ゲストスピーカー

2014年11月13日(木)

経営政策
濱田 初美 教授
ゲスト
ソニー(株) 業務執行役員SVP
上田 康弘

イメージセンサの強さと将来像 -人を感動させる創造価値を目指して-

 立命館大学経営大学院(RBS)は、京都朱雀キャンパスにて、経営政策(担当:濱田初美教授)の講義に、ソニー㈱の上田康弘 氏を招聘し特別講義を実施した。
 上田氏はソニー入社以来、一貫し半導体畑を歩んでこられた。近年、ソニーは無配転落する等、凋落は著しいものの、イメージセンサはスマートフォン向けやデジカメ用途等で世界トップのシェアを誇る。2001年から事業部長として体育会系のノリで辣腕を振るわれている結果である。現在、ビジネス的には拡大期にあり、1兆円が射程に入っている。
スマホ等の民生用だけでなく、内視鏡等の医療用、監視カメラや車載等に拡大している。

 IoT(Internet  of  Things)の拡がりによりアンビエントな社会が出現しようとしており、センサ需要が益々伸長している。現在、月約1億個のイメージセンサビジネスをしている。ソニーは主力商品に裏面照射やセンサとロジックをスタック構造にするという画期的な構造を採用している。生産キャパシティ確保のために、熊本や長崎等の既存工場への投資だけでなく、ルネサスの山形鶴岡工場を買収(従業員も雇用、地域貢献)し、能力を拡大中である。

 経営者は、腑に落ちるビジョンを語るべきだ。ビジョンがあれば、道に迷うことはない。
娘が歩き始めた頃の写真をみる度に、センサの飽くなきスペックの進化向上を目指す所以がある。センサで豊かな社会の実現に貢献したいと考えている。
 スマホ用センサもデジカメ用センサも社内セットとは競合関係にあるが、市場をリードしているメーカーとは戦略的パートナーの関係にある。今後は車載用にも展開していく。事業部で設計開発し工場で生産するのみではなく、工場サイドでも開発行為を行っている。アライアンス先の富士通三重工場とも良い関係にある。
 ソニーのセンサ事業の強みは、撮像管から個体撮像素子(CCD)への転換、更にはCMOSセンサへの切り替え、裏面照射型からスタック型への進化等々、弛まない破壊的イノベーションを自ら実施してきた結果だ。単位面積当たりのセンサ感度は10年で10倍となった。実はCMOSセンサ事業で利益が出るまでに10年もかかっている。
 現在、ソニーのセンサは1億画素の時代に入り、波長域や高速性能など人間の五感を超えるセンシングワールド、未病対策等、2025年迄の世界が見えている。イノベーションは、冷静な頭脳からは生まれない。『ビジョンとパッションが必要だ。夢を共有する仲間をつくれ、はじけろ、枠に囚われるな、自分の目標を持て! 小枝に縛られた像になるな!』と締めくくられた。

以 上

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