教員紹介

名誉教授
  • 彦坂 佳宣教授
  • 福田 晃教授
特任教授
  • 中川 成美教授

専任教員

赤間 亮教授

研究テーマ

近世文学、日本古典芸能、浮世絵、日本文化デジタル・ヒューマニティーズ

主な業績

  • 『図説江戸の演劇書』 八木書店 2003年
  • 『歌舞伎番付集成』 八木書店 2004年

日本文学研究の魅力

近世は、商業出版の時代です。社会や技術の動向とシステマチックに文学活動がエンタテインメントとして花開きました。文学活動の大量消費が行なわれ、娯楽性への追求があります。どこか現代と似ていませんか?

ひとこと(趣味など)

ゆっくり芝居でも観たいなどと思っていますが、それもなかなか思うようにならず。。。。。立命館は忙しいですね。

川崎 佐知子教授

研究テーマ

平安王朝物語文学の注釈史・享受史を研究しています。とくに、室町末期から江戸前期にかけての連歌師や堂上貴族の古典学に関心をもっています。

主な業績

  • 『狭衣物語』享受史論究(思文閣出版 2010年)
  • 「近世前期源氏学の展開‐『一簣抄』の注釈史的位置‐」(『中古文学』第85号 2010年6月)で第4回中古文学会賞受賞

日本文学研究の魅力

50年100年と通用するような普遍性のある学説を打ち立てることができるのが基礎研究ならではの魅力だと考えています。もちろん、まだまだ勉強不足でとても及びはしませんが、たえず心がけていたいと思っています。

ひとこと(趣味など)

料理。とくに素材のよさをいかすイタリア料理にはまっています。 先日は婚活料理教室をお手伝いしてきました。

瀧本 和成教授

研究テーマ

森鷗外文学の研究、「明星」派の研究、日本近代文学史研究、近代文学・芸術と〈京都〉

主な業績

  • 『森鷗外 現代小説の世界』(単著 和泉書院 1995・10)
  • 『明治文学史』(共編著 晃洋書房 1998・11)

日本文学研究の魅力

文学や芸術作品は、自由な想像力の発揮された空間(世界)だと考えます。そこに文学・芸術の最大の魅力が存在するかと思います。つまり、優れた作品は、(私たちを)感動させ、涙を流させてくれます。(私たちは)そこに「美」を発見することができます。
日本文学(作品)の研究は、(言語)表現や(意味)内容の特徴・特質を探ることにより、「美」や文化、思想の在処(・源泉)を追究することだと思います。それらの総合的な知見によって、(私たちは)社会や文化の現在や未来の有り様について批判的な視点を獲得し、新しい在り方(方向性)を模索(提言)できるのではないかと考えています。文学研究の意義もまたそこに存するかと思われます。

ひとこと(趣味など)

専門分野は、日本近代文学、とくに森鷗外の文学を中心に研究を進めています。鷗外作品(小説、評論、随筆、戯曲、詩歌、日記、翻訳等)の分析や同時代の文学との比較を通して、明治から大正にかけての日本文学の特徴・特質を解明できたらと考えています。その際明治以降の日本の時代背景や状況等をも視野に入れながら社会の中の文学の役割や意義についても考察を深めていきたいと思っています。また、作家や作品がその後の時代の中でどのように論じられ評価されているのか、そうした受容の問題を研究史の面から探っていくことも重要な視点だと感じています。
鷗外のほか夏目漱石や彼らとほぼ同時代に活躍した与謝野鉄幹・晶子や石川啄木、北原白秋等「明星」派と呼ばれる人たちが詠んだ詩歌も興味・関心があり、研究対象としています。
趣味は、映像・絵画・演劇・音楽鑑賞。Andrei TarkovskyやStanley Kubrick、Paul Gauguin 、Jaques Lecoq 、Gustav Mahler(の作品)が好きです。

田口 道昭教授

研究テーマ

日本近代文学、明治時代の評論と短歌の研究。特に石川啄木と与謝野晶子ら『明星』派文学の研究をしています。

主な業績

  • 『石川啄木論攷 青年・国家・自然主義』和泉書院 2017年
  • 「与謝野晶子「君死にたまふこと勿れ」論争の周辺―〈私情〉の行方―」(『論究日本文学』第96号、2012年5月)

日本文学研究の魅力

文学作品には、その時代の人々の考え方や感じ方、生き方が反映され、また、作品がその時代の人々の生きる指針となることもあります。さらに、古典に値する作品は、現代の私たちに読まれることによって、さらに新しい相貌を見せてくれます。そのような文学作品の秘密を知るには、その時代の政治や社会、経済など歴史的背景や文化的遺産の継承関係を明らかにする必要があるほか、芸能や絵画、音楽、映画やマンガなどの表現の諸ジャンルを考察することが必要です。また、作品を解釈する私たち自身の哲学や思想、言語観なども問われてきます。そのような意味で、文学を学び、研究することは、あらゆる学問に通じているといえるのではないでしょうか。退屈する暇はありません。
なお、思考のあり方を鍛えるものとして、福沢諭吉『文明論之概略』を、学問の面白さを知ることができる書物として、岩井克人『経済学の宇宙』、宮崎哲弥・佐々木閑『ごまかさない仏教』を推薦します。

