加藤周一文庫について

加藤周一文庫

 本学図書館は、2011年2月、加藤周一氏のご遺族より、御自宅に所蔵されていた厖大な蔵書と遺稿・ノート類の寄贈を受けました。これは同氏が、本学国際関係学部の客員教授や国際平和ミュージアム初代館長を務められるなど、本学とゆかりが深かったことから、ご遺族のご意向により実現したものです。本学では、これを衣笠図書館に収め、「加藤周一文庫」として独立させることにしました。本学関係者のみならず、市民の方々にも一定の範囲内で公開する予定で、現在、その準備作業を進めています。「加藤周一文庫」の概要は以下の通りです。

1.蔵書

 蔵書は、書籍や雑誌など約20,000冊を数えますが、大半は書籍でこのうち洋書は3,800冊程度です。書籍のうち、和書の約12,000冊と加藤周一氏の自著である洋書は、図書館の開架式書架に配架し、閲覧や貸出の利用に供する予定です。貴重書やそれに準ずる図書は、一般公開をする予定はありません。

 蔵書は、文学・美術はいうに及ばず、宗教、哲学、思想から、歴史、社会、音楽、映画まで、非常に多岐にわたっています。また、著名な作家、学者などから献呈されたサイン入りの書籍も多数あります。加藤周一氏の自著はほぼすべてが揃っており、その中には、現在では入手することが困難な貴重な著作も含まれます。

 一般公開を予定している約12,000冊の蔵書は、20世紀日本を代表する国際的知識人、加藤周一氏がどのような読書を重ねてその思想を形成していったかを追ううえで役立つとともに、世界に通用する深い教養を身につけるために大きく資するものです。衣笠キャンパスでは、2016年に新図書館がオープンする予定で、「加藤周一文庫」の蔵書は、新図書館で公開されます。

2.遺稿・ノート類

 遺稿・ノート類と呼んでいるものは、手稿類(手書きまたはタイプ打ちのノートやノート断片、原稿、メモなど)、書簡、日記、印刷物(雑誌・新聞の切り抜き、講演会資料など)、手帳などの他に、写真、地図、絵葉書、名刺なども含まれており、整理が終了するまで総点数はわかりませんが、推定では1万点を超えるものと思われます。

 これらの中で特に重要と思われるのは、ノートやレポート用紙に書かれた厖大な研究メモで、加藤周一氏の研究の軌跡をたどるための重要な資料になります。遺稿・ノート類は、日本語ばかりではなく、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ラテン語、漢文など多言語で書かれています。

 また、特に重要と思われる資料として、1937年から1942年にかけて書かれた、一高・東大時代のノート8冊(約千ページ)があります。このノートには初期作品群など、未発表作品も多数含まれており、将来の加藤周一研究に不可欠なものになるでしょう。

 遺稿・ノート類をどのように公開(例えばPDFなどによる)するかについては検討中ですが、整理に相当の年月を要する見込みのため、公開時期は未定です。これらの資料は整理が完了するまで公開いたしません。また、お問い合わせにも応じかねますので、ご理解のほどお願い申し上げます。