主庭は、相阿弥の作と伝えられる池泉回廊式。まず殿舎から庭を眺めた一同は、青いライトに浮かび上がった幽玄な景色に息を呑みました。小御所や華頂殿を見学し、庭へ。ろうそくの燃えるほのかな匂い、庭園内を流れる水の音を感じながら、「霧島の庭」や龍心池、竹林が光に照らし出される中を散策しました。
しかし『古都』においては、「室町」に生きる千重子と「北山」に生きる苗子の暮し向きの違いは歴然としています。作品を通して語られるのは、そうしたものを甘んじて受け入れようとする人々の「『分』をわきまえた美しさ」。こうした京都における産業と人・土地とが分かちがたく結びついたくらしについて考えながら、『古都』を読み直してみてください。
昼食後は疎水沿いを歩いて平安神宮へ。平安京を8分の5に縮小して復元された平安神宮の歴史的な背景について三枝先生の解説を聞いた後は、社殿の周囲を巡る神苑を散策。色づき始めた木々の間を歩き、尚美館や泰平閣の美しい姿に見入りました。泰平閣は、作中千重子が桜を見ながら渡る場面に登場します。渡り廊下に腰掛け、物語に思いを馳せるご父母の姿も見られました。
旅の最後は町家を改装したカフェ「たま妓」で一服。『古都』の舞台を歩き、京都の産業や街の今昔を垣間見た1日に、ご父母の方々からは心地よい疲れと満足感の入り混じったため息が漏れました。
伊藤:子どもは卒業しましたが、このイベントへの参加を毎年楽しみに、京都を訪れています。
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