立命館大学
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2007年6月15日 立命館大学

文部科学省「グローバルCOEプログラム」に2件が採択されました


 立命館大学は、文部科学省「グローバルCOEプログラム」において、「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」及び「『生存学』創成拠点」の2件が採択されました。
 文部科学省「グローバルCOEプログラム」とは、2002年度から文部科学省において開始された「21世紀COEプログラム」の評価・検証を踏まえ、その基本的な考え方を継承しつつ、我が国の大学院の教育研究拠点を一層充実・強化し、世界最高水準の研究基盤の下で世界をリードする創造的な人材育成を図るため、国際的に卓越した教育研究拠点の形成を重点的に支援し、もって、国際競争力ある大学づくりを推進することを目的とする事業です。
 以下に、採択を受けた研究の概要をご報告します。

1.採択された研究の概要

◆日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点
・中核となる専攻等名
アート・リサーチセンター
・拠点リーダー
川嶋將生(文学研究科・教授)
・研究概要
 本研究拠点は、21世紀COEプログラム「京都アート・エンタテインメント創成研究」で培ってまいりました資源の集積・活用を世界レベルで行っていきます。日本文化・芸術を実践領域として、文理連携の教育研究モデルと国際ネットワークを活用し、最先端の情報技術(デジタルアーカイブ、データベース、地理情報システム、Web2.0など)を駆使する文理連携の取り組みを更に展開していきます。また、日本文化・芸術研究を再構築し、国際的な人文学研究者育成を目指します。
 ロンドン大学SOAS、セインズベリ日本芸術・文化研究所、大英博物館、コロンビア大学中世日本研究所など海外の著名研究所・博物館との連携による日本文化教育研究拠点をつくります。
・採択理由
 日本文化の中心地の一つである京都という大学の地理的利点を活かし、これまでの21世紀COEプログラムの成果を基盤として、人文学とITを結びつける「デジタル・ヒューマニティーズ」の創成を目指す本プログラムは、世界に向けて日本文化を発信する教育研究拠点としての役割が大いに期待できることです。
 研究活動面においては、大英博物館を始め、21世紀COEプログラムの成果を踏まえた国際ネットワーク体制が構築されており、今後の飛躍的な成果の発信が期待できる点が評価されることです。
・立命館大学アート・リサーチセンター ホームページアドレス
http://www.arc.ritsumei.ac.jp/
◆「生存学」創成拠点
・中核となる専攻等名
先端総合学術研究科先端総合学術専攻
・拠点リーダー
立岩真也(大学院 先端総合学術研究科・教授)
・研究概要
 病や、老い、障害など、ままならない身体とともに生きること。それは、福祉や医療の援助の対象である前に、人々が生きていく過程であり、生きる知恵や技が創出される現場です。
 その人々の経験や語りを集め、社会との関わりを解析し、人々のこれからの生き方を構想し、あるべき社会・世界を実現する手立てを示す――それが「生存学」です。自然科学と人文社会科学のはざまで分散し埋もれていた情報をデータベース化し、それをもとに本格的な学問的考察を行い社会に発信します。
 本拠点は、障害者や患者本人が研究の担い手として活動する場と方法を構築します。技術者との橋渡しや、NPO・NGOの活動にも注目し、現在の社会で生き難い人々が生きるために必要な援助や政策はどうあるべきか、構想し提案します。
・採択理由
 「生存学」という、ユニークで現代が直面する研究課題を掲げて、その教育研究拠点を形成しようとする、大変有意義なプログラムであることです。
 人材育成面においては、障害を持つ人やそれを支援する人たちなどが、自身が抱える課題を探求できる体制を整え、これを研究成果として形を与えようするもので、実践的である点です。
・立命館大学「生存学」創成拠点 ホームページアドレス
http://www.arsvi.com/

※今次「グローバルCOEプログラム」においては、「生命科学」、「化学、材料科学」、「情報、電気、電子」、「人文科学」、「学際・複合・新領域」の5領域において募集されました。採択数は、各領域で12〜13件となっています。
※「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」は「人文科学」分野、「生存学」創成拠点は「学際・複合・新領域」分野での採択となります。

2.各研究拠点リーダーのプロフィール

◆川嶋將生(文学研究科・教授) 【日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点】
・研究テーマ
日本中世文化史/中世後期の生活と文化
南北朝時代から江戸時代初頭にかけての芸能や生活文化を中心とした文化史の研究。
・経歴
1967年 立命館大学文学部史学科日本史専攻 卒業
1967年 立命館大学文学研究科博士前期 中退
・取得学位
文学博士 (立命館大学)
・研究テーマの概要
 室町時代文化史にみる現代的意義について研究を主に進めている。被差別階級の人々が携わった作庭の問題を含む芸能文化に興味があり、『中世京都文化の周縁』(思文閣出版)では庭者といわれた庭づくりの活動を明らかにするなど研究を進めている。『町衆のまち京』(柳原書店)は都市史関係の成果。絵画資料を分析した『洛中洛外図大観』(共著小学館)などもある。
◆立岩真也(先端総合学術研究科・教授) 【「生存学」創成拠点】
・研究テーマ
社会学/近代社会論・所有論
・経歴
1983年 東京大学文学部
1990年 東京大学社会学研究科社会学博士課程(単位取得退学)
・取得学位
社会学修士
・研究テーマの概要
 家族・ジェンダーに関する研究、障害者の自立生活に関する研究、生命倫理に関する研究を主に進めている。著作は、1997年に『私的所有論』(勁草書房)、2004年の『自由の平等』(岩波書店)、『希望について』(青土社)、『所有と国家のゆくえ』(NHK出版・対談本)等多数ある。


以上