズリーフ型ノートに分かれるが、その総頁数は10,000頁を超える。ルーズリーフ型ノートの大半は、加藤自身によって主題別にファイリングされ、そのファイル数は1,000を超す。

これらの「手稿ノート」 は主として執筆の準備のために取られたものであり、加藤の著作や思想を精しく分析するための重要な資料となるものである。
これらの「手稿ノート」は、現在、立命館大学図書館および加藤周一現代思想研究センターを中心に整理が進められている。整理作業が完了した段階で、デジタルアーカイブ化し、公開する予定である(ただし一部非公開のものもある)。来信書簡や写真についても、可能な限り公開する予定であるが、公開する範囲や時期については未定である。

“青春ノート”について

「手稿ノート」には、加藤が1937年から1942年5月にかけて、すなわち17歳から22歳にかけて書き綴った8冊の冊子型ノートがある。われわれはこれを「青春ノート」と名づけて、文庫開設と同時に公開する準備を進めてきた。この「青春ノート」から、青年時代の加藤の生き方と、その後の思想と行動の原点を知ることができると考えるからである。

「青春ノート」には、短編小説、詩歌、評論、随想、日記、警句などが綴られ、加藤が思索したことが記されるが、そのいくつかはのちの加藤の著作に発展継承されていく。
たとえば「一九四一年十二月八日」という表題の日記がある。そこには太平洋戦争が始まった日の大学内の様子や、教授陣の態度や、加藤が考え感じたことが述べられており、これは加藤を知る上で貴重であるばかりではなく、歴史的な資料としても貴重である。

「青春ノート」公開にあたっては、公益財団法人図書館振興財団から助成を受け、TRC-ADEAC株式会社が運営する「ADEAC:デジタルアーカイブシステム」に搭載した。下記URLにアクセスして閲覧することができる。

一般市民の利用について

来館当日限りの見学は、平井嘉一郎記念図書館1階総合カウンターにお申し出ください。
資料貸出を希望される場合は、所定の手続を取っていただきますよう、お願いします。