カリキュラム

1回生における「研究入門Ⅰ・Ⅱ」での学修を基礎として、2回生から本格的に日本語学、図書館情報学を学んでいきます。
2回生では日本語学、図書館情報学の授業を幅広く学んでください。3回生以降に所属するゼミは、日本語学ゼミと図書館情報学ゼミの計2クラスを開講します。2回生での学修を通して、日本語学と図書館情報学のどちらに興味があるのか、どのような研究をしたいのか考えて、ゼミを選択します。
3回生のゼミでは、小集団科目である「研究入門」「基礎講読」や、講読科目である「日本語情報学文献講読」、さらにその他の専門科目で身に付けた研究の基礎的方法論を基に、各ゼミで設定されたテーマの下、研究に不可欠な調査、読解、分析、プレゼンテーション、ライティングに関する能力を、より深化させます。
4回生のゼミでは、4年間の学修の集大成として卒業論文を完成させます。文学部では、卒業論文が必修科目となっています。

日本語情報学専攻開講科目

小集団科目 講読科目 専門科目
日本語学分野 図書館情報学分野
1回生 研究入門I・II 日本語学概論
2回生 基礎講読I・II 日本語情報学文献講読 日本語史概論
コーパス日本語学入門
現代日本語研究
日本語史研究
日本語の諸問題
図書館概論
図書館情報技術論
図書館制度・経営論
図書館サービス概論
情報サービス論
図書館情報資源概論
情報資源組織論
3回生 専門演習I・II
4回生 専門演習III・IV
卒業論文

図書館司書課程

図書館司書(司書)とは、図書館法により、図書館の専門的業務に携わる職員と位置づけられています。
また図書館法では、図書館司書となる資格が規定されており、それら科目の履修により卒業と同時に図書館司書資格を取得することができます。文学部における図書館司書課程のカリキュラムは、以下の表のとおりです。
必修科目のうち、※印を付けた科目は、日本語情報学専攻の専門科目(図書館情報学分野)です。通常、資格課程の科目は、卒業に必要な単位に含まれません。しかし日本語情報学専攻の学生に限り、※印を付けた科目が卒業に必要な単位に算入されます。

図書館司書課程科目
必修科目 (芸)生涯学習概論
図書館概論
図書館制度・経営論
図書館情報技術論
図書館サービス概論
情報サービス論
(図)情報サービス演習I・II
図書館情報資源概論
情報資源組織論
(図)情報資源組織演習I・II
(図)子どもの発達と読書・図書館
選択科目 (図)図書館情報資源特論
(図)図書・図書館史
(図)図書館施設論

公立図書館では、本の貸出、選書、目録作成、お話会などの従来の役割の他、市民の自己実現を支援する、地域の課題を解決する(課題解決型サービス)、まちづくりを支援する、地域経済の活性化を支援する、医療健康情報の提供など新たな役割も期待されています。本学では、各科目の履修及び卒業論文を通して公立図書館を中心とした各種図書館の様々な問題を発見し、これからの在り方を考える能力の習得を目指します。

卒業生の主な進路

京都大学附属図書館、大阪府立図書館、埼玉県立図書館、堺市立図書館、神戸市立図書館など
丸善、ニッパン、ナカバヤシ、メディアドゥ、図書館流通センター、くまざわ書店など

科目概要

小集団科目

基礎講読I・Ⅱ

日本語に関する具体的な現象を取り上げ、実際に分析することを通して、初歩的な日本語の分析方法や分析能力を身に付けます。また、現代日本語の書き言葉コーパス、話し言葉コーパスを分析対象とし、検索アプリケーションによるコーパス検索の方法、検索結果の集計方法なども学びます。

専門演習I・II

小集団科目、及び講読科目、その他の専門科目で身に付けた研究の基礎的能力をより専門的な研究が遂行できる水準にまで高めます。また、併せて科学的な調査・研究に対する理解を深めます。日本語学、図書館情報学の2クラスを開講します。

