教員紹介

宇野木 洋 教授
宇 野 木 洋
(うのき よう)
専門・研究テーマ

 中国の現代文学の研究。特に、同時代中国の文学・文化批評が専門です。中国は今、ものすごい勢いで発展していますが、1970年代後半までは「文化大革命」(略して文革)と呼ばれる混乱状況にありました。文革中までは、単純化すれば文化的「鎖国」状態に近く、一般の人々は日本や欧米の文学を読むこともできないほどだったのです。その中国が、文革後、一挙に「開国」を果たして急激な変貌を遂げていく、その過程(もちろん一本道ではなく紆余曲折がありました)で生じた様々な文学現象が研究対象です。この間は、欧米文学理論・現代思想の受容動向をテーマにしていたのですが、一段落をつけることができたので、今後はもう少し遡って、文革に到る時期の文学状況も探ってみたいと考えています。

自己紹介

 東京生まれの東京育ち。京都に来て四半世紀が経過するのですが、まだ慣れません。(京都は奥が深い!?)趣味は実益も兼ねて読書。乱読ですが、最近は本格ミステリーと時代小説にハマッています。将棋初段で麻雀も大好き。

ひとこと

 中国は文革後に「開国」したのだとすれば、いわば、日本が明治以降140年以上の歳月をかけて歩んだ道筋を、同時代中国は30年余りで歩んでいると言ってよいのかもしれません。ですから矛盾も存在しますし、日本でも生じた問題を極端な形で噴出させることもあるのです。急激な変化の過程を生きてきた中国の文学者たちが、戸惑いながらも思考し表現し続けてきた課題を、彼らと「対話」しながら研究することは、日本の今を考えることでもあります。