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  • 今村 比呂志助教
  • Hiroshi Imamura
  • 応用化学科
  • 研究室生体物理化学研究室
  • 専門分野生物物理化学、 蛋白質科学
  • 担当科目生体分子機能・構造化学
    • バイオテクノロジー
Q1研究の内容を教えてください。

 蛋白質は物質でありながら、生物的であるといえます。例えばエタノールはC2H5OH以外ありえませんが、ミオグロビンの化学組成は生物の種類によって違います。蛋白質分子には何十億年という歴史の偶然と必然の結果が刻まれており、私は光学顕微鏡では見えない程小さな蛋白質を見る様々な技術や物理と化学の理論を使って、その性質を調べています。具体的には蛋白質分子の物理的安定性や溶解性などの性質と分子進化の関係を研究しています。これは蛋白質医薬品の開発と製造の基盤となる研究でもあります。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 小さな頃から調べることは好きだったので、その延長線上に今があるのかもしれません。大学院で理化学研究所やポーランド高圧力物理学研究所に行く機会をいただき、研究者が何の役に立つかわからないけれど面白いことを楽しそうにやっていることに魅力を感じました。もちろん社会的意義も意識しますが、意図通りにならないことが面白いのかなと感じています。また、研究を通じて白黒の間にあるはっきりしないグレーの感覚を身につけたいと思ったこともきっかけだったように思います。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 高校までは自分の疑問は置いておいて覚えてしまった方が効率がいいときがありますが、大学では自分の疑問を解決しようと思って調べる方が結果的に学びとしてうまく行くので楽しく、大学の良い点と思います。大学にはそのための時間や環境(図書館や教員・学生)があります。また、研究・実験をすれば誰も見たことのない世界初の結果が出ます。それはたとえ小さなことであっても、きっとわくわくする出来事です。そしてそんな積み重ねが大きな発見・成果につながるかもしれません。

おすすめの書籍

岡田 美智男 著『弱いロボット』