ゲストスピーカー

2015年5月15日(金)

競争戦略
濱田 初美 教授
ゲスト
サイバーアイ・エンタテインメント株式会社 代表取締役社長
久夛良木 健

PlayStation 誕生20年目の“Computer Entertainment”

 立命館大学経営大学院(RBS)は、「プレイステーションの父」久夛良木健氏を招聘し、競争戦略の特別講義を行った。同氏は㈱ソニーコンピュータ・エンタテインメントにて、僅か8年で売上高1兆円の事業を立ち上げられた。現在、ベンチャービジネスに注力される一方、楽天などの社外取締役をされている。当日の様子を院生のレポートより紹介する。

講義風景1  新事業のダイナミックさが伝わる情熱溢れる語り口と冷静な決断・判断のコントラストが印象的であった。加えて、講義内容で心に残ったことは以下の3点である。

【夢への情熱】
 “新しいエンターテイメントのドメインを作りたい”、“ひとつの新しいジャンルを作りたい”、“新しい産業を作りたい”という情熱的な言葉で語られた久夛良木先生の夢は、ゲームという既存の枠をはるかに超える壮大なものになったと感じた。その夢への情熱が、優秀なクリエイター達を魅了し、世界・老若男女に支持されるPlay Stationの誕生の原動力になったのだと思う。

【ポジティブさ】
 ソニーがゲーム事業に進出する際、大変風当たりが厳しかったとのことであったが、ネガティブな意見に囚われることなく、具体的な行動と結果で、周囲を納得させていかれたのであろう。特に、ポジティブ・キャッシュ・フローで事業を回していかれたとのお話は、久夛良木先生ならでは行動力とポジティブさが窺えるエピソードであった。そして、講義全体を通じて、“ものの見方”がポジティブで、物事に対し肯定的に向き合うことが、好奇心を維持し、いい流れを生むのだと思った。

【己】
 日本はゲーム大国だと思っていたが、既に世界ではその存在感を失っていることを初めて知った。また、国内のゲームは“ゲームは子どもがやるもの”という認識から抜け出していないカジュアルゲームが主流であるのとは対照的に、一種の作品でもあり、レスペクトさえ感じさせる海外発のゲームとの違いにショックを受けた。これは文化的な背景の違いもあるだろうが、皆と一緒であることのほうが心地よいと思い込む集団意識が日本では働きやすいため、考えないで決められる選択肢が好まれるからではないかと久夛良木先生の話を聞いていて思った。自己責任の希薄さに危機感を覚えた。
 異業種の第一人者のお話だからこその気づきがあった。有難うございました。(A・K)

講義風景1  大半の院生から活発な質問が相次ぎ、興奮さめやらぬうちに講義は終了した。終了後、久夛良木先生を囲んだ懇親会においても活発な意見交換が行われた。