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  • 石水 毅教授
  • Takeshi Ishimizu
  • 生物工学科
  • 研究室バイオエネルギー研究室
  • 専門分野生化学、植物分子生物学
  • 担当科目生化学、基礎環境学
    • 植物品種改良
    • 生物資源
    • バイオエネルギー
Q1研究の内容を教えてください。

 糖質(炭水化物)は生物に欠かせない物質です。植物は糖質をたくさん作る生物で、水を除いた構成物質の8割程度が糖質です。植物の糖質は、細胞壁のセルロースやペクチン、貯蔵多糖のデンプン、タンパク質に結合している糖鎖など様々です。これらは食料生産やエネルギー生産に利用されています。研究室では、植物の糖質にはたらく酵素を見つけ、植物がどのようにして糖質成分を合成したり分解したりしているか、研究しています。この研究は、成長や栄養取り込みなどの植物の仕組みを明らかにするだけでなく、成長しやすい植物、新しい食品素材、エネルギーを生産しやすい植物の開発に生かされます。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 高校生の時から化学が好きでした。大学生の時は化学科で勉強し、酵素など生物分子のはたらきに興味をもちました。大学院生になって、酵素のような分子がどのようにして生物らしさを作り出しているのか、そんなことに迫る研究に興味を持つようになりました。大学教員になるときに、植物細胞壁の糖鎖のペクチン(ジャム作りに使われたり、フルーチェの主成分だったりします)が複雑な構造をしていて、それが40くらいの酵素(ほとんどがまだ見つかっていない)が関わって合成することを知り、それらの酵素の探索やペクチンの合成の仕組みの解明を目標に研究を開始しました。そのうちの一つの酵素を最近発見し、それが他の未発見の酵素を見つける糸口になり、これからの研究が楽しみになっています。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 多くの教科を広く学び、いろんな人の考え方に接する高校生の時に、ぼんやりとした感じでいいので、将来への目標を持ち始めて欲しいと思います。それに向かって一歩一歩ずつ努力していくことを覚えてください。努力しているうちに、目標が明確になってきたり、今まで知らないことを知って、新たな目標ができたりします。友だちや先生、家族との意見交換も大事にして、自分を作っていってください。立命館大学をそんな目標を実現していくところとして使って、素敵な人になっていって欲しいと思います。生命科学、生物工学、植物研究、食料研究、エネルギー研究に興味を持つ人はぜひ入学してください!

おすすめの書籍

日本生物工学会 編 『ひらく、ひらく「バイオの世界」 -14歳からの生物工学入門-』