第2回メディア資料研究会を開催しました!!

2016年7月30日(土)、第2回メディア資料研究会を開催しました!!

第2回 メディア資料研究会

 

 2016年7月30日(土)、第2回メディア資料研究会を開催しました。第2回となる今回の研究会では、2015年に当館に寄贈された「大槻隆資料」(全494点、寄贈者番匠ますみ氏)について、資料の調査および調査に携わった報告者から、大槻隆氏の生涯と、この資料群の概要や特長について詳細な報告がなされました。
 大槻隆氏は、1922年生まれで、立命館大学在学中に学徒出陣で陸軍に入営し、1945年に上官命令でアメリカ兵捕虜の処刑に関わったことで(油山事件)、戦後、BC級戦犯として巣鴨プリズンで長期服役をした人物です。巣鴨プリズンの収監囚人の中では若い世代であり、英語が堪能なことから通訳をし、荒木貞夫や岸信介などと交流を持っていました。また、歌集や巣鴨新聞などプリズン内での文化活動にも従事していました。大槻隆資料には、極東軍事裁判に関わるメモや裁判資料、プリズン内の様子や文化活動の実態を伝える巣鴨新聞や写真、釈放後も続いた荒木などとの交流の様子を伝える書簡、BC級戦犯の手記やそれをもとにしたシナリオなどが含まれており、それぞれの資料の注目すべき点や、今後研究で明らかに出来そうな論点などが詳細に報告されました。また、報告の後にはこれら資料の閲覧が行われました。
 最後に質疑応答と意見交換が行われ、釈放後は郷里で教師となった大槻氏の戦争観や地域社会におけるBC級戦犯の受け止め方、これら資料が残された経緯や意図をはじめ、今後、この資料に関する調査を進めることで極東軍事裁判およびその周辺研究としてはこれまであまり追及されてこなかった課題の展開の可能性があることが示唆されました。

第2回メディア資料研究会

日時:2016年7月30日(土) 17:00~19:00
場所:立命館大学国際平和ミュージアム 国際平和メディア資料室
参加者:15名(報告者1名、教員1名、院生6名、学部生2名、その他2名、学芸員3名)
報告者:白木正俊(京都大学大学院文学研究科)
報告題目:「『大槻隆資料』について」

 

研究会の様子   大槻隆資料を閲覧する参加者(1)   大槻隆資料を閲覧する参加者(2)

▲研究会の様子

 

▲大槻隆資料を閲覧する参加者(1)

 

▲大槻隆資料を閲覧する参加者(2)


 


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