6月23日(金)、第5回メディア資料研究会を開催しました!!

6月23日(金)、第5回メディア資料研究会を開催しました!!

第5回メディア資料研究会の様子

 

 2017年6月23日(金)、第5回メディア資料研究会を開催いたしました。今回は、大正期から昭和にかけての西脇家資料について、「西脇家資料ー家族史・女性史として」と題して、同志社大学 奄美・琉球・沖縄研究センター および、本学 生存学研究センター客員研究員の番匠健一先生にご報告いただきました。
 当館に収蔵されている西脇家資料は、ヨーロッパに留学してドイツで醸造科学を学んだのち大阪醸造学会(日本生物工学会)を設立した西脇安吉と、教育者として常磐会の中心人物となった西脇りかを中心としたものです。西脇家は当時としては恵まれた層でした。家族写真が映る自宅は、中産階級の住む文化住宅であり、洋間が付いている様子が外観からもわかります。夫妻ともに語学に堪能で高いキャリアを持ち、世界的な流れの中での活動を行っていました。安吉のヨーロッパ留学中の日記には、当時の日本の知識人の視点で捉えたヨーロッパの情勢が綴られています。りかは関西の女子教育や婦人運動に関わり、キリスト教徒でもあったことから、戦後はGHQの指示で教育委員を務めていました。
 本報告では、資料群の中心となる、安吉の日記やりかの写真や書簡が、ドイツ醸造科学と大日本帝國の関係、大正期の関西における婦人文化運動と女子教育、さらに戦後の教育のつながりなどを浮かび上がらせる資料としての研究が期待できる可能性が示されました。また、この資料の存在は、番匠先生等が安吉・りかの次男である西脇安(ビキニ環礁の水爆実験により被曝した第五福竜丸の放射線を測定した科学者としてその姿がよく知られている)の資料調査に関わる中で浮かび上がったものですが、安のことと共に、面識のない安吉・りかについても生き生きと語り、資料について説明した安婦人の榮さんの語りに、従来とは異なる家族というフレームの語り方、考え方を感じたと話された番匠先生の言葉も印象に残りました。

 

 

第5回メディア資料研究会

日時:2017年6月23日(金) 17:00~19:00
場所:立命館大学国際平和ミュージアム 国際平和メディア資料室
参加者:11名(報告者1名、教員3名、院生1名、学芸員3名、職員2名、他1名)
報告者:番匠健一(同志社大学 奄美・琉球・沖縄研究センター、本学 生存学研究センター客員研究員)
報告題目:「西脇家資料ー家族史・女性史として」


報告をする番匠氏   西脇家資料を閲覧する参加者

▲報告をする番匠氏

 

▲西脇家資料を閲覧する参加者


 

 

 


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