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  • 梶浦 裕之助教
  • Hiroyuki Kajiura
  • 生物工学科
  • 研究室バイオエネルギー研究室
  • 専門分野生物工学
  • 担当科目生物資源学
    • 植物品種改良
    • バイオテクノロジー
Q1研究の内容を教えてください。

 生体内にあるタンパク質はアミノ酸からできていますが、実はアミノ酸だけがタンパク質を構成しているわけではありません。ヒトや酵母、昆虫、植物などの高等真核生物の細胞内で機能するタンパク質の多くは、数種類の糖が鎖のようにつながった“糖鎖”で修飾されています。このタンパク質上の糖鎖は細胞・生命維持に必須である場合が多いのですが、植物ではあまり研究されていませんでした。「糖鎖が合成できないと植物はいったいどうなるのか?」。この疑問を解決するため、糖鎖が合成できない植物を様々な環境下で解析し、植物におけるタンパク質の糖鎖修飾の新たな機能と重要性を見出そうとしています。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 小さい頃から“モノづくり”が好きで、自分なりに色々考えて創作するのが好きでした。大学や研究室を選ぶ際、やはり何かを生み出す、さらに最先端の事をしたい!と考えていた当時、遺伝子工学などのいわゆる“バイオ”が流行りだした頃でした。そんな中、植物を利用しワクチンを生産させ、注射ではなく経口投与によるワクチン接種をする“食べるワクチン(今ではあまり言いませんが…)”の生産を目指している研究があることを知りました。「自分も食べるワクチンのような何か人の役に立つものを生物で創ってみたい!」。その思いを実現するため研究者の道を選び、現在は植物でヒトに有用な医療用タンパク質を創る研究も進めています。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 高校の時期はいろいろなことに経験する事、チャレンジすることが大切だと思います。大学の研究や会社での仕事では、本や論文を読んでいるだけでは解決できない問題が多々あります。そんな時に役に立つのが、自分がそれまでに経験したことからふとした瞬間に生まれる“アイデア”です。1つの現象に対しても色んな視点から様々な捉え方、考え方ができるよう、高校生の時からトレーニングしてみてはいかがでしょうか。

おすすめの書籍

野島 博 著『ゲノム工学の基礎』