専門演習III・IV

1回生から3回生までの学修を通して身に付けた日本語学、図書館情報学に関する研究能力を基に、各自が設定した研究テーマに基づき、先行研究の調査、調査資料の選定、フィールドワーク、データの収集・分析を行い、実証的かつ独創的な卒業論文を作成します。日本語学、図書館情報学の2クラスを開講します。

講読科目

日本語情報学文献講読

日本語学、図書館情報学に関連する専門文献を関連するデータ等を参照したり、疑問点等について議論を行ったりしながら精密に読み進めます。併せて、レポート、卒業論文作成のためのライティング能力向上も目指します。

講義科目

[日本語学]

日本語学概論

日本語学を学ぶに当たって必要となる基礎的事項を理解するとともに、私たちが使っている日本語を客観的に捉え、観察しようとする態度を身に付けます。この科目では、現代日本語を主たる対象とします。

日本語史概論

日本語学概論での学修を踏まえ、上代から近現代に至るまでの日本語の変遷について学びます。また、日本語の歴史を上代から現代に至るまとまった歴史として捉える視点を獲得します。

コーパス日本語学入門

日本語情報学専攻の教育・研究の特色である「コーパス日本語学」に関する基礎的知識を習得します。言語研究におけるコーパスの重要性、書き言葉コーパス・話し言葉コーパスの設計と開発といった基礎的事項のほか、国語政策、国語教育、日本語教育、情報技術等への応用といったテーマについても学び、コーパス日本語学への理解を深めます。

現代日本語研究

現代日本語の理論的研究の手法とその成果について学ぶとともに、話し言葉コーパス・書き言葉コーパスを活用し、大規模データの分析に基づいて日本語の実態把握、特徴の解明を行う方法等についても学びます。

日本語史研究

日本語史資料の分析を行いながら、文献日本語史研究の成果、実証的研究手法を学びます。更に通時コーパスを活用して多種多様な日本語史資料を縦断的に調査、分析することで、日本語史への新しいアプローチについて検討します。

日本語の諸問題

「言葉の乱れ」として問題視される、規範から逸脱しているように感じられる表現に着目し、言語変化や地理的変異が生じる背景等についてデータ等を基に客観的な立場から議論します。また、現代の日本社会において、どのような言語問題が生じているか、その問題の解決に日本語学がどのように貢献できるかについても検討します。

[図書館情報学]

図書館概論

図書館の機能や社会における意義や役割について理解を図り、図書館の歴史と現状、図書館に関する制度と法律、図書館員の役割と資格、類縁機関との関係、今後の課題と展望等の基本を学びます。

図書館情報技術論

図書館業務に必要な基礎的情報技術を修得するために、コンピュータ等の基礎、図書館業務システム、データベース、検索エンジン、電子資料、コンピュータシステム等について学びます。必要に応じてコンピュータを用いた演習を行います。

図書館制度・経営論

図書館に関する法律、関連する領域の法律、図書館政策について学ぶとともに、図書館経営の考え方、職員や施設等の経営資源、サービス計画、予算の確保、調査と評価、管理形態等について学びます。

図書館サービス概論

図書館サービスの考え方と構造の理解を図り、資料提供、情報提供、連携・協力、課題解決支援、児童・YA(ヤングアダルト)・障害者・高齢者・多文化サービス等の各種のサービス、著作権、接遇・コミュニケーション等の基本を学びます。

情報サービス論

情報サービスとは、情報を求める図書館利用者に対して、図書館員が情報や情報源の提供・紹介等を行う人的支援です。図書館における情報サービスの意義、歴史、種類を明らかにし、レファレンスサービス、情報検索サービス等のサービス方法やプロセスなどについて学ぶほか、図書館利用教育、発信型情報サービス等の新しいサービスについても学びます。

図書館情報資源概論

印刷資料・非印刷資料・電子資料とネットワーク情報資源からなる図書館情報資源について、類型と特質、歴史、生産、流通、選択、収集、保存、図書館業務に必要な情報資源に関する知識等の基本を学びます。

情報資源組織論

印刷資料・非印刷資料・電子資料とネットワーク情報資源からなる図書館情報資源の組織化の理論と技術について、書誌コントロール、書誌記述法、主題分析、メタデータ、書誌データの活用法等を学びます。

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