京セラ、京都パープルサンガ、立命館学園のコラボレーションによる
サッカーのプロ・トッププレーヤー育成プロジェクト
                   
2005年5月23日 
京セラ株式会社
株式会社京都パープルサンガ
学校法人立命館
 
                                 
 京セラ株式会社、株式会社京都パープルサンガ、学校法人立命館、立命館宇治中学校・高等学校は、「世界水準のプロ・サッカー選手」の育成を目指したプロジェクトを立ち上げることとなりましたのでお知らせいたします。



【趣 意 書】
★今の日本社会と教育が抱えている問題★

  昨秋のプロ野球界を巡る問題で強いリーダーシップと卓越した交渉力を発揮した 古田選手会長には、世間から高い評価と注目が集まりました。また、イタリア語を 自在に操り、チーム内でも中心選手として活躍しているサッカーの中田英寿選手、 野球のイチロー選手や松井選手のように、世界における日本人スポーツマンの活躍 はめざましいものがあります。
  このように世界の舞台で一流の活躍をする日本人は少しずつ出てきていますが、 欧米に比較するとまだまだ少ないと言わざるを得ません。欧米では、野球やアメフトなどのプロ・トッププレーヤーが現役引退後、弁護士、医師、企業経営者などになって社会のリーダーとして活躍している例も珍しくありませんが、このような例は日本では極めて稀です。
  これは、極論すれば、日本では中学や高校入学あたりの早い段階で、受験勉強して大学へ行くか、それとも野球やサッカーなどのスポーツに励み将来はプロ選手を目指すか二者択一を迫られていることと無縁ではありません。これではせっかくの個々人の可能性を狭めてしまい、ひいては社会的損失にもなっています。
  また、現在、日本社会が抱える問題は山積していますが、中でも若い世代の社会性や倫理性の欠如ないし不足について、多くの人々が憂慮しています。大学や高校スポーツにおいても、プロ野球における高卒ルーキーの高額な契約金がもたらす問題や「勝利至上主義」にとらわれた非科学的な指導方法、あいかわらず絶えない不祥事など、残念な実態も指摘されるところです。


◆真の“scholar-athlete”を目指して◆

  私たちは、このような問題の解決にあたって、改めてスポーツの果たすべき役割に注目すべきだと考えます。
  スポーツは、人間の身体を動かすという本源的な欲求にこたえるとともに、連帯感や協調性、いたわりや助け合いの精神を育み、極限にまで挑戦する選手たちの姿は見る人に大きな感動や活力、精神的充足や楽しさ、喜びなどを与えるものです。また、選手たちを全力で応援することによって、他者を思いやる心、選手の取組み・努力に謙虚に学び尊敬する心をも育てるものです。このように、スポーツはとりわけ青少年にとって心身の両面にわたる健全な発達に大きな意義を有している、と考えます。
  スポーツと学業の両立を目指すことは本来の正常な姿であり、そのことを通じて個々人の人間としての可能性を広げ、夢に向かって勇躍チャレンジしていける力を育むことに繋がります。
  “scholar-athlete”とは、このような認識を端的に表現したものです。


《産・地・学のコラボレーション = めざすは“世界水準” 》

  私たちは、真の“scholar-athlete”の育成、すなわち“グローバルな舞台で活躍する『世界水準』の人間”、“高い倫理観と道徳心を持った世界的なプロ・トッププレーヤー”を育成することによって、上記のような現在の日本社会やスポーツ界が抱えている様々な問題を克服し、よって日本社会の発展に大きく貢献できるのではないか、と考えています。
  今回のプロジェクトは、このような高い志を実現するための新しい教育システムを構築することを目指しています。
  そのためには、産業界と地域社会、そして教育現場が一体となって取り組むことが必要であり、なおかつ、このコラボレーションは、常に時代を先取りして新しい産業を数多く生み出し、様々な先進的な教育活動を展開してきた京都だからこそ、推進できるものと確信します。
  具体的には、世界で最も人気があり、最も競技人口が多いと言われているサッカーのプロ・トッププレーヤーを、京セラ梶A葛椏sパープルサンガ、立命館宇治中学校・高等学校の三者のコラボレーションによって育成します。
  すなわち、プロ・サッカー選手を夢見る才能豊かな子供達を、「人類、社会の進歩発展への貢献」を経営理念とし、社会貢献活動に積極的に取組んできた京セラの物心両面にわたる強力なバック・アップのもと、京都サッカー界のパイオニアであり、サッカーを通じて地域・社会の進歩発展に貢献することを基本理念としている葛椏sパープルサンガがプロ集団としての先進的で科学的な指導方法によって育成し、立命館宇治中学校・高等学校がこれまで取組んできた教育実践の到達点と中高大一貫教育の優位性および立命館の総合学園としての“力”をフル動員して受け入れ、世界に通用する語学力と高い道徳心・倫理観を身に付けるよう教育します。
  ただし、このプロジェクトの成果は一朝一夕に出るものではなく、少なくとも10年程度の期間をかけてしっかりと取り組んでいきます。


