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月1 REPORT May 2014 キャリアデザインのための
学部の取り組み① 国際関係学部 国際関係学部 副学部長/教授 中川涼司, キャリアオフィス(衣笠)渡辺由季子

国際関係学部がめざす人物像。

中川
国際関係学部では、国際社会の中で多様な価値観を理解しながら活躍できる人材の育成を教学の理念として掲げています。そのためには、語学力を身に付けることはもちろん、国際的な政治・経済・文化・法律などをオールマイティに学んでいくことが必要です。
卒業後に想定される進路としては、JICA(国際協力機構)やJETRO(日本貿易振興機構)といった国際機関が挙げられます。ただし、グローバル化する現代にあっては、どんな企業でも海外勤務が当たり前になってきていますので、その中で活躍できる人材を育成することを目指しています。結果的には国内で働いているケースもありますが、海外で活躍することを常に意識するようにしていますし、そのつもりで入学してくる学生が多いですね。

「課題解決」が学びの基本姿勢。

中川
最近よく耳にするPBL(project-based learning/課題解決型学習)ですが、国際関係学部の授業はPBLになっているものが多いんです。例えば2回生の「グローバル・シミュレーション・ゲーミング」では、食糧問題や環境問題などの課題を設定し、アメリカ・日本・国際連合といったアクターに分かれて議論をし、解決方法を見出します。
学部内で開かれるゼミナール大会もかなり盛り上がります。1回生では基礎演習のゼミナール大会、また3回生を中心に「国際関係学部オープンゼミナール」があり、自分たちでテーマを決めて発表してもらいます。学生は、単に本を読むだけではなく、企業や他大学の先生のところへ取材に行って一生懸命準備をします。発表の最後は政策提言で締めるのがパターンになっていて、これもやはり課題解決型になっています。国際関係学部には常に考えて行動する特徴がありますね。
「オープンゼミナール」も、単なる発表会ではなく、本選には企業の人事部の方などを招き、就職活動の一環としての意味も持たせています。その他にも講演会などを常に開催していますので、いつでもインスパイアされるものに触れる機会があります。

企業と連携したキャリア教育。

中川
キャリア教育にはいろいろなレベルがありますが、国際関係学部では学生たちに刺激を与えるところに力を入れています。具体的な科目としては「キャリアデザイン」「プロフェッショナルワークショップ」がそれに当たります。
「プロフェッショナルワークショップ」は公務・国際協力、ビジネス、ジャーナリズムの3つに分けて開講し、それぞれの分野で活躍している実務家をゲスト講師として招きます。学生たちにロールモデルを提示することで、将来を考える時に役立ててもらいたいと思っています。
ただ、刺激を与えるとは言っても、即座に「就活を始めろ」という意味のものではありません。とにかく「早く企業研究したらいい」とか、「エントリーシートの書き方を勉強すべき」とか、そんな話ではないんです。あくまでも実際に活躍する人たちの働き方を目標に置きながら、自分を磨いてほしいというのが基本的なスタンスです。

よく学ぶことが、キャリアにつながる。

中川
26年間、大学の教員をやっていますが、自分が送り出した学生を見ると、狭い意味での就活対策にしゃかりきになっている学生が、必ずしもいい企業に採用されるわけではありません。
業種や職種によって違うかもしれませんが、日本の雇用形態は長期的なケースが多く、そうなると学生が今どんな知識を持っているかはあまり関係ないんです。企業側の教育システムがすごくしっかりしているので、少しインテリジェンスがあれば、1年間くらい鍛えれば基本的な知識はすぐに身に付くと考えているのです。
ですから、会社や業界の知識よりも、国際社会に対して深い理解を持っているかどうかを企業は評価します。その意味では、学部の勉強とキャリアはかけ離れているのではなく、国際関係をしっかり学ぶことが就職にもつながると思っています。
国際関係学部の学生は、ほんとうに真面目に「世界の貧困をどうしよう?」といったことを考えて入ってきます。もちろん、そんなに簡単に解決しないことがわかり、就職としては一般企業になったりもするわけですが。ただ、根本的なところにおいてはそういう「誰かのために」という思いが大事なんだと思います。それが就職にもつながっていくはずです。
渡辺
内定者に話を聞いていると、国際関係学部で学ぶ中で、「世界にはこれだけの課題があるんだ」ということを知り、そして働く上で、日本を含めて、世界中の何かしらの課題を解決したいという志をもつようになったと言います。企業は必ず何かしらの課題を解決するために存在しているわけですから、学びの中で芽生えたそういう志は、どんな企業にも届く可能性があるはずです。
国際関係学部は、総合商社やグローバルメーカーなどへの就職に大きな特徴があります。そうした企業へ入る学生は、学びの中で国際協力・国際開発・途上国支援といった分野に興味を持ち、ビジネスでその問題を解決したいという思いを持っていることが多いです。就職活動のテクニック以上に、目の前の教学を一生懸命頑張っていくと、その先のキャリアにきちんとつながっていっていると感じますね。

キャリアセンターと連携し、学生をサポート。

渡辺
2010年度から、授業をつくる前の段階で国際関係学部の先生と話し、連携するようになりました。国際関係学部のキャリア科目は日本語で4つ、英語で1つ開講されています。キャリアセンターでは、その授業に協力してくださる卒業生や企業の方を呼んでくるところでお手伝いをしています。また科目によっては、採用市場の現状をふまえて、こういう人を紹介すると学生により響くのではといった提案をすることもあります。
「プロフェッショナルワークショップ」には国際機関などを目指す公務という分野があります。これについては、国際関係学部に限らず、他学部でもそういう分野に興味のある学生のために、授業の一部を撮影し、キャリアセンターのウェブサイトから動画を配信しています。学部内だけでなく、全学で共有できるようなものはしていこうという取り組みで、一人でもそういう分野を志す学生が増えればいいなと思います。

親の役割は、励まし、見守ること。

中川
今の就活は気軽にエントリーができるので、学生はたくさんエントリーし、一方、企業の側はバサッと切っていきます。そんな中で、「残念ながら採用されませんでした。今後のご活躍をお祈りします」という「お祈りメール」が何通も届くようになると、だんだんめげてきて、自己否定されたような気分になるんです。ご両親にはそんな時に、「そうじゃないよ」「単なる出会いの問題で、たまたまマッチングできなかっただけなんだ」と、励ましてあげてほしいですね。
学生はやっぱり悩んでいます。内定をもらうまでも悩みますが、もらってからも悩む。その時に「ここは良い」とか「そこはダメ」とか、頭ごなしに決めつけるのはやめてほしい。「自分はどういう生き方をしたいのか?」「それに照らすとその会社はどうなのか?」「それをよく考えてごらん」。そういう形で、子どもの気持ちになってあげてほしい。
子どもたちは親の意見を聞きたいと思っているはずなんです。やっぱり人生の先輩ですから。ただ、そこでいきなり「ダメ」とかではなく、親がどういう印象を持つのかということを聞きたいと思っているはずなので、それに対しては積極的にアドバイスをしてほしいと思います。
渡辺
大学にはいろいろな要素があります。授業にしても課外にしても、なんでもいいので、一生懸命取り組むことが成長につながり、その先のキャリアにもつながります。就職活動は、それまでの学生生活の延長線上にあるものですから、就職活動そのものへのサポートやアドバイス以上に、人生の先輩として、「大学生活を充実させることで成長すること、そしてそれこそが未来を創っていく」という長期的な視点にたち、サポートをしていただければと思います。

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