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  • 高橋 文雄講師
  • Fumio Takahashi
  • 生物工学科
  • 研究室植物分子生物学2研究室
  • 専門分野植物生理学、細胞生物学
  • 担当科目生物科学1
    • 生物資源
Q1研究の内容を教えてください。

 研究材料は、水域に生育する藻類を主に使っています。日本人の食生活に欠かせない昆布やワカメなどの褐藻、沿岸域養殖業(魚貝類)に多大な影響を与えている赤潮藻、または湖沼域でよく観察される緑藻ボルボックスなどを研究しています。研究内容は以上の藻類をつかって、環境(特に光環境)に対する応答を観察したり、その反応の分子(遺伝子)・タンパク質機構の解析を行っています。さらにこれらの藻類が有用な生物・資源になる可能性を模索しています。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 大学は卒業研究で一つの研究室を選びます。その際、配属を希望した研究室が研究手法として顕微鏡を主に扱っていました。顕微鏡によって見えるミクロの世界が、非常に美しく感動したことを覚えています。その後、環境の変化によってその美しさがさらに変化することを学びました。この変化は、どのようなメカニズム・分子機構で起こっているか、自ら解きたいと思ったのが研究を目指したきっかけです。20年以上研究を行っていますが、一つ解けてもまた次の課題がみえてきます。難易度の高いRPGをしていると同様で、現在でも非常なやりがいを感じています。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 人間の生活や環境に役に立つ科学(応用)は大事ですが、科学(生物だけではなく)の基礎原理を学んだり、理解することを望みます。高い壁にぶつかった時に基礎的な引き出しがあればあるほど壁から抜け出す力を発揮できると思います。さらに科学のすばらしさ、不思議さ、面白さを学ぶことで、様々な想像力・発想力が鍛えられると思います。目先の技術や流行だけではなく、若い柔軟な頭で新しい科学の道を切り拓くことを期待しています。

おすすめの書籍

井上 勲 著『藻類30億年の自然史 -藻類からみる生物進化-』