植埜 朋予(うえの ともよく)/span>

専攻文学部総合人文学科心理学専攻

留学先高麗大学

留学期間2008年2月末~2009月1月

ソウル
「留学しないの?」

韓国語の授業を担当されていた先生からそう声をかけられ、留学説明会に参加し、書類提出。1回生の夏休み前に1年間の韓国留学が決定して、とても順調でした。ただ1つ心配だったのが、なんと言っても語学力。1回生前期の時点ではハングルが読め、簡単な挨拶が出来る程度。後期でも短い文章が作れるようになった程度で、単語力も少なく、このまま韓国に行って大丈夫なのか?と心配でした。 新学期が始まる1週間ほど前に渡韓し、いよいよオリエンテーションの日。この日は留学生の日常生活をサポートしてくれるバディとの対面の日でもあり、少し緊張しながら会場に向かいました。

バディの方と対面し、名前や年齢などの簡単な自己紹介を無事に終え一安心。するとバディの方から「전공은 뭐에요(チョンゴンウン ムォエヨ)?」
「チョンゴン…??」
私が分からないと反応を示すとすぐに英語で、「What is your major?」
あぁ、専攻を聞いてるのか! 韓国語で専攻は「전공(チョンゴン)」って言うのか!
「Psychology!」
しばらくこのようなやり取りが続きました。

留学前は「相手の言ってることが聴き取れんかったらどうしよう」、「自分の単語力が少なくて話が相手に伝わらんかったらどうしよう」と思っていた私ですが、分からなければ聞けば良いし、英語で言い換えてもらうこともできる。今だってもう「専攻」って言葉を覚えることが出来た!どんどん韓国の友達と話して言葉を覚えていこう!とすぐに気持ちを切り替えることができました。 でも、その後は試練続きでした。寄宿舎の自分の部屋のインターネットがつながらず、毎日変わるフロントのスタッフさんに片言の英語と韓国語で状況を伝え、直してもらうのに約3週間。学生証ができたから取りに来いと言われ国際センターに行けば、生年月日が間違っていて学生証を作り直してもらうように頼むと、「留学生は1度しか発行できない」と断られ・・・最終的には正しい生年月日で学生証を発行してもらえましたが、韓国語が上達していない状態でのやり取りは本当に大変でした。でも、このやり取りのおかげで覚えた言葉もあるので、今では良い思い出になっています。

韓国の街中はと言えば、看板がハングル、車線が日本とは逆ということ以外は、特に違和感はありません。でも、市バスにはたいへん驚きました。バス停に1台とまっていると、その後ろにまたバスが1台…といように次々とバスがやってきます。この時、後ろのバスに乗ろうと、日本の感覚で普通にバス停で待っていると、通り過ぎられてしまいます。韓国では、バス停の周辺に止まった瞬間に(多少バス亭から遠い所でとまっても)、自分からそのバスの近くに行って、「自分は乗るぞ!」と意思表示して乗らなければならないのです。こんな市バスの乗り方にも、1カ月も経てばすぐに慣れました。

韓国の人は日本(日本人)に対して悪いイメージを持っている。そう考えている人も少なくないと思います。確かに、街中で日本語を話していると日本の植民地時代を経験されたであろう年齢の方に嫌味を言われることもありました。しかし、相手の話を真剣に聞き、誠意を持って答えることで日本人に対する見方を変えてくださる方もいます。

逆に、日本に好意的な方もたくさんいます。学校周辺の食堂に通って、そこのおばさんに顔を覚えてもらうと、たくさんサービスをしてくれました。また「今の日韓関係が上手くいけばいい」と笑顔で話して下さるタクシー運転手の方もいました。 このようなことは、日本のテレビニュースなどでは知ることの出来ない一面だと思います。日本ではニュースなどの影響で、韓国(韓国人)に対して様々な先入観がもたれています。しかし、実際に韓国で生活したり、韓国の方と接することで、韓国に対する見方が大きく変わるはずです。今、韓国留学を迷っている人は、先入観を捨ててぜひ自分の目で韓国を見てほしいと思います。

留学したきっかけ

第2外国語として朝鮮語(韓国語)の授業を受けていたのですが、その授業を担当していた先生に「留学しないの?1度説明会だけでも聞いてきたら?」と声をかけられたのがきっかけです。立命館大学の交換留学制度を利用して留学しました。高校生の時に韓国の音楽に興味を持って、大学で韓国語を勉強したいとは思っていましたが、留学までは考えていませんでした。韓国語の先生の言葉が無かったら韓国に行ってなかったかもしれません。

留学先での平均的な1日の生活を教えて下さい。

前期は、留学生用の授業(韓国語会話・リーディング・作文)を中心に受講していました。その授業は全て午後だったので、平日は大体13時~16時半ごろまででした。
後期は、現地の学生に交じって授業を受講していたので、午前中(私の場合は10時半~)から授業がありました。それから午後の授業を受講して、早く終わる日は15時頃、遅く終わる日は19時頃に終わっていました。
授業以外の時間は自由で、友達と遊びに行く日もあれば、寄宿舎にあるスタディールームにこもって勉強する日もありました。

留学で1番楽しかったことは何ですか?

全体を通して授業が楽しかったです。留学生だけが受講している授業では、韓国文化に限らず留学生それぞれの国の文化を知ることが出来ました。また、現地の学生と一緒に受講した授業では、私たち日本人と韓国の友達では同じ問題でも違う角度からとらえることが少なくなかったので意見交換が楽しかったです。

1番美味しかったものは?

試験終了後に友達と食べに行く参鶏湯(サムゲタン)と水原で食べた水原カルビが1番美味しかったです!

留学前と変わったのはどんな点ですか?

韓国語の語学力が伸びたことはもちろんですが、留学生同士の英語のやり取りを見て、英語を話せない私を含めた日本人が情けなく、韓国語だけでなく英語も話せるようになりたい!とこれまで以上の意欲を持つようになりました。また、色んな国の留学生と接することで視野が広くなり、外国の方と接することに違和感が無くなりました。

最後に韓国留学を考えている人に一言

韓国現地で生活することによって、本やテレビドラマ、音楽などでは分からない韓国の良いところ悪いところを知ることができます。それと同時に、日本の良いところや悪いところなど、日本を客観的に見ることのできる良い機会にもなります。「韓国をより深く知る」ことはもちろんですが、自分自身の視野を広げる貴重な機会にもなるので、悩んでいるなら留学することをお勧めします!
また留学するからには、語学や文化を学びに行くということを忘れないでください。同じ留学生でも何も身に付かず帰ってしまう人もいます。そんな留学生にならないように有意義に韓国での時間を過ごしてください!