ゲストスピーカー

2016年1月15日(金)

オーナーシップ
濱田 初美 教授
ゲスト
東和薬品株式会社 代表取締役社長
吉田 逸郎

ジェネリック医薬品企業の経営

講義風景1  立命館大学経営大学院(RBS)は、東和薬品㈱の吉田逸郎氏を招聘し、オーナーシップの特別講義を行った。吉田氏は1979年に東和薬品㈱入社、1983年に取締役、1990年に専務を経て1996年に代表取締役社長に就任されている。当日の講義内容を、出席した院生のレポートより紹介する。

 1月15日、ジェネリック医薬品の製造・販売事業を展開されている東和薬品株式会社の吉田社長のご高話を拝聴した。この日を境に私のジェネリック医薬品に対する印象が180°変わった。

ジェネリック医薬品の使命、東和薬品の使命
 医薬品業界に対する知識が薄く、失礼ながらこれまでの印象は、「新薬=ちゃんと開発されたもの」「ジェネリック医薬品=開発費をかけずに安く作られたもの」ということだけであった。しかし、ジェネリック医薬品/企業が置かれている状況は、そのような簡単なものではなかった。国策「医療費の削減」に対する国からのプレッシャー(品質・生産体制増強)、医薬品業界への挑戦(販売ルートや商習慣)、競合との競争という四面楚歌の状況であった。ただ、そのような事業環境でありながらも、「会社の存在意義は社会から評価されること」を実行するために一新された企業理念の下で、ジェネリック医薬品を通して社会貢献されている企業だった。

 しかし、「2000年以前は、ジェネリック医薬品自体が評価されない時代だった」というご説明から、現在とは質の異なる大変なご苦労があったと容易に推測できた。インターネットからの情報でも価格競争が非常に熾烈であった様子を知ることができ、それについての質問をさせていただいた。(社長に就任された後)シェアNo.1の座を失っても、またそれに固執することなく、東和薬品としてやるべきことを実行し、進むべき道に舵を切ったとお答えになった。そこでの方向転換があったからこそ、現在でも東和薬品やジェネリック医薬品業界自体が存続し、さらには直販体制、原薬の内製化、OD錠化などの付加価値の追及などの業界をリードするイノベーションに繋がっていた。

講義風景1 東和薬品の未来
 最後に海外展開についてのお考えもお伺いすることができた。その中、「自社の製品は、自社で作るべき」と「地産地消」という方針に、先の「会社の存在意義は社会から評価されること」という信念の強さを再認識し、東和薬品を中心とした多くのステークホルダーの笑顔の輪が世界へ広がっていくと感じた。今回は時間がなくご質問することができなかったが、そこで重要なポイント/決定事項のひとつとは、後継者へのバトンタッチとなるのであろう。今後の東和薬品に注目していきたい。(K・M)