ゲストスピーカー

2015年7月18日(土)

コーポレートファイナンス
三好 秀和 教授
ゲスト
ジェイ・ユーラス・アイアール株式会社
岩田 宜子

IRとコーポレートガバナンス・コード

講義風景1 岩田氏は大学卒業後、外資系金融機関でキャリアを積まれ92年からIR(企業による投資家への情報提供活動)業界に転進、米系IR会社でキャリアを積まれたあと独立し、現在は、日本企業のガバナンス・IR活動を支援するコンサルティング会社の代表取締役を務める。少数精鋭、顧客少数主義、ボーダレスIR、コーポレートガバナンスの分野で日本企業のIRを支援されているプロフェッショナルである。 3時間の授業の中、前半は受講生のプレゼンテーションへのコメント、後半はIRの現状と展望について講義をしていただいた。

 この授業の中で受講生はコーポレートファイナンスの全般的知識を学んでいるが、全体を通してのテーマは企業価値の向上策である。その中でこの回はIRに焦点を置いたレポート課題を課した。分析対象企業を選定しROICツリー分析など財務面から検証、そして、経営者のIR活動とこれまでの業績の関係性を確認した。さらに、証券市場(投資家)がその企業をどのように評価しているかを投資家目線で判断した。そして、IRの改善案の提示がレポート課題である。これまでの講義の中で事業再編、事業構築の方法を講義してきた。講義で学んだリストラクチャリングやM&Aなどを投資家目線でどのように伝えるかがポイントである。

 実は、IRは旬なテーマである。平成25年12月にはスチュワード・コード、平成27年3月コーポレートガバナンス・コードの指針・原案が金融庁・東証が事務局として有識者会議で議論された。本年度は実装元年である。前者は機関投資家の企業へのかかわりの中で企業の持続的な成長を促進するための指針であり、後者は企業自身が持続的な成長と中長期的な企業価値向上のための方策を示している。どちらも、その背景にはアベノミクスでの「日本経済再生」つまり「成長戦略」の1つである。

 受講生は緊張の中、IRのプロフェッショナルの前でプレゼンをおこない貴重なコメントを得た。そして、IR全般の講演とともに、企業の取り巻く環境の変化を肌で触れることができたと思う。IR活動は重要であり、そのベースにはファイナンスの知見と技術がある。ファイナンスは世界共通言語である。受講生からはIRの重要性、根底にあるロジックが明確に理解できたとの感想が寄せられた。また、質問が多数あり好評のもと講義は終了した。