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【親子対談】親子で語る、仕事そして人生。

就職活動を経験した子と、それを見守り、支えた両親。子どもの就職活動について、親子はどう取り組めばいいのか。希望の進路を実現した立命館大学生の家族の体験談を、みなさんのご家庭でも話し合うきっかけにしてください。子/植松亜樹子さん 経営学部4回生(自動車メーカー内定) 父/啓(あきら)さん 母/菜保子さん

――亜樹子さんは就職活動をどんな風に進めていきましたか?

最初に興味を持ったのは食品業界やトイレタリー製品の業界でした。そのきっかけとなったのは、大学を1年間休学し、マレーシアへ留学したことです。イスラム教を信仰する人たちが食べる「ハラルフード」のことや、現地の衛生状況について感じたことなど、マレーシアで体験したり考えたことの中から関心を広げていったのです。ただ、いろいろと調べていくうちに、自分が本当にこの業界に進みたいのか自信が持てなくなってしまって。両親から「一部だけじゃなく、たくさんの業界を見た方がいいんじゃない?」と言われたこともあり、私が一番好きなものは何かを考えた時に思い浮かんだのが、小さい頃から好きだった車でした。そうするとまたマレーシアでの記憶が甦ってきたんです。留学前の試験のために訪れた時はまだ旧型の車が多かったのに、それから3ヶ月後に留学を始めた時には、日本のメーカーが現地メーカーとコラボレーションして開発した車が大ヒットしていたんです。新しい環境に大きく変わった様子を見て、「日本の自動車業界の影響力って大きいんだな」と実感しました。もしかしたら、私もこんな風に世界に対して影響を与える仕事に携わることができるかもしれない。そう思って自動車業界に焦点を当てることにしたんです。

娘から話を聞くと主人に伝えて、「これで良かったかな?」と確認し合うようにしていました。(母・菜保子さん)

――就職活動の最中は親子の間ではどんなやり取りをしていたのですか?

最初のうちはこちらが「どうなの?」と聞いても、「大丈夫だよ」とか「食品業界を見ている」といった返事がぽろぽろと返ってくるような感じでしたね。
就職活動はマレーシアからの帰国後、3回生の後期から始めたのですが、最初の頃は私自身もまだ軽い気持ちで考えていたので。
留学のこともあり、マレーシアの企業や海外の動きと日本企業の兼ね合いも頭に入れておいた方がいいかもしれないね、なんて言っていたのですが。
最初はどうするべきか、なかなか踏ん切りがつかないようでしたね。
始まったばかりの頃は、説明会やセミナーに参加するだけでよかったので気軽だったんですが、面接が始まると最初はうまくいかず、落ち込むことも多かったです。
最初は一次面接で落ちてしまうことが続いたんだよね。
そんな時、家に帰ると母にはよく話を聞いてもらっていましたね。「面接でこういう風に話したけど、うまく伝わらなかった」とか、小まめに話をしていました。
そうそう。帰ってきて、お茶を飲みながらよく話を聞きました。それが本人が一番話したいタイミングだと思ったので。そういう話を聞くと、私は主人に伝えて、「こういう風にアドバイスをしたんだけど、それで良かったかな?」と確認し合うようにしていました。
それで、食事で顔を合わせた時にまた家族で話し合ったり。
そう言えば、一度エントリーシートの添削もしたね。
最初だけなんですが、本当に何を書けばいいのかわからなくて。大学のキャリアセンターも利用していたのですが、最初は他人に見せるのが恥ずかしくて。それで親なら間違いがあってもちゃんと言ってくれると思い、父親に見てもらうことにしたんです。それである程度内容が固まってから、キャリアセンターや大学の先輩たちにも見てもらうことにしたんです。友達に相談すると言っても、友達も就職活動をしているので、話したいけど気を使ってなかなか話せません。自分がうまくいっていない時に、友達が進んでいるという話を聞いて落ち込んでしまうこともありました。でも、両親なら何でも言えるし、失敗したことも正直に話せるので、その意味では本当に大きかったですね。「自分のテンポで頑張りなさい」と言ってくれたし、朝出かける時も「行ってらっしゃい。頑張ってね」と送り出してくれました。

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両親なら失敗も正直に話せるので、その意味では本当に大きな存在でしたね。(娘・亜樹子さん)

――今年は就職活動のスケジュールが変更されましたが、そのために苦労したことはありましたか?

授業も出ないといけないし、就職活動もしないといけないということで大変そうでしたね。
就職活動の時期と大学の授業や試験が重なってしまって。朝学校に行って、就職活動があって、また学校へ行ってから家に帰るという日もけっこうありました。
スケジュールの変更はニュースや新聞で見聞きしていたので、親としても心配はありました。面接や内定出しの日程にばらつきが出た場合、企業がどう動くのか予想ができませんでしたから。娘が本当に行きたいところに行けるのかなという戸惑いはありましたね。

――就職活動中、亜樹子さんへの接し方について、ご両親が心がけていたことはありますか?

