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  • 三原 久明教授
  • Hisaaki Mihara
  • 生物工学科
  • 研究室応用分子微生物学研究室
  • 専門分野応用微生物学、生化学
  • 担当科目微生物生理学、タンパク質工学
    • バイオテクノロジー
    • 微生物
Q1研究の内容を教えてください。

 「バイオテクノロジー」という言葉が生まれる遥か昔から、人類は微生物と微生物が生産する酵素を利用してきました。微生物の多様な能力は、環境・食糧問題の解決、医薬品開発など幅広い分野に活用することができます。しかし、微生物の種類は私たちの想像を絶するほど多く、これまでに人類が役立てているものはまだほんの微々たるものに過ぎません。私の研究室では、生化学、微生物学、分子微生物学、遺伝学の手法を駆使して、微生物の多彩かつユニークな代謝のメカニズムと微生物が生産する酵素・タンパク質の構造と機能を解明することを目指した研究を行っています。十人十色という言葉がありますが、各人それぞれ異なっているものです。これと同じように、微生物や酵素もそれぞれに強烈な個性があり、それらの特徴をどのように見つけ出すかが研究の醍醐味です。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 私は、「自主・自律・自由」が校訓の公立高校で自由気ままに学びました。その頃、ポテトとトマトを融合した「ポマト」をバイオテクノロジーによって作りだせるという話を知り、分子生物学や遺伝子工学に興味を持ちはじめました。生物学や農学を大学で専攻することを決め、大学の農学部に進学してからは、高校よりもさらに自由な雰囲気の中で、気ままな日々を過ごしました。しかし、4回生で応用微生物学に関する卒業研究に携わるようになって以降、実験が楽しくて朝から晩まで研究室で過ごすようになりました。大学院の修士課程では、研究の一筋縄ではいかない奥深さを知り、一人前の研究者になることを決意して博士課程への進学を決意しました。博士課程では研究の醍醐味を存分に満喫するとともに、他では決して味わうことのできないような楽しい経験、苦しい経験を沢山することができました。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 将来自分がどのような道へ進むのかを考える上で、既に何らかの将来像を描けている方は、その夢に向かって、今なすべき事を整理してみるとよいと思います。将来の夢に対する気持ちが強ければ強いほど、障壁を乗り越える力が沸き上がってきて、実際に夢を勝ち取る可能性が高くなるものです。一方で、まだ自分が何に興味があるのかも分からない、という方も沢山いらっしゃると思います。それでも不安になる必要は全くありません。自分のこれからの大きな可能性を信じて、本や雑誌、テレビの特集などで、様々な分野の内容に触れ続けることで、自然な形で興味を惹かれる対象に出会えることでしょう。いずれにせよ、高校生のうちには、まずは「自分自身」に興味を持ち、しっかりと基礎学力をつけながら、意識的に自分の将来・夢を模索するのがよいと思います。

おすすめの書籍

左右田 健次 著『酵素のちから -生命を支える-』