ひとこと(趣味など)

文学はもちろんですが、映画やマンガ、アニメなどさまざまな物語を鑑賞するのが好きです。寺山修司の「田園に死す」、エミール・クストリッツァ監督作品「アンダーグラウンド」がお薦め。音楽ではバッハとショスタコーヴィッチ。休みの日には、京都市内散策や寺社巡りをしています。

内藤 由直教授

研究テーマ

日本近代文学・文化とナショナリズム。戦中戦後の文学論争や同時代作品を主な研究対象とし、日本の近代文学・文化が国家イデオロギーの再生産装置として機能した役割を明らかにする作業に取り組んでいます。あわせて、大正・昭和期のプロレタリア文学運動に内在した組織論の問題を考察し、当時の文学運動を批判的に再検討する研究を行っています。

主な業績

  • 『国民文学のストラテジー プロレタリア文学運動批判の理路と隘路』(双文社出版 2014年)
  • 『戦後史再考 「歴史の裂け目」をとらえる』(西川長夫他編・共著 平凡社 2014年)

日本文学研究の魅力

現在では想像もつかないことですが、かつての日本近代文学は、この国の形を変革しようとする意志と力を備え、実際に国家建設や政治運動に参画し、人々の行動を左右していました。作者も読者も、文学によって自分たちが生きている世界を作り変えられると信じていたのです。一方で文学は、戦争の時代にも大きな力を発揮し、人々を戦地へ向かわせるために利用されたという負の側面も持ち合わせています。
では、文学のどこにそうした力が潜んでいるのか、私たちはなぜ文学によって心や身体を突き動かされるのか。これらの謎は、容易に解き明かすことができません。〝近代〟という私たちが生きている時代に蓄積されてきた作品を読み解きながら、その難問に挑戦することが、日本近代文学研究の面白さであり最大の魅力であると考えています。

ひとこと(趣味など)

図書館の書庫や古書店で本を眺めているときが至福の時間です。古い書物から漂う乾いた紙の匂いに心癒やされます。

中本 大教授

研究テーマ

本邦室町時代の五山禅僧によって生み出された文学的作品を、建築史や美術史などの手法を援用しつつ考察しています。現在、特に関心を抱いているのは中世後期から近世初期に至る京都における禅的景観の変遷についてです。

主な業績

  • 『名庸集 影印と解題』(思文閣出版 2013年)
  • 「『聯珠詩格』は『新選集』の典拠か―『連集良材』所収戴復古「子陵釣台」詩を端緒に―」(「立命館文学」630 2013年)

日本文学研究の魅力

時間を重ねるなかで古典としての価値を認められてきた作品にちりばめられた「ことば」と向き合うことで、 そこにこめられた作者や読者の情熱に思い巡らし、日本人の美意識や価値観を感得する機会を得られることが最大の魅力です。特に作品の生み出された空間「京都」で研究教育できる喜びは格別です。

ひとこと(趣味など)

クラシック音楽、特にドイツロマン派は手放せません。最近はメンデルスゾーンやブルックナーの宗教的声楽曲やリヒャルト・シュトラウスのオペラを中心に聴いているのですが、音楽に集中して作業が滞るのが難点です。

花﨑 育代教授

研究テーマ

日本近代文学

主な業績

  • 『大岡昇平研究』 双文社出版 2003年 (第12回やまなし文学賞(研究・評論部門)受賞)
  • 「大岡昇平――俘虜としての戦中戦後――」 『国語と国文学』第83巻第11号 2006年

日本文学研究の魅力

人には、実は明日のことさえ、確実なことやあらかじめわかっていることなどありません。そのことを最も自覚させてくれる学問分野の一つが、文学研究でしょう。日本語の文字の連なりは、私たちの読みをまっています。精読熟読をすることによって、時代の変化に右往左往しない、多面的な思考力を鍛えることができると考えています。

ひとこと(趣味など)

観劇(歌舞伎など)。
音楽鑑賞(主に1970年代あたりのR&B~SOUL)。SOULに傾倒していったのは、大岡昇平文学に強くひきこまれたのと同じ頃、17歳、高校3年生でした(ちょっと感傷的なもの言いですが)。

藤原 享和教授

研究テーマ

歌謡を中心とする上代文学

主な業績

  • 論文「『古事記』三三番歌『我が置きし 剣の大刀 その大刀はや』考」(『同志社国文学』90号 2019年)
  • 共著『記紀の可能性』(古代文学と隣接諸学シリーズNo10)(2018年 竹林舎)

日本文学研究の魅力

『古事記』の地の文の読みは現在もなお不明な部分が多く確定しないのですが、歌謡部分は一字一音式の万葉仮名表記であるため、1300年余を隔てた現在もほぼ間違いなく上代のやまとことば通りに読むことが出来ます。また、『延喜式』に残された祝詞(のりと)は、荘重なやまとことばを読み誤ることがないように宣命体を用いて記されています。これらの史料によって知ることができる古代のやまとことばの美しさを感じることが古代文学研究の醍醐味と感じています。

ひとこと(趣味など)

クラシック音楽鑑賞(J.S.Bachのオラトリオ、カンタータを好んで聴いております。)
大型フイルムカメラによる風景写真撮影(過去2回個展を開いております。)