- 堀 利行教授
- Toshiyuki Hori
- 生命医科学科
- 研究室病態細胞生物学研究室
- 専門分野血液学、腫瘍学
- 担当科目人体の機能と病態、免疫学
- Q1研究の内容を教えてください。
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がんは日本人の死因の第1位です。誰もががんになる可能性があり、がんになれば助かるとは限りません。がんで親戚や知人を失ったことのある人なら、より身近にがんを感じ、それについて深く知りたいと思うでしょう。これまで世界中の多くの研究者ががんについて研究してきましたが、まだ、分からないことが多く残されています。細胞の遺伝子に変異が生じると、どのようにして細胞内のシグナル伝達が変調をきたし、細胞の増殖を制御できなくなったり、不死化したりするのでしょうか。私たちの研究室では、がんについてのこのような基本的な問題の解明に取り組んでいます。そして、その成果に基づく新しいがんの治療法の開発を目指しています。
- Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。
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両親が医師だったので、子供の頃からいろいろな病気、とくに治療が難しいがんに興味をもっていました。医師として働き始め、実際にがんや白血病の患者さんの主治医になると、がんの恐ろしさ、悲惨さを身近に感じるようになりました。4年間の臨床研修の後、大学院に入学して研究を始めたのは、ただ病院で診療に従事しているだけでなく、がんについて基礎的な研究をして、根本的な治療法を見つけたいと思ったからです。
- Q3高校生へメッセージをお願いします。
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広くいろいろなことに目を向けよう。授業のことでも、家族のことでも、社会のことでも、科学でも、文学でも、遊びでも、スポーツでも、ゲームでも、何でもかまわない。興味をもったことは、自分で本やインターネットで調べてみる。分からないことがあったら、そのことについて書かれた文章を何度か読み直したり、別の本で調べ直したりすればよい。すると、だんだんいろいろなことが分かってきて、関係ないと思っていたことがらに繋がりが見つかり、まさかというような発見があるかもしれない。知らなかったことを知ること、より深く知ることが、実は大きな喜びであるということに気づくだろう。
- おすすめの書籍
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ロバート・A.ワインバーグ 著『がんの生物学』