なるべく幅広く考えられるように心がけていましたね。「食品業界だけを見ているのは少し視野が狭いんじゃないの」と言ったり、自動車業界に興味を持ち始めた時も、車体メーカーだけがすべてではなく、関連する企業はたくさんあることを伝えたり。
そうですね。あとは私たちだけの意見ではなく、大学の先生や先輩などいろいろな人に情報を聞いたり、自分の思っていることを聞いてもらってはどうかと勧めたこともありました。
ただ、絶対にこういう企業でないといけないというようなことは言いませんでした。一番大事なのは、やりがいを感じる仕事を見つけられるかどうかですから。
長女が就職した時も、「ここへ行きたい」という気持ちを持って、自分で決意していましたから、亜樹子もそういう企業とめぐり会えたらいいなと思っていました。就職活動中は大丈夫かなと心配になることも多かったですが、親が不安になると本人も余計に不安になってしまいますから。なるべく明るく接するようにして、「あなたに来てほしい会社がちゃんとあるはずだから」と声をかけていました。それに、就職活動を通して、すごく成長しているなと感じられたんです。企業の方とのやり取りの中で育ててもらっているんだなと思いました。
そうそう。今までそんな考え方をしていなかったのに、視野が広くなったなと思うことがありましたね。就職活動の期間中に見違えるように成長した気がします。

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一番大事なのは、やりがいを感じる仕事を見つけられるかどうかですから。(父・啓さん)

――いよいよ来年4月からは社会人として歩み始める亜樹子さんにメッセージをお願いします。

社会に出れば苦労することはいくらでもあって、若いうちは乗り越えないといけないことがたくさんあります。それにへこたれずに、仕事をしっかり覚えて、社会人として生きる力を身につけてもらいたいですね。やっぱり大学生と社会人は違いますから、社会人として成長してほしい。また、海外留学の経験もあるんだし、海外に拠点を持っている企業でもありますから、日本だけではなく一度くらいは海外で働いてみてもいいんじゃないかなとも思いますね。
大学時代も先生方との出会いの中ですごく助けていただきましたし、就職活動でも先輩たちと接する中で成長したように感じます。就職してからも、会社の方々との出会いを大事にして、大きく成長してほしいですね。
勤務地は東京か愛知県になるので、何かあっても就職活動の時のように両親を頼ることはできません。その点は不安ですが、今までにない出会いもあるでしょうし、正直に言うと今は楽しみに思う気持ちが大きいです。
今までずっと一緒でしたからね。家から旅立って、一人で生活する力も身につけられるよう頑張ってほしいですね。

――最後に、立命館大学や後輩やそのご両親へのメッセージをお願いします。

就職活動を通して、両親は私が考えている以上に心配してくれていることに気づきました。気が重いこともありましたが、振り返ると自分がしんどい立場になった時に一番頼れる存在だったなと今では実感しています。つらいことがあったら誰かに聞いてもらう方がいいと思うので、そんな時は頼れるだけ頼っても、きっと受け止めてくれるはずです。だから、どんな些細なことでも両親には打ち明けた方がいいんだろうなと思います。
思っていることを吐き出すと気分もすっきりしますからね。親の方から「どうなの?」と尋ねるばかりではなく、子どもの言いたいことを聞いてあげるのが大事だと思います。
そう。親が一方的に言っているだけでは、なかなか聞く耳を持ってもらえません。
最初は何をしているのかがわからないからいろいろと質問をするのですが、何を言っても跳ね返されてしまいます。きっと娘自身もどう動いていいのかまだわかっていなかったんでしょうね。でも、そういう時期もあっていいと思うんです。反発することもあっていいと思うし、ただし何かあった時には受け止めて聞いてあげる。それが大事だと感じます。

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親から尋ねるばかりでなく、子供の言いたいことを聞いてあげるのが大事だと思います。(母・泰子さん)

《親から見た子》
小さい頃からあまり自分から前に出て行くタイプではなく、恥ずかしがり屋で引っ込み思案な性格でしたね。その分、周りの状況をすごくよく観察していて、自分が何をすればいいのか考えてから行動する。就職活動でも、じっくり構えていろいろな情報を仕入れて準備し、行動に移していました。

《子から見た親》
父はいざという時に頼りになるタイプ。母には気楽に何でも話すことができます。いつも夫婦で仲がよく、二人が楽しそうにコミュニケーションをとっている様子を見て、私も自然と話をしたくなる。そういう雰囲気を作ってくれているのかなと思います。

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