社会人学生について

清水 嘉江子 さん
清水 嘉江子さん

※掲載されているのは2013年の情報です。

 中国古代の歴史小説に魅せられ中国の歴史を学びたいと、2003年に立命館大学文学部に入学しました。立命館大学を選んだ理由は、社会人受け入れに親切だったからです。
私はそれまで新聞社に勤務していました。58歳のとき社会人入試の説明会に参加、60歳で立命館に入学できればと、心ひそかに願っていました。ところが66歳まで勤務が延長されました。説明会に参加してから入学までの6年間、毎年受験シーズンになると、立命館から入学願書が届いたのです。
立命館を受験しないと申し訳ないような気持ちになりました。

幸いにも入学できましたが、東洋史学の学生60人中、社会人は私一人です。
オリエンテェーションに出席するのを忘れた私を案じて、声をかけプリントをコピーしてくれた同級生、パソコンで漢文を作る授業では、私と並んで座り教えてくれた同年生、課題の調べ方について丁寧に指導してくれた共同研究室の先輩諸氏、私は皆に助けられて、今日までたどり着くことができました。

入学するときは大学院に進学するとは、夢にも考えていませんでしたが、卒論のテーマ「墓誌銘より見たる宋代女性像について」が完成せず、修士課程でも終わらず、博士課程に持ち込んでいます。
通学に片道2時間かかりますが、知る喜びが健康維持に役立っています。東洋史学の教授は丁寧に指導してくださり、学生さんも親切にしてくださるからこそ長続きしています。

私は家事の合間に勉強しているような状況ですが、自分の中に「宋代女性像」という非日常の軸を通すことによって、生甲斐と達成感が生まれました。
江戸末期の儒者、佐藤一齋の『言志四録』の一条に「少にして学べば則ち壮にして為すあり、壮にして学べば則ち老にして衰えず、老にして学べば則ち死して朽ちず」とあります。
社会人の皆さん「為すことありて、衰えることなく、朽ちることない」ためにも、立命館で学んで知る喜びを分かち合いませんか。