インド洋大津波災害に対する立命館学園の取り組みについて
                   
 
                                              (2005年1月24日 学校法人立命館)

 2004年12月26日インド洋沿岸国に降りかかった地震・津波による死者数は1月24日までに23万4000人を超えました。飲料水、医薬品及び食料等の緊急援助が必要な人は500万人以上存在することが推測されています。
 このような未曾有の惨劇に対しては、被災国を支援するための全世界的な対応が必要です。被災国復興のためには、緊急支援、復旧と5年から10年単位の支持・支援も必要とされます。
 立命館学園においては、幸い今次災害の直接的な被害者は確認されていません。しかし、今次被災国となった国々から、多くの学生・教員が立命館で学び、教育・研究をしています。

 立命館学園は、21世紀の来るべき地球社会を展望した際に、「アジア太平洋地域の平和的で持続可能な発展と、人間と自然、多様な文化の共生が不可欠である」と認識しています。この認識から、学園創立100周年事業として、アジア太平洋の未来創造に貢献する有為の人材の養成と新たな学問の創造を行うための立命館アジア太平洋大学を設立しました。
 このような取り組みから考えて、立命館学園は日本国内の教育機関と比しても特段に、今次災害を乗り越えるための取り組みを行う必要があると考えています。

 立命館学園としては当面さしあたって、次のような具体的な行動を行うことを表明します。
 もっとも、被災国に関する情報は未だ錯綜しており、被災国の情報及び組織の状況を正確には掴めていません。立命館学園として被災国に対する調査活動を行い、「被災国の実態とニーズに対応した」、「教育機関らしい」取り組みを行います。21世紀における教育機関の歴史的・社会的使命として、国際社会とりわけアジア太平洋に対する国際貢献のために努力します。

1.小学校再建の支援
 被災国では、小学校が義務教育機関にとどまらず、地域社会の核となっています。被災国においては、小学校が今後の地震警報の徹底等の場、親を亡くした孤児達の保護センター的役割も果たすことになるのではと想定されています。
 そこで、被災国復興支援として、小学校の再建を支援します。具体的な取り組みとしては、被災国で崩壊した小学校建設資金を集めるために、学生・教職員を含めた本学園関係者で自主的な運動的取り組みとして募金活動を進めます(募金の目標額としては、3000万円を予定)。
 被災国の小学校再建には1校あたり500-1000万円程度かかることを想定しています(孤児達の保護センター併設、防災対策設備の付設によって1校あたりの予算規模は変化します)。小学校再建は、在日大使館、被災地域の実態・ニーズを正確に把握しながら進めます。


2.人材育成支援への取り組み
 被災国復興のためには、下水道の再建・地震警報システム構築等の人材が不可欠です。この間、立命館では中国内陸部の人材育成事業へも取り組んでおり、「短期人材育成研修」に対するノウハウがあります。そこで、本学園の教育機関として持てる人材を活かして、「短期人材育成研修」を行います。


3.国際シンポジウムの開催
 被災国復興のためには、中長期的視野にたった安心・安全な国づくりの支援も行う必要があります。地震をはじめとする防災システムの構築、国際的な緊急支援システムの構築等は、20世紀後半からの自然災害の中で国際的にも教訓化されてきています。そこで、これらの分野において国際的な第一線の研究者・行政官による国際シンポジウムを開催します。


<学校法人立命館 インド洋大津波災害に対する対策本部>

 長田豊臣総長を本部長とする「対策本部」を設置し、取組みを行っていきます。
  本 部 長  長田豊臣 (総長)
  副本部長  モンテ・カセム (立命館アジア太平洋大学学長)
          川本八郎 (理事長)
         土岐憲三 (総長顧問・歴史都市防災研究センター長)
  委  員   坂本和一 (副総長)
         川村貞夫 (副総長)
         甲賀光秀 (専務理事・立命館アジア太平洋大学学長補佐)
         高杉巴彦 (常務理事(総務担当)) 
         若林洋夫 (常務理事(財務担当))
         慈道裕治 (常務理事(教学担当))
         中川勝雄 (常務理事(学生担当))
  事務局長 鈴木 元 (総長・理事長室室長)


                                                              (以上)



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