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  • 奥山 哲矢助教
  • Tetsuya Okuyama
  • 生命医科学科
  • 研究室医化学研究室
  • 専門分野分子生物学
  • 担当科目分子生物学実験、基礎生化学実験、微生物学実験
    • 創薬
    • 生物資源
Q1研究の内容を教えてください。

 個体が生まれて死に至るまでの期間である寿命は、多くの生物で種によっておおよそ同じになっていて、寿命は遺伝子に影響されることが想定されていました。近年になって、遺伝子機能を失うことで寿命が2倍に延びるような遺伝子、すなわち寿命の長さを決定するような遺伝子が、実験動物の一種である線虫C. elegansで見つかりました。小さな生物の線虫C. elegansは土壌性、つまり土の中に住み他の動植物に寄生しないため安全です。また昔から不老長寿の効果があるとされている漢方薬の多くは肝臓機能を改善します。線虫C. elegansや肝機能をしらべることで、不老長寿につながるような遺伝子同士のネットワークや漢方薬の長寿効果を明らかにしたいと考えています。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 高校生のときは物理・化学選択でした。生物は暗記科目であるという印象や、生き物による現象の不確実さ・曖昧さから生物学を忌避していました。大学入学後、おすすめの書籍にもあげた立花隆 利根川進著の「精神と物質 分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか」を1回生の時に読み、分子生物学の発展してきた経緯や可能性について深い感銘を受けました。また、同時に生命現象にはまだまだ未解明のフロンティアが拡がっているところに魅力を感じDNA・RNAやタンパク質といった分子のレベルで生命現象を解き明かすことを志しました。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 生命の織り成す現象を基本原理に立って解明していくためには、生物学の知識だけではなく、化学や環境、情報学や医学にまたがる幅広い知識が必要となってきます。人々の暮らしに害をなす環境問題では化学物質や微生物のレベルから解析することで解決の糸口が見つかるかもしれませんし、高齢化が進むわが国でビッグデータの解析による健康増進への応用も求められています。これらの諸問題に生命科学に立脚して立ち向かうには、幅広い学問分野を包含する生命科学部で、さまざまな体験にチャレンジし多彩な見識を身に付けることがきっと役に立つと思います。

おすすめの書籍

立花 隆 著, 利根川 進 著『精神と物質 -分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか-』