バイオフィルム関連
 身の回りの色々な表面,例えば台所の流しや川の石,水槽のガラス,歯・・・などには,ヌルヌルしたものが付いている.これらは「バイオフィルム」と呼ばれ,そこでは細胞外ポリマーの中に種々の微生物が共同体を形成している.自然環境中の微生物の99%以上は付着状態にあり,バイオフィルムを形成しているとも言われており,バイオフィルムは普遍的な存在である.
 当研究室では,琵琶湖のヨシや石の表面に形成されるバイオフィルムについて,どんな微生物が棲息しているのか?微生物間でどのように相互作用しているのか?環境とはどのように影響し合っているのか?バイオフィルムは微生物にとってどんな棲み場所なのか?といったことを解明し,その機能の活用を目指している.

【バイオフィルムの形成過程に関する研究】

 バイオフィルムがどのように形成されていくのかを、その厚み、微生物数、微生物フロラ、内部のイオン環境などに着目して調べている。




【バイオフィルムポリマーの諸特性】

 これまでの研究で、 バイオフィルム中の栄養塩濃度は周辺環境中に比べて100〜1000倍高いこと、 また、周辺環境中と連動して季節変動することがわかっている。
これらがどのようにして起こるのかを、 ポリマーの特性(表面荷電、イオン濃縮能)に着目して調べている。

荷電のある色素を吸着したBF


 今後は、様々な基質上のバイオフィルムの性状・特性や、海水中でのバイオフィルムの形成過程を調べていく予定である。