ゲストスピーカー

2015年12月23日(水)

ベンチャービジネス
佐伯 靖雄 准教授
ゲスト
イーブイ愛知株式会社 代表取締役
伊藤 勝規

中小企業連合の受け皿としてのベンチャービジネス

講義風景1 本講演では、複数の中小企業が集まってひとつの会社を設立し、新事業に進出するまでの経緯と意義、また企業連合体としてのガバナンス上の課題についてお話し頂いた。伊藤社長からのメッセージは、「人のためになる仕事をする」ということの大切さであった。また、一国一城の主が集まってビジネスを行う同社の場合、「来る者拒まず、去る者追わず」というスタンスが組織運営上重要であることが明らかになった。組織のガバナンスにおいては、厳しい規範を奉じるよりも、ビジネスそのものの面白さを追求し、それによって訴求すべきとのことである。

 いっぽうで、「人のためになること」や「面白さ」だけでは企業は成立しえないことも事実である。イーブイ愛知では、同社単体としての収益ではなく、メンバーの本業に仕事が流れるような仕組み作りがなされていた。つまり、イーブイ愛知という企業連合体がさまざまな窓口になり、外部との折衝にあたり、実際の技術開発や製品開発、製造や品質管理はそれぞれを得意とするメンバー企業に任せるというビジネスモデルである。全国には同様のビジネスモデルを採用する企業連合体はほかにも存在するものの、イーブイ愛知のように求心力を維持できている事例はそう多くない。もっともそれは、伊藤社長をはじめとする経営幹部のたぐいまれなリーダーシップはもちろんのこと、受注ビジネスという待ちの姿勢ではなく、同社のように外に出て行って新しく仕事を生み出すというマーケティング志向の強い戦略によって説明することができよう。