2006年5月2日 立命館大学
産業社会学部における小学校教員養成課程の設置構想について
※2007年4月開設を目指して構想中。2006年9月、小学校教員養成課程認定申請予定。
1.設置の背景
産業社会学部は2001年度以降、産業社会学科「現代社会」「情報メディア」「人間文化」、人間福祉学科「人間福祉」という2学科4分野の学系枠組みにおいて、多様な観点から社会の問題に迫る教育研究を展開してきました。
しかし、近年、子どもや教育に関わる社会の諸問題が注目され、現代社会の解明には、上記4つの学系それぞれにおいて、子ども等に関連する問題を取り扱うケースが増えています。
そこで、2007年度 産業社会学部改革は現在の2学科制から1学科5専攻制(現代社会専攻、メディア社会専攻、スポーツ社会専攻、子ども社会専攻、人間福祉専攻)へと学部再編を行い、「子ども社会専攻」に立命館大学においてはじめて小学校教員養成課程を設置することとしました。
団塊の世代の大量退職や少人数学級化により教員の不足が指摘されており、幅広い視野と社会科学的教養を身につけた小学校教員を社会に送り出すことは、現代社会のニーズに応えるものです。
なお、本学は伝統的に多数の教員を輩出しており、既卒者も含めて2006年度は246名、2005年度は209名が教員採用試験に合格しています。大学では「教職支援センター」を設置するなど、正課と課外の両面から教職をめざす学生をサポートしています。
2.「子ども社会専攻」の基本コンセプト
- (1)総合的・学際的に「子どもと社会」、「子どもの社会」について解明
- 教育学や心理学といった特定の学問的視点に限定されることなく、社会学をはじめとする関連社会諸科学の成果を幅広く用いながら、「子どもと社会」、「子どもの社会」について総合的・学際的に解明することを教学の中心課題とします。
- (2)小学校教員免許の取得を可能とする
- 小学校教員免許に必要な科目を設置し、小学校教員免許の取得を可能とします。小学校教員免許法に定められた科目の履修にとどまることのない幅広い社会科学分野の学習が行える履修構造を構築し、現在求められている教師としての幅広い知識や力量形成を促します。また、ここでは理論的な解明はもとより、実践的・臨床的に解明することを重視します。
3.子ども社会専攻の概要
- (1)開設予定 2007年4月(2006年7月届出予定)
- (2)開設場所 京都 衣笠キャンパス
- (3)定 員 数 60名(予定)
- 全員に小学校教諭免許状を取得するための教職課程履修を保障します。
- (小学校教員養成課程認定申請は2006年9月予定)
- (4)教 員 12名
4.「子ども社会専攻」のカリキュラムの特徴
- 子どもや社会について幅広い視野から解明することによる新しい資質を持った小学校教員としての必要な力量を形成します。
- フィールドワーク等を組み入れながら、実際の現場で生じていることに即した問題の解明を重視します。
- 理論系、演習系、実技系科目をバランスよく開講。演習系、実技系科目は少人数教育とすることによって、小学校教員として必要な実践的な力量を形成します。
- 徹底した少人数教育による丁寧な履修指導および教職指導を行います。
- インターンシップ及びボランティア(学校、福祉施設等)の重視。現場体験のなかで、問題意識や進路意識を確立させるとともに、教師としての力量を形成します。
5.科目構成
(1)基本的な考え方
- 「専門科目」、「学部共通専門科目」、「教養科目」及び「外国語科目」を用意します。
- 「専門科目」として、「教育職員免許法に定める教職科目」および産業社会学部の幅広い教学を活かした「専攻専門科目」を、「子どもと世界」、「子どもと現代社会」、「子どもと学校」、「子どもと発達」及び「子どもと学習指導」の5つの観点から配置します。
(2)主な科目の配当イメージ(構想案)
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演習系科目 |
主な講義系科目 |
その他 |
1回生 導入期教育 |
・基礎演習 |
・子どもと社会 ・子どもと教育 ・子どもと心理 など |
・数学入門 ・理科入門 など |
2回生 キャリア意識形成 基礎的知識獲得 |
・子どもワークショップ |
・国際理解教育論 ・子どもとメディア ・子どもと地球環境 ・教科教育法(各種) など |
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3回生 応用的知識獲得 |
・専門演習 |
・教育社会学 ・生命倫理学 ・自我論 ・学校マネジメント ・学校カウンセリング ・小学校英語授業論 ・教科教育法(各種) ・教育実習 など |
・総合演習 ・介護等体験 など |
4回生 総まとめ |
・卒業研究 |
*2006年4月末日現在。内容は今後変更することがあります。
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