【社会と人類の進歩に貢献】

  この結果、サッカーの競技力はもちろん、人格的にもお世話になった方々への感謝の心、京都に対する強いアイデンティティと高い使命感を持ち、葛椏sパープルサンガとプロ契約を締結できるハイレベルの選手を多数育成し、そのことによって常にJ1リーグで優勝を争えるトップ・チーム作りに貢献するとともに、世界的規模で活躍する選手を輩出して、京都をサッカー界の一大拠点とすることを目指します。
  そして、世界と日本のサッカーのレベル向上に大きく寄与するとともに、「Jリーグ100年構想」が掲げる“スポーツ文化の確立”の理念実現の一端を担い、社会と人類の進歩発展に大きく貢献したいと思います。
  さらに、このプロジェクトの成功を基礎に、将来的にはサッカーに止まらず、陸上、ラグビー、バスケットボールなど他の種目にも広げ、京都を世界的一大スポーツ拠点とする“夢”へと繋ぐ、その第一歩にしたいと念願しています。

以 上

京セラ株式会社
株式会社京都パープルサンガ
学校法人 立命館





【実 施 概 要】
★本プロジェクトの実施概要★

1.本プロジェクトによる2006年度入学生を第1期生とし、今年度より募集活動を開始します。

2.第1期生より京都パープルサンガのユース選手(U-18)は、全員、立命館宇治高等学校に入学します。
  (1) 立命館宇治高校の受験資格基準および入試方法などの詳細は別途定めます。
  (2) 立命館大学への内部進学も可能です(その学力基準等は別途定めます)。

3.京都パープルサンガのユース選手の学費は、各学年10名を限度として全額免除します。
  立命館が学園として基金をつくり、奨学金として負担します。
  〔2005年度入学金・学費(授業料、教育充実費):年額1,004,000円〕

4.立命館宇治高校(広野キャンパス)において一般の生徒と区別せず教育します。
  本校が掲げてきた“4つの教育コンセプト”(国際化教育、統合と卓越の教育、貢献の教育、情報化教育)に基づく教育を行います。特に、文部科学省のスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールに指定された高校として、世界で活躍するにふさわしい高い英語能力を身に付けさせます。また、京都パープルサンガのトップ・チームに入った場合などは授業上の特別な配慮を行います。

5.京都パープルサンガのジュニア・ユース選手(U-15)の希望者は、立命館宇治中学校を特別推薦扱いで受験することができます(ただし、学費免除はしません)。
  詳細は7月16日オープンキャンパスにて公表・説明します。

6.京都パープルサンガのユース選手は、全員、サンガ寮に入寮します。
  (1) 寮生活について
  @ 寮生活に関しては京都パープルサンガが責任を持って管理します。
  A 専属栄養士による食事管理を始め、生活全般を通じた社会教育を行います。
  B 学校、練習、寮のグランドの移動には各自の自転車を利用します。
  C 寮費、食費については京都パープルサンガが全額負担します。
   〔寮運営年間予算:約35,000,000円〕
  (2) 専用グランドについて
  本プロジェクトの発足により、京都パープルサンガは、サンガタウン内に人工芝の育成部専用グランドを建設します。
   〔人工芝グランド 設備償却費を含む年間維持管理予算:約15,000,000円〕

7.京都パープルサンガは、立命館宇治中学校・高等学校のサッカー部を総合的にサポート・ア ドバイスします。具体的には以下の予定です。
  (1) 高等学校サッカー部監督としてコーチ1名の派遣。
  (2) サンガユースとのトレーニングマッチや合同練習等の実施。
  (3) サンガメディカルスタッフ(トレーナー)によるアドバイス。
  (4) サンガGKコーチやフィジカルコーチによるアドバイス。
  (5) 立命館宇治中学校サッカー部へのアドバイス。
  (6) その他。 

以 上


〔参考〕

   学校    〜 練習場  約1km
   サンガ寮 〜 練習場  約3km



《本件に関するお問い合わせ先》

京セラ(株) 広報室
  〒612-8501 京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地
075-604-3514
(株)京都パープルサンガ 広報課
  〒610-0102 京都府城陽市久世上大谷89-1
0774-55-7604
立命館大学 広報課
  〒603-8577 京都市北区等持院北町56番地の1
075-465-8122
立命館宇治中学校・高等学校 事務室
  〒611-0031 京都府宇治市広野町八軒屋谷33番1
0774-41-3000