立命館大学国際平和ミュージアム開設10周年記念特別展
REQUIEM-インドシナ写真展
戦場に散ったフォトジャーナリストたちの記録

展示会趣旨

フランスのインドシナ(ラオス・カンボジア・ベトナム)戦争がはじまった1946年から、アメリカが介入したベトナム戦争が完全に終結した1975年のサイゴン陥落までのあいだに、この地での報道カメラマン135名の死亡あるいは行方不明が確認されています。ベトナム報道のなかで負傷した二人のカメラマン、ホースト・ファースとティム・ペイジは、これら殉職者たちが遺した数千点におよぶ写真を鎮魂の意味をこめて収集しました。そこにはロバート・キャパ、ラリー・バローズなど今世紀を代表するフォトジャーナリストのほか、北ベトナム(当時)や、南ベトナム解放民族戦線で戦ったベトナム人の写真も紹介されています。さらに、日本人としてピュリツァー賞を受賞した沢田教一をはじめ、愛用のカメラに銃弾を受けながらも取材をつづけた一ノ瀬泰造、峯弘道、嶋元啓三郎などの作品もあります。
戦争報道カメラマンは、現場の目撃者として戦闘の最前線に立ち、レンズをとおして真実をつたえることを使命とします。そのことは時として兵士以上に危険に身をさらすことを意味しています。戦場という極限状態のなかで、人間の生と死を追いつづけ、戦争とは何なのかを問いつづけたカメラマン―かれらがみずからの生命と引きかえに写し撮った戦争の真実、それがこの写真展です。現在も世界各地で戦争はつづいており、この写真がとらえた「戦争の真実」は繰り返されているのです。「今」を生き、「明日」をになう若者たちに、戦場に散ったフォトジャーナリストのメッセージを受けとってほしいと思います。
(本特別展開催に合わせて、読売新聞社カメラマンが撮影したアフガニスタンの写真も数点展示する予定です)

会 場 立命館大学国際平和ミュージアム 中野記念ホール
会 期 2002年5月16日(木)~6月13日(木) ※月曜休館
開館時間 9時30分~16時30分(入場は16時まで)
主 催 立命館大学国際平和ミュージアム
All photographs by courtesy of Indochina Photo Requiem Project
参観者 9,022人

特別展記念シンポジウム

テーマ 「現代の戦争とジャーナリズム」
会 場 立命館大学衣笠キャンパス 以学館1号
日 時 2002年5月22日(水)13時~16時
報告者 大空 博(立命館大学国際関係学部教授)
奥西義和(読売新聞社写真部記者)
石井利尚(読売新聞社国際部記者)
小島 敦(読売新聞社調査研究本部長)
司 会 安斎育郎(立命館大学国際平和ミュージアム館長)
主 催 立命館大学国際平和ミュージアム
共 催 読売新聞社
参加者 約1,300人

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