立命館大学
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2007年6月29日 学校法人立命館

「学校法人奈良育英学園と学校法人立命館の交流協力協定書」の締結
および「育英西中学校・高等学校への立命館コースの開設」について


学校法人立命館と学校法人奈良育英学園(奈良県奈良市)は、このたび、教育・研究に関する交流協力協定を締結し、あわせて育英西中学校・高等学校に「立命館コース」を開設することについて合意・決定いたしました。

 
1.交流協定締結の目的

 今回の協定の目的は、両学園が相互の教育環境と教育資源を活用することによって、幅広い教育をそれぞれが展開し教育効果を飛躍的に高めることにあります。
 奈良育英学園は「神を信じ、人を愛し、道義を重んじ、真理を愛し、職分を貴び、勤労を楽しむ精神を涵養し、完全な人格を育成する」ことを教育理想に掲げ、奈良県の私学として幼児から初等・中等教育分野において優れた人材育成に貢献してきました。
 また立命館学園はアジアにおける日本の総合学園として全国に附属小学校から4つの附属中学・高等学校、2つの大学・大学院など教育・研究の拠点を有し、世界基準の教育・研究を展開しています。
 今後、両学園は、高大連携、中学・高校での学校間交流、教員交流・研修等の実施によって、教育・研究活動の活性化と高度化を目指していきます。なお、協定の期間は、協定を締結した日から2014年3月31日までとし、その時点で見直しを行うこととしています。

2.「立命館コース」の設置と特別推薦入学制度について

(1)両学園の交流・協力の具体的なプロジェクトとして、2008年4月から育英西中学校・高等学校(奈良県奈良市)に立命館の理工系学部(理工学部・情報理工学部・薬学部<2008年4月開設予定>・生命科学部<2008年4月開設予定>)への進学を中心とする理工系教育を特色とした「立命館コース」を開設します。
(2)同コースの卒業生は、基本的に立命館大学もしくはAPUに進学することとなります。別途定める特別推薦制度に基づき、推薦基準を満たす者は全員推薦されます。
(3)2008年度入試より中学および高校ともに生徒を募集します。なお募集人数は年度毎に協議により決定します。

 
3.「立命館コース」設置の目的

(1)日本の国際競争力を支えているのは最先端の独創的な科学技術であることは論を待ちません。しかし少子高齢化、「ゆとり教育」による学力低下や「理系離れ」が指摘される昨今、次代の科学技術を担う人材の育成・確保が量的にも質的にも困難となることが懸念されています。科学創造立国を支え、科学技術を通じた国際貢献を担う「次世代の理系人材」の育成は日本の教育界に求められている緊急の課題といえます。

(2)こうした理系人材の逼迫の背景としては、理系学部への女子の進出がまだ十分ではないことが要因のひとつと考えられます。学校基本調査(2006年)による理系女子の割合は、学部では理学25.3%、工学10.5%(参考:人文66.6%、社会31.2%)で、女子の進学率上昇にもかかわらず低い数字で推移しています。大学院ではさらに低い比率となっています。また日本の女性研究者の割合は国際的にみても下位に位置しており、女子の理系への進出を促していく視点は重要といえます。
(3)立命館大学の理工系学部・大学院においても国際レベルで活躍できる優秀な研究者の育成は重要な政策課題と位置づけられており、そのためには女子を積極的に受け入れ、さらに中等教育機関との接続によって理系進路を選ぶ女子を早期から育成していくことは有効な政策であると考えています。
(4)育英西中学・高等学校は奈良県の女子中高一貫校として、進路において医薬看護系への進路への実績を有しています。育英西中学・高等学校としてもさらに理工系学部への進路の前進を目指していくことが社会的要請に応える学校創造の方向であると確信するに至りました。
(5)奈良育英学園と立命館学園との交流協力の議論においては、こうした日本の理系人材の育成が抱える構造的問題点に対して、「初等・中等教育段階から高等教育までの一貫した教育システム」と「女子中学・高等学校における理系教育」によって「女子の理系キャリアパス」の展開に一石を投じることができるのではないか、という点で見解が一致しました。両学園は今後、連携教育によって「次世代を担う理系の女性人材」を育成することを目指していきます。これはそれぞれの特徴を持つ私学の総合学園の連携であればこそ可能となった「イノベーション」であると確信しています。

 
4.「立命館コース」の内容について

(1)本コースは育英西高校の6年間の中高一貫教育から立命館大学もしくは立命館アジア太平洋大学(APU)および大学院との接続による「中高大院一貫教育」を特徴としています。
(2)教育の目標としては、育英西中学・高等学校における質の高い教科教育を土台(基礎)に、上記の課題に対応した「理数・科学技術教育」および「人間形成」を目指し、「中高大院の一貫教育」の前半期として、高い学力と幅広い視野を身につけ、科学技術を正しく使う心を養う「特色ある女子教育」を展開します。
(3)中学校段階では基礎学力の育成と定着を基本に置きつつ、連携プログラムを通じて理数の面白さや科学技術の役割などを学びます。最先端の科学技術を体験することで学習意欲を喚起し将来のキャリアへの動機付けを行います
(4)高校段階では受験進学校に負けない教科学力を養いつつ、立命館大学の理工系学部および今後理工系学部等の設置を検討しているAPUへの進学を目指した学びを展開します。特に一貫教育の優位性を生かし、大学での基礎科目の履修と大学の卒業単位としての認定も検討していきます。さらに各分野の第一線で活躍する実務家等を講師に招いてのキャリアデザイン教育やビジネス教育など「アドバンストプログラム(APプログラム)」を展開する予定です。
(5)また、グローバル時代で活躍する理系人材には英語能力や異文化理解・コミュニケーション能力といった国際適応力も求められます。一貫教育のメリットを生かし、受験英語を超える総合的な英語運用能力(「読む」「聞く」「話す」「書く」)を鍛え、一部科目では科学技術を英語で学ぶことも検討し世界を舞台に活躍出来る基礎的素養を身につけます。
(6)上記の教育を効果的に展開するために、特に立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)および立命館アジア太平洋大学(APU)との連携を密にしていきます。具体的なカリキュラム等については、今後両学園で構成する作業グループにおいて検討していきます。

以上

※立命館コースの設置は、平安女学院中学校・高等学校(京都市上京区)、岩田中学・高等学校(大分県大分市)に次いで3校目となります。
※「学校法人岩田学園との交流協力協定書の締結」及び「岩田中学・高等学校への立命館アジア太平洋大学(APU)・立命館大学進学コース」開設についてはコチラ